帆立の貝殻が「歯磨き粉」に生まれ変わる?注目のアップサイクル市場とは

Eindhoven, The Netherlands, May 23rd 2019. A view of a store in a shipping container where you can buy upcycled goods from used materials or products. Circular economy principle, recycle, reusing
 

帆立の貝殻、ブドウの種も様変わり

さらに、廃棄食品を原料としながらも、アップサイクルで誕生したものが、食品ではない場合もあります。

白菜の廃棄物で作られた建設用新素材は、コンクリートの約4倍の強度があると言います。

シードルを作る過程で出てくるリンゴの絞りカスからは、リンゴエタノールを使った除菌ウェットティッシュが生まれています。

帆立の貝殻は、歯磨き粉や洗剤。

廃棄野菜・果物からは、クレヨン。

ブドウの種や皮からは、化粧品。

このように、アップサイクルは世界的に急成長し、注目されている市場なのです。

しかし、まだまだ始まったばかり。

とてつもない廃棄物が、そこかしこに積まれています。

ビジネスの種が、いくらでも転がっているということです。

私が注目したのは、アップサイクルで生まれた商品の価格です。

廃棄物を原料としながらも、安くはないのです。高いと言っても良いでしょう。

それは、カーボンニュートラルやSDGsという社会の流れに乗っているからです。

社会的意義のあることに、人びとは関心を持ちやすいのです。

世の中のためになることには、お金を惜しみません。

自身が良いことをしている、という喜びさえあります。

なので、高くても買ってくれるのです。

実際、大量生産ではないので、コストは掛かるのですが、それを受け入れてくれる市場ができつつあるということです。

買ってくれる人がいるなら、コストが掛かっても、アップサイクルに取り組むことはできます。

今後、ますます期待できるビジネスモデルではないでしょうか。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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