なぜ『鬼滅の刃』が興行収入歴代1位の日本映画産業の未来は暗いのか

 

アジア

アジアの映画市場をけん引するのが、中国、韓国、インドであることは間違いない。とくに、ここ10年の中国の映画市場に発展は目覚ましいものがある。

実は日本の映画市場は1978年ごろから約40年間、2000億円台の規模で横ばい、米国に関しても、1兆2000億円台を維持し続けている。ところが、中国だけは右肩上がりの成長は続けた。

2011年に日本の2000億円の市場規模を越えてから、2018年には1兆円に迫る市場規模に成長、2020年に米国を抜き、世界最大の映画市場となった。スクリーンの数も急増、6年間で5倍に達す。この数は米国の1.5倍にまでいたった。

他方、2015年以降はハリウッドと中国との結びつきが強まった。ワーナー・ブラザーズやウォルト・ディズニーなどハリウッドのスタジオが、中国企業が製作した映画の制作や出資、あるいは中国の映画市場への進出を目的に提携、逆のパターンとて、中国マネーのハリウッド進出という事情をうむ。

韓国の映画産業も相変わらず好調だ。2017年の国民1人当たりの年間鑑賞本数は4.3本と、北米(3 .4回 )、フランス(3.2 回 )、イギリス (2.6 回) 、ドイツ(1.5 回)、日本(1.4回)と他国を圧倒する。

インドも映画の製作本数では他国を圧倒する映画大国だ。2019年の製作本数は、インドが1986本で、中国(874本)、米国(660本)、日本(594本)と続く。

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