プーチンに打つ手なし。ホテル宿泊者が徴兵事務所へ連行されるロシアの窮状

 

南部ヘルソン州・クリミア

ロ軍は、ムイロベとプラスキンズキーを結んだ線上に塹壕を掘り、防衛線を構築した。しかし、ウ軍は前進して、ベリスラウを奪還し、ムイロベへ攻撃中で、次にカホフカ橋の袂の街ベゼルに向けて進むことになる。

しかし、ウ軍が奪還したイシチェンカをロ軍が攻撃しているというように、ここのロ軍は手ごわい。ウ軍も精鋭部隊で対応しているが、まだ、状況は予断を許さない。

ロ軍は、カホフカ橋の袂の街ベゼルに要塞を作り、カホフカ橋を渡り撤退できるように最後の拠点を整備した。

それと、ウ軍は、南部ヘルソン州とザポリージャ州の対空ミサイルS300の全部を破壊したようであり、特にトクマクのS300を無効化したことで、この地域でのウ軍航空機の活動ができるようになった。このため、1日20回程度も攻撃機がロ軍陣地を空爆している。

ロ軍の劣勢状況から、ヘルソン州の親ロシア派は「これからウクライナ側との戦いが本格化する」として住民に退避を呼びかけている。ウ軍も冬になる前にはヘルソンを奪還すると述べている。

クリミアとロシアを結ぶケルチ大橋が破壊され、プーチンは怒り、ウクライナ全土に対して、ミサイル攻撃をした。10日はミサイル84発打ち、43発をウ軍は撃墜したし、11日は30発打ち、21発を撃墜したが、各地で爆発が起こった。それもインフラ設備を狙った攻撃である。世界各国からロシア非難の声が起きている。

この攻撃を防止するために、急遽、欧米など多くの国から対空ミサイルの供与が急ぐことになった。ロ軍の無差別攻撃を完全に防ぐ必要がある。

欧米が供与する対空ミサイルは、モスクワを攻撃できるものもある。勿論、弾薬が少ないので、大きな損害を出せないが、届くものが提供されることは大きい。

一方、ロシアは精密誘導ミサイルの2/3を使い、残り609発しかないとレズニコフ国防省は述べている。

このため、プーチンは、ウクライナ各地への大規模なミサイル攻撃について、当面は行わないとする一方、ウクライナへの軍事支援を続けるNATOに対して「分別のない行動に踏み切らないことを願っている」と主張し、強くけん制した。精密ミサイル枯渇と、ウ軍に対する対空ミサイルの供与や特に中距離以上のミサイルの供与を抑えたいようである。モスクワを射程範囲にできるミサイルを恐れている。

そして、原因のケルチ大橋の破壊で、片側一車線は使えるが、トラックの走行はできず、フェリーになるが、港は900台のトラックが列を作り、数日掛かるようである。また、ロシア政府はケルチ大橋の修理完了目標を来年7月と、当分使えないことになった。このケルチ大橋の修理は、中国の業者が請負うようである。

バクムット方面・その他

ロ軍の精鋭部隊が少なくなり、バクムット周辺に攻撃を絞るしかないようであり、突撃の人海戦術の攻撃になったが、ロ軍は前進できないようだ。このため、ドネツク方面の精鋭部隊をバクムット攻撃に充当し、動員兵で守りを固めるようだ。

このバクムット攻撃ではTOS-1のサーモバリック弾を市内に打ち込んでいる。このため、徐々にウ軍が押されているようだ。

また、14日以降、ベルゴロド州にあるロシア国家親衛隊の軍事基地や変電所、石油貯蔵施設で爆発が発生した。ウ軍のミサイル攻撃だと思われる。

この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ

初月無料で読む

 

print
いま読まれてます

  • プーチンに打つ手なし。ホテル宿泊者が徴兵事務所へ連行されるロシアの窮状
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け