最近聞くことも増えた「アップサイクル」という言葉、皆さんは知っていますか? なんとなく、「SDGsに必要な取り組み……」くらいの知識しかない人も少なくないはずです。今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、著者の佐藤きよあきさんが、その内容を具体例を用いて詳しく解説しています。
廃棄物を売るための魔法「アップサイクル」。付加価値が生まれ、高く売れる!!
「アップサイクル」という言葉を最近よく見掛けます。
SDGsに繋がる取り組みとして、注目を集めています。
本来であれば、価値がないとされてきたモノ、すなわち廃棄されるモノに、新たな価値を生み出し、循環型社会を実現するものです。
消費社会では、その製造過程で大量の廃棄物が出て、その処理にはエネルギーや公害の問題がつきまといます。
特に注目されるのが食品廃棄物、“食品ロス”とも言われます。
日本の場合、農林水産省によると、食品廃棄物は年間2531トン。
そのうち食品ロスは600万トンで、国民1人あたりに換算すると、1年で47キロにもなります。
これだけのモノが捨てられていることに、平気でいられる人はいないはず。
そこで、その解決策のひとつとして、「アップサイクル」という考え方が生まれたのです。
商習慣や食品販売制度などによって、使用されなかった食品原料や製造過程で生じる切れ端などをアップサイクルで生まれ変わらせる取り組みが始まりました。
たとえば、需要が少なく、廃棄せざるを得なかった鶏のレバーやハツを、レバーパテや生姜煮、アヒージョ、レバー焼肉、ヤンニョムレバーなどの缶詰にして、販売している企業があります。
また、廃棄されるはずのブロッコリーの茎や大根の皮をココナツオイルで揚げた野菜チップスもあります。
日本の食品廃棄の約20%が食品メーカー由来なので、今後、こうした企業はますます増えることでしょう。
アメリカでは、ビールを製造する過程で出てきた、大麦の絞りカスを使って、植物性ミルクを作っています。
コールドプレスジュースを製造する過程で廃棄される野菜の絞りカスを利用したチップスも。
オーストラリアでは、コーヒーの実(コーヒーチェリー)を使い、スーパーフードのエナジーバーを作っています。