米国と密約あり。中国が「台湾独立宣言」でもない限り武力侵攻せぬ訳

takano20210719
 

さまざまなメディアで、もはやどのタイミングで勃発しても不思議はないように伝えられる台湾有事。今年3月には米軍司令官が6年以内の中国による台湾侵攻の可能性を示唆しましたが、果たしてそのような自体は起こりうるのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、「中国が台湾に武力を発動するのは台湾が独立宣言をした場合のみ」と断言し、その根拠となる「密約」の内容を紹介。さらに東アジアの軍事バランスの現状を詳細に解説するとともに、それを踏まえた上で日本がすべき外交努力について論じています。

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2021年7月12日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

中国の台湾軍事侵攻が切迫しているというのは本当か?/滑稽な海兵隊の「南西諸島海上ゲリラ戦」構想

米バイデン政権の対中国政策は、当初はトランプ前政権の露骨な敵視策をそのまま引き継いだかのようだったが(本誌No.1098参照)、ここへきて少し正気(と言って悪ければ、落ち着き)を取り戻しつつあるように見える。

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ペンタゴンのトップは台湾有事否定

米軍制服組の頂点に立つマーク・ミリー統合参謀本部議長は6月17日、米上院歳出委員会の公聴会で、中国の脅威について、

▼中国は今世紀半ばまでに軍事的に米国に対して優位性を持つという考え方を公にしており、強力な経済力を背景に徹底的に資源を投資するつもりだろう。

▼米国は、平和と抑止を保つために軍事的な優位性を維持しなければならない。

と、中長期的に米中の軍事的優位を巡る対抗関係が続くことを認めながらも、中国の台湾侵攻が切迫しているとの説についてはかなりはっきりと否定してこう述べた。

▼中国が台湾全体を掌握する軍事作戦を遂行するだけの本当の能力を持つまでには、まだ道のりは長く、中国による台湾の武力統一が近い将来、起きる可能性は低い。

▼中国には現時点で(武力統一するという)意図も動機もほとんどないし、理由もない。

▼ただし台湾は中国の国家的な利益の核心部分であることは間違いない……。

また同じ公聴会でロイド・オースティン米国防長官も「中国が台湾統一を目標にしていることは疑いの余地はないが、中国がいつ台湾を武力統一できるような軍事能力をもつかは不透明だ」と述べた。

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