涙の弔辞で国葬「政治利用」に成功。再登板を狙う菅義偉元首相“次の一手”

art20220929
 

2020年の総裁選を制し総理の椅子を手に入れるも、わずか1年ほどでその座から降りることを余儀なくされた菅義偉元首相ですが、ここに来てにわかに「菅政権の復活」がささやかれ始めているようです。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では著者で元全国紙社会部記者の新 恭さんが、菅元首相再登板の可能性をさまざまな面から検証。さらに菅氏が返り咲きを狙えるという、自民党の人材不足の深刻さを指摘しています。

この記事の著者・新恭さんのメルマガ

初月無料で読む

 

国葬終わり、権力闘争の季節へ。菅前首相はどう動く?

反対の声が吹き荒れるなか、安倍晋三元首相の国葬が終わった。10月3日から始まる臨時国会は波乱含みだ。

国葬の強行はもちろんだが、統一教会との関係、円安、物価高と、野党が岸田政権を追及する材料には事欠かない。とりわけ統一教会との癒着は、自民党の生い立ちにもかかわる根深い問題だけに、対応を誤ると、岸田政権の命取りになりかねない。すでに内閣支持率は発足以来最低の水準に落ち込んでいる。

国葬まではと自重していた権力亡者たちの動きも、これから本格化するだろう。安倍氏の死で、党内最大派閥「清和会」(安倍派)から芯が抜け落ち、党内のパワーバランスに変化が兆しつつある。

もともと安倍派には、会長の後継をうかがう人間がウヨウヨしていたが、安倍氏が人材育成を怠ったせいか、傑出した存在がない。そのうえ下村博文・元文科相、萩生田光一・政調会長ら有力幹部に次々と統一教会との密接な関係をうかがわせる報道が相次ぎ、森喜朗氏がまとめ役にしゃしゃり出なければならない異常事態である。最大派閥の力の空白地帯こそが、これからの権力闘争の主戦場といえる。

そんななかで開かれる臨時国会に向け、野党に意外な動きがあった。なんと、立憲民主党と日本維新の会が“共闘”するというのだ。あれだけいがみ合ってきた両党が、この臨時国会で、しかも6項目についてという限定つきながらも、統一教会問題などで手を組み、力を合わせて岸田政権を追い込もうという姿勢だ。安倍・菅政権に対しては「ゆ党」とか「補完勢力」といわれた維新が、岸田政権には対決姿勢を鮮明にしたということになる。

この報を聞いて、なぜか筆者の頭に最初に浮かんだのが、菅義偉前首相の顔だ。周知の通り、維新は、松井一郎大阪市長をはじめとして、菅氏と格別に仲がいい。自民党との対決姿勢の裏に、菅氏がらみの政略が隠されているのではないのだろうか。

維新の創設者である松井氏と橋下徹氏は菅氏や安倍元首相と年末に会食するのが恒例になっていたが、今年は、安倍氏が亡くなった後の8月6日に東京都内の飲食店で3人、顔をそろえた。安倍氏を偲ぶとともに、今後について話し合ったとみられる。松井氏は政界引退を表明しているが、維新との関係を完全に断つとは思えない。橋下氏も、維新と縁が切れているわけではあるまい。

その一方で、維新は、リベラルのイメージがある岸田首相とは疎遠である。麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長ともソリが合わない。国民民主党の接近を与党が受け入れ、いわば「自公国」路線になっている現状にも不満がある。

立憲との連携には、そうした局面を打開し、当面の国会運営を有利に運びたいという思惑もあるだろう。

しかし、本音として維新が望んでいるのは、菅政権の復活ではないだろうか。

この記事の著者・新恭さんのメルマガ

初月無料で読む

 

print
いま読まれてます

  • 涙の弔辞で国葬「政治利用」に成功。再登板を狙う菅義偉元首相“次の一手”
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け