2021年に亡くなった作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん。彼女の人気は亡き今も変わることはありません。今回のメルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、寂聴さんが生前語った「一期一会」についてのインタビューを紹介しています。
瀬戸内寂聴が一生貫いた人生哲学「一期一会」
『夏の終り』や現代語訳『源氏物語』などを著した作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん。
その一生を貫いた人生哲学とはいったいどんなものだったのでしょうか。
『致知』1989年10月号特集「旅と人生」に掲載された記事をご紹介します。
「一期一会」 瀬戸内寂聴(作家)
人を愛することは本当に喜びだけど、喜びの何倍か苦しみですものね。
その意味では、いまが一番自由。
自分の心から解き放たれたって感じで。
私は出家してから一瞬も、後悔したことはないです。しまったと思ったことない。
他のことじゃ、年がら年中、しまったと思うことはありますが、出家したことに対しては一度もない。これは本当に有り難いことですね。
出家したって、腹の立つことも不合理なことも起こります。
そのときに、昔だったら、いちいち、カーッとしてた。
いまはね
「これは仏がいま、私にこういうふうにする方がいいと思うから与えてくれてるんだ」
というふうに思えるんです。
そうすると楽ですよ、とても。
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