串カツ田中 坂本壽男社長が語る「財務畑の私が2代目社長になった意味」勘頼り脱却、第二第三の矢で売上高1千億円めざす

 

他の経営者の声に真摯に耳を傾ける

日本国内での「串カツ田中」はどのような形で拡大を図ろうとしているのだろうか。

ちなみに、同業態はFC店舗が半分程度を占めている。加盟している中にはファイブグループ、プロダクトオブタイム、ビッグベリーとった直営店展開で個性的な店舗を展開している企業があるが、例えば「FCオーナー会」での意見交換の席で「化学反応」的な機会はあるのだろうか。坂本氏はこう語る。

「加盟店のみなさんからいろんな意見を言っていただいて、とても勉強になります。若者の中にはあえてお酒を飲まないソバキュリアンも増えてきていて、店からお酒色が薄くなっている。また、MZ世代(20代から30代半ば)対策を含めて、私は『串カツ田中』から提灯を外してみてはどうかという考えを披露したところ、加盟店のみなさんは『串カツ田中はベタな方がいい』という。私もそれは一理あると思いますよ。お酒を飲まない人、子供とか、このような人たちにとって異空間の感覚や楽しみがあります。このようなちょっとしたことで売上が変わるということが、貫会長が言うところの『勘が当たった』という瞬間なのでしょう。ただし、古い店舗があるので、破れている提灯を付け直したり、きれいな看板にしていきたいと考えています」

CFOからCEOに就任した坂本氏であるが、先人である多くの経営者からのアドバイスへ真摯に耳を傾け串カツ田中HDの新たな成長の足場を築こうとしている。

image by: 千葉哲幸
協力:株式会社串カツ田中ホールディングス

千葉哲幸

プロフィール:千葉哲幸(ちば・てつゆき)フードサービスジャーナリスト。『月刊食堂』(柴田書店)、『飲食店経営』(商業界、当時)両方の編集長を務めた後、2014年7月に独立。フードサービス業界記者歴三十数年。フードサービス業界の歴史に詳しい。「フードフォーラム」の屋号を掲げて、取材・執筆・書籍プロデュース、セミナー活動を行う。著書に『外食入門』(日本食糧新聞社発行、2017年)。

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