べ、別に本なんて読まなくていいんだからね。なぜ読書をしてきた人間は「読書そのものを絶対視しない」のか?

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教養や思考力を得られるだけでなく、時として人生を変えられることもある読書。そんな意味においてもなるべく身につけるべきとされる読書習慣ですが、文筆家の倉下忠憲さんは、読書をしてきた人間ほど「本なんて別に読まなくていいよ」と口にするはずだとします。その理由はどこにあるのでしょうか。今回倉下さんはメルマガ『Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~』で、その訳をユーモアあふれる論理展開で解説しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:本なんて別に読まなくていい

本なんて別に読まなくていい

たくさん本を読んできた人は、本を通してさまざまな物事の価値や美しさを知っています。自国や他国の歴史。技術やビジネスの発展。科学や日々の生活の営み……。この世界にある書籍は、ほとんど森羅万象をカバーしているのではないかと疑りたくなるくらいに広範囲のカテゴリを持っています。

そのすべてを網羅できてはいなくても、そうした情報に触れてきた人間ならば、この世界には価値があるものがいっぱいあるのだ、ということは把握しているでしょう。それはつまり、読書以外の営みにも価値を見出していることを意味します。

考えてみてください。人文的な人(あるいは教養がある人)をイメージして、その人の口から以下のどちらのセリフが出てきそうですか。

「読書していない人間に価値なんてないよ」

「読書は人間の営みの一つの選択肢であって、それをしていなくてもさまざまな価値がありえます」

どう考えても後者でしょう。

読書をしてきた人間は、読書以外の価値を知ることで、読書という営みそのものを絶対視はしていない。だからきっと、こういうはずです。

「本なんて別に読まなくていいよ」、と。

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