スシローを運営する「あきんどスシロー」は1月30日に当該店舗のすべての湯呑みの洗浄、しょうゆボトルの入れ替えを実施したことを公表。
2月1日に迷惑行為を行なった当事者と保護者から謝罪を受けたことを公表したが、被害届を提出し、「引き続き、刑事と民事の両面から厳正に対処する」としている。
そして、スシローの株価は1月31日だけで145円下落し、時価総額は170億円近く下がった。
スシローのみならず、回転寿司という業態そのものへの消費者の安心感とイメージを悪化させる重大な事態となった。この高校生は意気消沈し、猛省して、父親は泣きながら謝罪したという。
この状態をみていて、韓非子を思い出した。
中国の戦国時代、不朽の名著として知られる、韓非子の「形名参同」という書がある。
国家を強くするための具体的な方法が書かれているものだ。
ここでの「形」とは「実際にやったこと(実績)」を意味し、「名」とは「やりますと明言したこと(約束) 」を意味するのであるが、「形名参同」とは、
要するに、「家臣が実際にやったことと、やりますと明言したことが同じであったかどうかをちゃんと参照(比較)して評価しなさい」と言うことである。
韓非子は次のように説明している。
「形名参同」とは、言葉と事実を一致させることを言うのである。家臣が言説を述べ、王がその言説によって、仕事を授け、その仕事に応じた功績を求める。
功績がその仕事に当たり、その仕事がその言説に当たれば、賞し、功績がその仕事に当たらず、その仕事が言説に当たらなければ罰する。
故に群臣は、その言説が大きくとも、功績が小さいものは罰せられる。功が小さいことを罰するのではなくて、功績が名辞と当たらないことを罰するのである」
やってはいけないことをやってしまったら、きちんと罰を与えなさい。そうしなければ繰り返される。簡単に言ってしまえばこんな感じになる。
悪人はどこまでいっても悪人で、徒党を組み、悪党という集団となる。性善説って美しいが、そんな簡単に「すべては善から生まれてきた」とはいいがたい。
100億円以上の損害賠償を実際にスシローが求めるかどうかはまだわからないが、「刑事と民事の両面から厳正に対処する」としている以上、厳罰は免れないだろう。
勿論、支払えるわけはない。結局は自己破産しかないのだが、この種の悪行の支払い義務は一生残るという。ということは、父親も本人も一生損害賠償額の支払いをし続けなければならないということ。人生が一瞬で飛んでしまった。
スシローを運営する「あきんどスシロー」の株価チャートはこの事件をきっかけに大幅に間が空き下落した。ホリエモンは更に恐ろしいことをいっていた。ここで空売り仕掛けて大儲けする奴がでてくるのではと懸念していたのだ。
実際に頭のいい悪党集団は厄介だ。この事件を裏でわざと仕掛けて、ヒッソリと株価の影響で大儲けする悪党頭脳集団がいてもおかしくないなと思ってしまう。
間違いなく人間は性悪説に基づいて、2023年はスタートしてしまっているではないか。
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