帆立の貝殻、ブドウの種も様変わり
さらに、廃棄食品を原料としながらも、アップサイクルで誕生したものが、食品ではない場合もあります。
白菜の廃棄物で作られた建設用新素材は、コンクリートの約4倍の強度があると言います。
シードルを作る過程で出てくるリンゴの絞りカスからは、リンゴエタノールを使った除菌ウェットティッシュが生まれています。
帆立の貝殻は、歯磨き粉や洗剤。
廃棄野菜・果物からは、クレヨン。
ブドウの種や皮からは、化粧品。
このように、アップサイクルは世界的に急成長し、注目されている市場なのです。
しかし、まだまだ始まったばかり。
とてつもない廃棄物が、そこかしこに積まれています。
ビジネスの種が、いくらでも転がっているということです。
私が注目したのは、アップサイクルで生まれた商品の価格です。
廃棄物を原料としながらも、安くはないのです。高いと言っても良いでしょう。
それは、カーボンニュートラルやSDGsという社会の流れに乗っているからです。
社会的意義のあることに、人びとは関心を持ちやすいのです。
世の中のためになることには、お金を惜しみません。
自身が良いことをしている、という喜びさえあります。
なので、高くても買ってくれるのです。
実際、大量生産ではないので、コストは掛かるのですが、それを受け入れてくれる市場ができつつあるということです。
買ってくれる人がいるなら、コストが掛かっても、アップサイクルに取り組むことはできます。
今後、ますます期待できるビジネスモデルではないでしょうか。
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