心理学の「ドリアン・グレイ効果」をご存じですか? 今回のメルマガ『セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術』では、著者で現役精神科医のゆうきゆう先生が紹介しているのは、その効果の原典である「ドリアン・グレイの肖像」という小説の内容とその効果自体についてです。
笑うと幸せになる!ドリアン・グレイ効果とは
こんにちは、ゆうきゆうです。
元気でお過ごしでしょうか?
さて、皆さんは「ドリアン・グレイの肖像」というお話をご存じですか?
これはオスカー・ワイルドという作家の、1890年に発刊された古い小説です。
今回はこの作品を踏まえ、人の「表情」についてお話しします。
■ 美しい男の恐ろしい話
イギリスに、ドリアン・グレイという美青年がいました。
ある日、バジルという絵描きがドリアンの肖像画を描いてあげます。
ドリアンは完成した肖像画を見ながら、自分の今後の人生について考えます。
「楽しく明るくとにかく遊んで、好き勝手に生きていくことこそが良い」
と彼は思いました。
そして今は美しい自分も、いつか老いていくことを感じ
「自分自身は老いず、この肖像画の方が老いていけば良いのに」
とつぶやきます。
その後、彼は奔放な人生を送りました。
たとえば女優の婚約者ができましたが、女優として落ちぶれてしまったので、ドリアンは彼女を捨ててしまいます。
彼はまさに、自分の本能の赴くままに好き勝手に生きて行くのです。
そして遊び呆け、多くの人を傷つける生き方をしていきます。
するとドリアンが皆にヒドいことをする度に、彼に代わって肖像画がどんどん醜く老いていきます。
ところが不思議なことに、ドリアン自身は全く老いません。
その後、ドリアンは人を殺してしまったり、アヘンや麻薬にハマってしまったり、捨てた女優の弟がドリアンを殺そうとしてきたり、様々なことが起こります。
このように周りとのトラブルが絶えず、彼はとても後悔をします。
最終的にドリアンはおじいさんくらいの年齢となりますが、見た目はやはり若いままです。
そして肖像画は、すっかり醜い老人の姿になっていました。
彼は肖像画を見て
「これは自分の良心の象徴だったんだ」
と気づきます。
彼は肖像画を壊そうと、絵にナイフを突き立てます。
するとドリアンのいる部屋から、叫び声が上がりました。
周りの人が驚いて見に行ってみると…。
肖像画は、「美しく若いドリアンの姿」に変わっていました。
そして…。
その肖像画の前で、ドリアンが死んでいたのです。
そう。
醜い老人の姿になって…。