本業もコラボも絶好調。なぜドムドムハンバーガーはここまで人気が高いのか

コロナ禍にあっても出店を続けた。これは2020年9月にオープンした「浅草花やしき店」コロナ禍にあっても出店を続けた。これは2020年9月にオープンした「浅草花やしき店」
 

ハンバーガーショップの人気もさることながら、近年はアパレル等とのコラボグッズを通して本業を知ったという新たなファンが激増中のドムドムハンバーガー。日本最古のバーガーチェーンは、なぜ他業種と積極的に協業する道を選んだのでしょうか。これまでもさまざまな飲食店の「成功の秘訣」を探ってきたフードサービスジャーナリストの千葉哲幸さんは今回、ドムドムハンバーガーを率いる女性社長・藤﨑忍氏にインタビュー。そこから見えてきたのは、ユニークな経歴を持つ藤﨑社長の「業界の常識や慣習」に拘泥しない柔軟な発想力でした。

プロフィール千葉哲幸ちばてつゆき
フードサービスジャーナリスト。『月刊食堂』(柴田書店)、『飲食店経営』(商業界、当時)両方の編集長を務めた後、2014年7月に独立。フードサービス業界記者歴三十数年。フードサービス業界の歴史に詳しい。「フードフォーラム」の屋号を掲げて、取材・執筆・書籍プロデュース、セミナー活動を行う。著書に『外食入門』(日本食糧新聞社発行、2017年)。

可愛いキャラクターでアパレルとコラボも。ファンを育てる「ドムドムハンバーガー」の作戦

象をかたどったロゴがおなじみの「ドムドムハンバーガー」が最近何かと話題に上る。このロゴは今日「どむぞうくん」というキャラクターとなっていて、アパレルや生活雑貨販売とコラボでこれをあしらった服やグッズの販売を展開している。

「ドムドムバーガー」伝統の像をかたどったロゴ。これがアパレルから注目されて新しい路線が切り開かれた

「ドムドムバーガー」伝統の像をかたどったロゴ。これがアパレルから注目されて新しい路線が切り開かれた

本業のファストフードでもヒットを飛ばしている。2019年9月に初めて販売した「丸ごとカニバーガー」(ソフトシェルクラブを使用)はビジュアルから食味まで革新的な存在であり、その後個性的な商品を次々と発表するようになり(後述)、ドムドムファンのすそ野を広げている。

日本のハンバーガーファストフードの歴史は1971年7月にオープンした「マクドナルド」に始まるように思われるが、実はこのマクドナルドはダイエーがアメリカ本国と日本展開を進めていてそれが決裂、その後継となったのが藤田田氏率いる藤田商店であった。ダイエーは独自にハンバーガーショップを開発し、1970年2月東京・町田に1号店がオープン。事業主体はその後移り変わり、1990年代ピーク時の店舗数は400店以上となった。

コロナ禍にあっても出店を続けた。これは2020年9月にオープンした「浅草花やしき店」

コロナ禍にあっても出店を続けた。これは2020年9月にオープンした「浅草花やしき店」

その後、レンブラントホールディングスが事業譲受して2017年4月ドムドムフードサービスを設立、同年7月事業スタートした。現在の代表は藤﨑忍氏。藤﨑氏がハンバーガーチェーンの代表となるまでの足跡は、自著『ドムドムの逆襲』に詳しくまとめられている。

藤﨑忍代表。新しいことにこだわりなくチャレンジする姿勢が新生「ドムドムバーガー」をつくり上げた

藤﨑忍代表。新しいことにこだわりなくチャレンジする姿勢が新生「ドムドムバーガー」をつくり上げた

その概要はこうだ。藤﨑氏は39歳まで政治家の妻で専業主婦であったが、夫が病に倒れたために外で働くようになった。最初は東京・渋谷109のギャル向けのショップ。次に居酒屋でアルバイト。そして居酒屋経営者となった。この時ドムドムのメニューの監修を依頼されるようになり、2017年11月入社。以来業績回復に大きく貢献し2018年8月に代表取締役社長に就任した。「ドムドムハンバーガー」の店舗数は2022年10月末現在で29店舗(うちFC7店舗)となっている。

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