なぜ『鬼滅の刃』が興行収入歴代1位の日本映画産業の未来は暗いのか

 

欧州

欧州の市場規模も大きい。欧州28カ国における映画観客動員数は、2017年時点で9億8,400万人と、2004年以降で2番目に多い動員数を記録。興行収入は3年連続で70億ユーロを越えた。

その中でも、とくにスロヴァキア(18.1%増)、ポーランド(8.7%増)と、東欧諸国の観客動員数の伸びが顕著だ。

欧州で製作された映画の数は、2007年の1,422本から2016年には2,123本と49%増加した。なお、観客動員数、製作動員数ともに、(英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア)に集中、いずれも過半数を占めた。

その中でも、フランスは長らく欧州諸国の映画市場をリードしてきた。とくに EU域内では、観客動員数・興行収入・製作本数・スクリーン・公開本数において首位を維持してきた。

フランス映画市場の特徴として、国内市場で鑑賞されている映画の国籍に偏りがないことが挙げられる。日本のように米国映画や邦画かというわけでなく、多国籍の映画が偏りなく見られているというわけだ。

また米国映画のシェアが70%を超えている欧州市場において、フランス市場だけは自国産のシェアが10%を超えている。これは、英国の2倍以上だ。

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