対ロシア輸出で潤う韓国、批判を受けてしぶしぶ制裁参加も「コウモリ外交」は継続か

2022年2月28日ニュース

ウクライナ侵攻を始めたロシアに対して、各国が経済制裁を打ち出している。そんななか、韓国は「こうもり外交」を続けて、即座に独自制裁を打ち出すことはなかった。そのことで欧米メディアから批判が殺到している。きょう28日になってようやく文在寅大統領が制裁参加へ向けて動き出したとの報道があるが、遅きに失するとはこのことだ。（『2011年韓国経済危機の軌跡（週間韓国経済）』）

※本記事は有料メルマガ『2011年韓国経済危機の軌跡（週間韓国経済）』2022年2月27日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

ロシアによるウクライナ侵攻開始

先週のメルマガの予告でウクライナ情勢が気になるとは述べていたが、本当に北京五輪が終わったら、即座にウクライナ侵攻が始まってしまった。

しかも「ウクライナは元々、帝政ロシアの領土だから、俺たちが好き勝手できる」というような非論理的な大義名分をプーチン大統領は言って、ウクライナの親ロシア派の地域を独立承認した。そして、ウクライナ軍からその地域を守ると勝手に宣言して、ウクライナに進軍した。

どちらが優勢などの報道が流れてくるが、それらは情報戦なので、本当の戦況を掴んでいる人間はごく一部だろう。だから、戦争の勝敗や、いつ終わるかなどはわからない。ただ、懸念すべきことは毎日、人が死んでいるてことだ。ウクライナ兵だけでない。民間人にも犠牲が出ている。もちろん、ロシア兵だってそうだ。

だから、一刻も早く停戦して欲しいが、それでも守らないといけないものがある。それは、ウクライナの未来だ。

仮にロシアの提案する条件「非武装中立国家となり、NATOに加盟するな」という、ロシアがウクライナを傀儡国家にするような条件だけは、絶対に飲んではならない。

確かにそれでロシアは止まるだろう。だが、それは国の誇りというものを失うことだ。この先、ロシアへの絶対服従と、奴隷化を約束して生きながらえることが、果たしてウクライナの人々のためになるのか。

別に玉砕覚悟で戦えとはいわない。欧米だって参戦したいが、プーチン大統領は核兵器で脅してきた。だから、経済制裁やウクライナに武器提供するぐらいしか有効な手段がない。

しかし、ロシアの経済力で、世界経済の主要国家に太刀打ちなんてできない。だから、ウクライナは時間を稼げば、ロシアは窮地に追い込まれる。

ついに「SWIFT排除」へ

中央日報によると米国が発表した輸出規制は大きく3つある。

米国が発表した輸出統制の内容は大きく3つある。

まずロシア国防省を含む安保関連の取引先49件に対してすべての戦略物資輸出を制限する。

また、軍事用として使用可能な電子（半導体）、コンピューター、情報通信、センサー・レーザー、航法・航空電子、海洋、航空宇宙など7分野・57品目と技術も追加で統制する。

さらに特定米国産技術・ソフトウェアを活用した第3国の生産製品に対しても海外直接製品規則（FDPR＝Foreign Direct Product）を適用し、ロシアに輸出する場合は米国の許可を要求する計画だ。

※出典：韓国政府、ロシア経済制裁に参加へ…エネルギー需給・成長率に影響も – 中央日報（2022年2月26日配信）

そして、ついに欧米はおそらく今まで一番強い経済制裁「SWIFTからの排除」を決定した。国際銀行間の送金・決済システムのSWIFT（国際銀行間通信協会）のことだが、この排除によって、ロシアはもう国際通貨決済ができなくなる。ドルやユーロなどの基軸通貨は使えない。中国の「元」ぐらいしか残らない。

ロシアに天然ガス供給を握られているドイツやイタリアがよく賛成に回ったと驚いた。ただ、これでロシアのすべての銀行の国際通貨決済ができないわけではないそうだ。細かいことはわからないが、相手は周到に準備してきた。どこまで兵力維持できる国力をロシアが維持しているか。

すでにロシア経済は市場だけを見れば株価は－50%、ルーブル大暴落など、とんでもない事になっている。だから、ロシア経済が今後、どれだけの打撃を受けてもプーチン大統領はウクライナ侵攻を選んだ。その意味では、経済制裁でプーチンを止められるのかどうか。

プーチンは、ウクライナが簡単に条件を飲んで降伏するとでも考えていたのだろうか。「明日から、お前らはロシアの奴隷になれ」に等しい事を言われて、戦わないわけがない。

そして、韓国はロシアのウクライナ侵攻でどういう風に動いているのか。次頁から見ていこう。

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