第2次大戦前夜と酷似。米の衰退と中ロの侵略的姿勢で「多難の時代」へ

 

ウクライナ戦争の推移

ウ軍は、ロ軍の第1防衛線を突破して、第2防衛線に到達して、一部突破したようである。それと、ウ軍独自兵器も出てきて、ロシア領内のロ軍基地を攻撃し始めた。

ロ軍に予備兵力がなく、前線を突破されると、逆襲ができなくなり、ロ空軍が、ウ軍後方への空爆を行うしかない。

クピャンスク方面

シンキフカからペルショットラブネバの間のウ軍は、高台の陣地まで撤退して、防備を固めている。ロ軍はシンキフカで、ウ軍に反撃されて、元の位置まで押し戻された。

ロ軍は、東部の攻撃部隊である第41連合軍を南部に移動させて、第25連合軍を新規に編成して、この地域の予備軍とするようである。このため、強兵から訓練も受けない弱兵になる。

ロ軍は地上攻撃はできないことになり、ウ軍は反撃をして、ビルシャナの南側でもロ軍を押し戻した。

ザポリージャ州方面

1.ベルカノボシルカ軸

中央では、ウ軍は、ザビトネ・バジャンニャを攻撃しているが、ロ軍のスタロマヨルスクへの逆襲があり、そちらに兵力を向けたことで攻撃を一時中止したが、その後、ザビトネ・バジャンニャを再度攻撃開始している。

2.オリヒウ軸

ウ軍は、ロボティネの南ノボプロコピウカを攻撃している。ここは、陣地構築中であり、攻撃より陣地構築に勢力を使っている。

ウ軍の主力は、ロボティネの東、ベルボベ方向に前進して、第1防衛線を突破して、ベルボベの市街戦になっている。この手前にある第2防衛線も突破したか、到達したようであり、72時間程度で第1と第2の防衛線を突破したことになる。攻撃速度が早くなっている。

逆に言うと、ロ軍の防御力が落ちていることになる。予備兵力の不足で、前線付近の兵力が不足しているようである。ロ軍の機動防御部隊の反撃が前哨陣地戦の時に比べて弱い。

その上に、ロ軍は「対砲兵戦」で負けて、能力が低下している。投下火力が少なくなり、ロ軍の前線部隊を守ることができなくなっている。ロ軍砲門の破壊が進んでいる。それと、ウ軍がクラスター弾を使うことでロ軍の死傷率が上がり、ロ軍の損耗が速くなっていることにもよるようだ。

ロ軍の第2防衛線が突破されると、後方は予備陣地しかなく、主陣地と予備陣地の間でウ軍を撃退できないので、後がない。

本来なら主陣地の対戦車壕を超えたところで最も機動防御部隊が積極的に反撃を試みなければいけないが、その機動防御部隊が消耗していないようだ。

ということで、ウ軍は、一気にトクマクまで、進撃が進む可能性も出てきた。逆に南部ロ軍は崩壊する可能性も出てきている。

このため、東部から第41連合軍を南部に移動させることにしたようである。第2防衛線を死守する必要がロ軍にはある。

それと、トクマクが榴弾砲の長距離弾の射程範囲になり、南部地域への補給に鉄道が使えなくなっている。このため、補給も滞っていることで、前線部隊は、食糧不足と弾薬不足に直面している。また、トクマクのロ占領行政官がトクマクを脱出している。

ウ軍の戦死者も増えているようであるが、ウ軍のレオパルト2戦車は、損失が71両中5両のみであり、戦闘での乗員の死亡者がでていないという。対して、ロ軍は、最新型のT-14戦車をウクライナの前線から撤退させたようだ。その脆弱性が分かったことで、窮屈で操作しにくいのに役に立たないからのようだ。

ロ軍兵にクラスター弾が降り、生き残るためには投降しかないようであり、司令官を殺して、52人の露軍兵が投降してきている。また、ロシアは戦闘を拒否した兵士を週に100人近く投獄しているが、今年は5,000人近くに上ることになるようだ。

そして、ウ軍は、更に東のノボポクロウカ方向に前進して、市街戦になっている。ノボポクロウカの北と南の主要道沿いに攻撃して、東に前進している。この地域全体で、ロ軍が崩壊寸前のような気がする。補給はノボポクロフカには、来ていないはずであり、崩壊の可能性が高い。もし、崩壊しないなら、撤退するしかない。

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