ここまで、適切でないものについてお伝えしたので、ここからは適切なおもちゃについての説明を。
すでにお察しだとは思いますが、一言で括れば「自由に使えるもの」となります。
分かりやすい例が、ブロック。また、ベーシックな“玩具”たち──ぬいぐるみ、人形、ミニカー、ボールなど──も良いでしょう。
これらは、それが「何に見えるか」は比較的固定されていますが、「どう遊ぶか・何に使うか」は決まっておらず、自由に使いやすいおもちゃと言えます。
さらには、大人が考える“おもちゃ”の枠外にも子どもたちが遊びに活用できる品物はいっぱいあります。具体的には、紙(折り紙~ボール紙)、布(ハンカチ・タオル~風呂敷+ヒモ類も)、箱など。これらの素朴な品物が「プレゼント」に向いているかどうかは微妙ですが、子どもの遊びのお供としては、かなりの万能選手です。
こんなシンプルな素材で(シンプルな素材だからこそ)、子どもたちは見事なまでに多様な遊び・作品を生み出すのです。せっかくなので、わが家で実際にあった遊び方の一部をご紹介します。私が覚えている範囲ですがこんな具合です。
□紙
→お菓子の空き箱で「おうち(穴を開けて天窓付き!)」
→折り紙で「おてがみ(封筒と便箋は別の色で。絵を書いて封入し、実際に友だちにお届け)」
→ティッシュの空き箱で「カメラ(シャッター部分はワインのコルク、携帯ストラップも付けて)」
□布
→自分の身にまとって「ドレス」
→お人形が寝るときは「お布団」
→手ぬぐいを上手にぬいぐるみに巻きつけて「着物」
→頭から風呂敷をかぶって「オバケだぞぉ~」
→部屋に何枚も広げて「タオルの所は川だよ!畳の所をジャンプで通るんだよ。落ちたら濡れちゃうよー」
□箱
→「車」「船」「家」くらいは当然。
→蓄光素材のモノを見るための「暗室」にも
□ついでにブロック
→「おうち」「飛行機」などはオーソドックスですね
→「3本足のオバケ」(?)
→平らに敷き組んで「座布団」を一生懸命作っていたことも(完成後に勧められて座ったら、すねがものすごく痛かったです(苦笑))
長文にて具体的な「おもちゃ」の例を挙げて説明しましたが、「良いおもちゃ/悪いおもちゃ」をお伝えしようとしているわけでないことはご理解くださいね。あくまでも、「子どもが創造性を発揮・発展しやすい/しにくい」という
“視点”をご理解いただくための説明と事例ですから。
まあ、身もフタもないことを言ってしまえば、たいていの子どもはとーってもタフで元気な創造力を秘めているもの。どんなに遊び方の決まったおもちゃであっても、どれほどシッカリ「こう使うんだよ」と説明されても、平気で勝手な遊び方で、ちゃんと楽しむんですけどね。
とは言え、遊び方が決まった玩具は往々にして形が特殊です。自由に遊ぶには使い勝手が悪いし、そして時に高価だったりします。また、飽きてしまって使われなくなったりしがちでもあります。そういった玩具を買いそうになった時に、今回の話を少し思い出していただければ嬉しいです。
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