第2次大戦前夜と酷似。米の衰退と中ロの侵略的姿勢で「多難の時代」へ

 

ヘルソン州方面

ロ軍は、空挺部隊をザポリージャ州に戻したことで、ウ軍はアントノフスキー橋の袂の橋頭保の拡大に着手している。オレシキの方向に進撃を開始した。前回予測した通りになっている。

その他方面

国産の長距離ミサイルが、発射地点から700km離れたクリミア半島のロ軍S-400防空ミサイルシステムを撃破したようだ。この新型ミサイルは、対艦ミサイルのRSネプチューンを対地ミサイル化して、射程距離を700kmまで伸ばした物のようである。

そして、ウ安保会議・アレクセイ・ダニーロフ書記は、「射程距離1,500kmの無人機でのロシア本土攻撃が可能になった」と9月1日に述べた。それが本当なら、ウラル山脈の西側の殆どが攻撃範囲になる。

プスコフ州のロ空軍基地に20機のドローン攻撃があり、2機のイリューシン76輸送機が大破、2機が損傷された。この地域には防空システムが配備されていないことが判明している。

この攻撃に使用したのが、ダンボール製UAVであり、長距離レーダーに捉えられないので、隠密作戦に使えるが、それほどの航続距離はない。ウクライナ国境から700km以上はあるので、不思議と思っていたら、やはり、ロシア内のパルチザンが飛ばしたようである。

毎日のように、ウ軍のUAV攻撃を受けて、モスクワのすべての空港は毎日のように業務停止を余儀なくされている。ロ防空軍は明らかにモスクワを守ることができていない。

ウ軍は、大量のUAVを自国で生産できるようになり、本格的にUAV攻撃をロシア領内に行い始めている。8月29日は、モスクワ、トゥーラ州、リャザン州、カルーガ州、プスコフ州、ブリャンスク州などに多数のUAVで攻撃している。

モスクワの中心部、3駅の広場付近で火災があるが、これもUAV攻撃の可能性がある。

ロシア西部クルスク州の原発の街クルチャトフにウ軍はUAV攻撃している。ウクライナの原発を破壊したら、ロシアの原発も破壊するぞということであろう。

クリミア半島各地に、UAVやミサイル攻撃があり、もう報告の暇がないほどである。

このため、ロ軍は、北方領土にあったS300防空システムをウクライナ占領地やロシア領内のモスクワ地域に移している。

ウ軍の大規模ドローン攻撃に対して、報復として、ロ軍は30日、28発のミサイルと16機の無人機による攻撃をキーウに行った。しかし、無人機1機を除いて迎撃したが、首都キーウでは迎撃したミサイルの一部が市内の複数の場所に落下し、市当局によりますと、中心部で2人が死亡、3人がけがをしたという。

ウクライナの状況

国連安全保障理事会で9月の議長国を務めるアルバニアのホッジャ国連大使は、ゼレンスキー大統領がニューヨークの国連本部を訪れ、ウクライナ情勢に関する9月20日の安保理首脳級会合に出席する見通しだとした。

戦後処理、停戦処理の打合せを開始したように感じる。ロシアの負けを前提に、どのような賠償請求にするのかなどの国際世論形成が必要な時期に来たようだ。

そして、ウクライナは、戒厳令下であり、大統領選挙を行わない方向で推移していたが、戦局がウ軍有利になり、余裕が出てきたようであり、大統領選挙実施する可能性も出てきた。それと、レズニコフ国防相の交代も検討されている。余裕が出てきた。

ドイツでM1エイブラムス戦車の訓練をしていたが、その1陣の訓練が終了して、ウ軍兵200人がウクライナに帰還した。9月中旬にはM1エイブラムス10両がウ軍に届き、その後21両も届くことになる。ウ軍の戦力は益々増強されることになる。

2024年の夏までにはF-16の1陣訓練も終わり、F-16が64機届き、ロ空軍を圧倒することになる。

戦局は、ウ軍有利に進み始めている。

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