串カツ田中 坂本壽男社長が語る「財務畑の私が2代目社長になった意味」勘頼り脱却、第二第三の矢で売上高1千億円めざす

 

成長のために「勘に頼った経営」から脱却

坂本氏は貫社長(当時)から社長就任の打診に際してこのように言われたという。

「これまで『串カツ田中』を300店舗までやってきたが、勘に頼っていたところもある。これから1,000店舗を目指して日本を代表する食文化にしたい。そのためには金融の知識、細かい数字の分析、再現性のある根拠とか。しっかりとした経営が必要なんだ」

この時を振り返って坂本氏はこう語る。

「貫社長は自己分析がしっかりとできていて先見性があります。私は不安ばかりでしたが、副社長となる大須賀(取締役副社長 大須賀伸博氏)と力を合わせていけば何とかできるのではないかと。そこで引き受けることにしました」

同社では将来の事業拡大を見据えて2020年3月事業会社のセカンドアローを設立。沖縄県に本拠を置く、みたのクリエイトが展開している「鶏と卵の専門店 鳥玉」(鳥玉)を譲受し沖縄県以外での展開を可能にした。その1号店を2020年9月モザイクモール港北(横話都筑区)のフードコートにオープン。以来商業施設内のフードコートで展開し現在4店舗(沖縄県には5店舗)出店している。また、セカンドアローでは新業態として今年3月韓国料理『焼肉くるとん싸다』(焼肉くるとん)の展開を開始してFC展開も行おうとしている。同じく6月米国ポートランドにジョイントベンチャーでカツサンドが主力メニューのカフェ「TANAKA」を出店した。

「鳥玉」はフードコートで展開する業態で串カツ田中HDの新しい領域をつくった

「鳥玉」はフードコートで展開する業態で串カツ田中HDの新しい領域をつくった

坂本氏はこう語る。

「外食業界でのリーディングカンパニーになりたいので、売上高1,000億円を目指します。串カツ田中が事業の中心ですが、売上高1,000億円を達成するには第二、第三の矢が必要になります。そこで『鳥玉』や『焼肉くるとん』が重要になる。コロナ禍で居酒屋業態はすごく落ち込みましたが韓国料理の『焼肉くるとん』はそうでもなかった。こんな具合に時代の流れに耐えうるような、さまざまな業態をつくっていく必要はあります。ただし10店舗ぐらいで終わる業態はやらないつもりです。次の『串カツ田中』として100店舗200店舗になるようなブランドを育てていきたい」

「焼肉くるとん」は韓国料理で、サムギョプサルが看板メニュー

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