教員からの性被害が増加。スクールセクハラから我が子を守る方法

 

事後のカウンセリングも大切ですが、未然に防ぐためにも、実効性のある、早期発見、犯罪防止を考えなくてはなりません。子どもを守る保護者や真っ当な教員、PTAや地域の立場からすれば、「早期発見」がとても重要です。子どもの「からだ言葉」に細心の注意を払い、しっかりSOSをキャッチしなければなりません。これは、いじめの被害を発見するプロセスでも同じことが言えます。ほんのささいな変化や言動を見過ごさないことです。以前、このメルマガでも紹介されましたが、優秀な教員は、隣の子の机とその子の机の距離、ほんの10センチのスキマから、いじめを見抜いていきました。

では、「もしかして性被害かも」と疑うべきポイントはなんでしょうか。子どもが自信を失い、自己嫌悪感を持ったり、否定的な感情を見せてきたときは、慎重な配慮が必要です。同時に、観察すべき点として、

  1. リストカットなど身体の傷
  2. 衣服の汚れ
  3. 異装
  4. ヘアースタイルの変化

などに注意が必要です。髪の毛が長く、少女らしい可愛らしい女の子が、短髪にズボンの男の子のようにすることで、必死に自己防衛していたケースもあります。反対に、大はしゃぎをしたと思ったら、急に泣き出すなど、情緒不安定になることもあります。「イジメ」、「家庭内虐待」等さまざまな原因を考えつつも、「性被害」も原因の選択肢の範囲に入れてください。

もし、子どもたちが被害を訴えてきたならば、「話をしてくれて、ありがとう」「あなたは悪くない」と絶対的な肯定をしてあげることが重要です。子どもの年齢にもよりますが、「たとえ、からだが傷ついても、心はダイヤモンドだから、けっして折れたりなんかしない。あなたは、美しいし、強いです」という趣旨をやさしく包み込むように語ってあげたいものです。児童相談所に保護されたり、病院や民間のシェルターに入れられることで、加害者と被害者が空間的に顔を合わせることがなくなり、かつ、時間が経過し、信頼できる大人と出会うことで、はじめて子どもは心を開いて、真実を話してくれるようになります。

第二に、教員を信頼する気持ちは大事ですが、性犯罪を繰り返すような教員は、被害者である子ども、児童をよく選別しているということを知ってください。つまり、「被害を訴えないであろう」という子どもをわざわざ選んでいるのです。ほとんどの場合、保護者が子どもを守るだけの余力を持っていないケースがみられます。母子家庭である、親に精神疾患がある、家庭が機能不全だ、といった弱い環境の子を選んでいます。頭の良い犯罪者は、自分の立場が危うくなるような環境には決して持ち込みません。

加害者が教員で、あなたがもし同僚である教員であったり、近いところにいる人であれば、直に校長先生に訴えたりするといった正攻法で糾弾するというより、慎重に外堀から埋める、という戦略を立てなければならならない場合もあります。なぜなら、ほとんどの場合、口の立つ教員の説明により、「子どものほうの妄想である」とか、「指導に対する逆恨みである」とか、「気を引きたいだけ」とか、の理由が勝ってしまうからです。そして、報告を受けた校長先生も組織維持のため、結果的に隠ぺいに走る、ということになるからです。

では、外掘とはなんでしょうか。公的機関である、児童相談所や警察署、法務局、そして教育委員会です。直接、先生やPTAに訴えた場合、学校への所属意識の方が勝ってしまい、「犯罪なのだから警察に被害届出や相談をして当然」という、社会常識が飛んでしまうことがあります。「校長先生の許可がないのにできない」と思い込んでしまうのです。

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