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荒れ相場に響く「レバナス民」の断末魔。売るも地獄、保有するも地獄で2022年中に大半が退場も=鈴木傾城

「レバナス民」の大半が退場へ

では、売り飛ばさないでじっと持っているのが正解なのかと言えば、それもどうだろうか。むしろ、売り飛ばさない方が傷口を広げるのかもしれない。

言うまでもないが、金融経済が直面している複合的な問題である「インフレ、原油高、資源高、利上げ」は問題が解決したわけではないからだ。むしろ、これから荒治療が始まるのである。

ボラティリティはより大きなものになっていくだろう。NASDAQ市場は、ここからさらに10%以上下落することも十分にあり得る。だとしたら、レバナスはここから20%下落していくわけで、資産の40%が消え去るということである。

それで済めばいいが、状況はもっと悪化していくかもしれない。レバナスを保有し続けている投資家の大半が今年中に資産を吹き飛ばして退場したとしても私はまったく驚かない。

これから第2弾、第3弾の大きな下落もあり得る

ここ10年ほど、アメリカの株式市場は順調に上がってきていた。コロナショックも乗り切って、2021年はまさに幸福感《ユーフォリア》が蔓延していた。

だから、レバレッジをかけたらもっと儲かると考えて、素人投資家がレバナスに飛びついたのだ。

しかし、もう過去の話だ。2022年に入って状況は一変してしまった。

今の相場は「楽観」ではなく「恐怖」が支配している。これからは、今までのように単純に上を向いて突き進む相場環境ではなくなったということだ。

もちろん、相場の世界は「絶対」はないので、実はこれから相場が爆上げする可能性がまったくなくなったわけではない。原油が突如として下がっていき、インフレも何もしないで鎮静化し、利上げしても企業業績が良くて相場がぐんぐん上がっていくかもしれない。

ハイテク企業群もイノベーションと影響力でインフレや利上げなどモノともしないで成長と利益確保に成功するかもしれない。そして、NASDAQ市場は常識を覆して爆上げしていき、レバナスを買った投資家が濡れ手に粟の儲けを手にするかもしれない。

そういう可能性がゼロとは言えない。相場の世界は何でも起こる。

しかし、インフレ・原油高・資源高・利上げの問題が執拗に続いて、これからの相場環境はより危険なものになっていく方向に走っていく方が確率としては高いと考えるのが普通だ。

場合によっては、これから第2弾、第3弾の大きな下落もあり得る。本当にそうなるのかどうかは分からないが、そうなってもおかしくないような状況にあるのが今の相場環境であるとも言える。

こうした状況になりそうだという不安心理が投資家の間に充満していくと、何が起きるのかというと「損を覚悟で売却しよう」という動きである。

Next: 溶けていく資産を前に発狂寸前になる人もいる

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