なぜ、現代人は火を自分で起こすことすらできなくなったのか?

 

さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。

現代はブラック・ボックスの時代

考えてみると、ぼくたちの毎日の生活は、こうしたたくさんの「魔法の箱」のおかげでなりたっている。テレビ、洗濯機、冷蔵庫などの電化製品からはじまって、自動車、ミシン、湯わかし器、およそ思いつくほどの機械や道具は、ぼくたちにとっては、どう使えばよいかだけをこころえていればよいブラック・ボックスにすぎない

関心のないものは見えない

かざりやミエをとりはらってしまえば、ぼくらの日常の暮らしは、いわゆる衣食住の三つにしぼられる

ぼくたち現代人が知恵で原始人や未開人に劣るはずはない。ただ、利便・能率本位のブラック・ボックス時代になれすぎて、ものごとを原理や原則にさかのぼって考えることをなまけているにすぎないのだ

人間だけが火をおこせる

マッチだのライターだのブラック・ボックスがなくては火がおこせないようではホモ・サピエンスの名がすたる

「冒険」の持つひとつの意味は、自ら挑戦してたしかめたことだけを信ずることにある

枯れた木は、ぬれたり、しめっていないときにはたいへん燃えやすいが、雨の中などではむしろ生木で、大きな葉のついた木の枝のほうがよい。葉の中に含んでいる脂に火が移ってバチバチと音をたてて燃えあがる

第二次世界大戦中、南方に従軍した日本兵で、不幸にして餓死した人が多かった。ある学者によるとかれらがもしオロシガネを一枚持っていれば、かなりの人びとは、死をまぬがれただろうという。野草の根や茎には、おろして水にさらすと貴重なでんぷん質となるものはいくらでもあるからだ

釣り糸は、現在はナイロンやテトロンの合成テグスが使われているが、むかしは、ガの幼虫からテグスを作った

日本人は「結ぶ」達人だった

長道中は、内またで歩くと疲れない

「経世済民」という、経済の語源から考えると、人間活動の維持に必要なあらゆる活動をブラックボックス化し、人間を無知で不安な存在にしておくことが正しい経済活動とはとても思えません。

本書で示された知恵や知識を、消費者にもわかるよう伝えつつ、便利なものを提供する、新たな時代の商品・サービスがあってもいいと思いました。

ぜひ、読んでみてください。

image by: Shutterstock.com

土井英司この著者の記事一覧

Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン 』

【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

print
いま読まれてます

  • なぜ、現代人は火を自分で起こすことすらできなくなったのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け