韓国初のフィールズ賞受賞者が日本の数学者から受けた大きな影響

 

―韓国のように全国民が数学トラウマに苦しむ国もないようです

「数学が問題ではなく、韓国の入試構造が問題です。数学ストレスをなくす方法はとても簡単です。数学者として言うべきことではないけれど、来年から入試に数学を入れないと言ったらすぐに解決できるのではないでしょうか(笑)」

―数学の世界は広範囲ですが、一般の人々に数学は計算と同じ意味で近づいてきます

「数学という世界の言語をまず構築するために、小中高の過程で計算訓練を集中的にさせるからです。シェイクスピア作品を読むには、まずアルファベットから学ばなければならないのと同じ理屈です。皮肉なのは国籍が多様な学生を教えてみると、そのように数学の勉強をたくさんする韓国の学生たちが意外に数学に接した程度が低かったです。

トップレベルの大学に来た米国の学生たちは、大学レベルの数学をすでに勉強してきたケースが多いです。ところで数学ストレスは韓国の学生がひどいです。入試数学の弊害ですね」

―数学の魅力は何でしょうか

「政治や他の分野ではいくら多くの話を交わしても、お互いに疎通ができなければ、私が住む島と相手が住む島の距離を縮めることはできません。数学は答えを見つけるのにかかる時間と方向は人によって違っても到達する正解は一つです。

私の意見を説得しようと声を高める必要もありません。十分に時間さえあれば、互いに一寸ずれることなく完璧に疎通できるという確信があります。最近のように意見が対立して疲れたら『考え方次第』と結論付けてしまう世の中ではもっと意味があります」

―湖岩賞受賞の感想で「私自身の偏見と限界を理解していく過程だった」と話しました

「小説のように一度読んですぐ理解できればいいが、数学者も誰かがまとめた理論を理解しにくい時が多いです。その人の論理鎖に従わなければならないのに、私がすでに作った枠組みで理解しようとするからです。それを偏見と表現しました。

人の頭脳はゆっくり考えるのが苦手です。ある情報を与えると、1秒でこんなことをするんだろうと大きな絵を描いてしまいます。相手が言葉を終える前に自分なりの把握を終わらせてしまいます。精巧なコミュニケーションが必要な場合は大きな弱点になります」

―ニューホライズン賞を受賞した時、「数学者の内的動機は芸術家のそれと同じだ」と言いました。実際にオックスフォード大学数学科教授でありながら「不思議の国のアリス」を書いたルイス・キャロルのように芸術と数学を並行した人もかなりいましたが

「気質的に似たような地点があります。どちらも抽象的な対象を共有しながら疎通しようとする欲求が強いです。自分がすごく頑張ってある種の美しさをやっと見つけたとき、私だけが知っているのではなく、あなたにも見せたい気持ちというか」

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