中国の大手不動産「恒大集団」の破綻危機が騒がれていますが、さらに深刻なのは中国の電力不足です。その原因と世界経済に及ぼす影響について解説します。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2021年10月1日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
中国「電力不足」が世界経済に影を落とす
中国・香港株式市場は国慶節で月曜日までお休みのため、利払いの遅れた「恒大集団」の悪い噂も聴こえてこない状況にあります。
借入金は日本円にして33兆円と桁違いですから、少々の小細工をしてもまったく間に合わない状況に陥るのは時間の問題。
しかしながら、いったん喉元を過ぎた相場は、すっかり気にしなくなっているようにも見えます。
そこにさらに大きな問題としてのしかかろうとしているのが、その中国の電力不足の問題です。
またどうせ習近平の嫌がらせか何かかと思いましたが、現実は相当深刻な様子。むしろ、こちらのほうがより世界経済に影響を与えそうな状況になってきているようです。
アップルやテスラの工場も電力不足で停止へ
中国では、他の西側先進諸国と同じように、排出ガスの規制に乗り出しています。
それとともに、既存の非常に利用が多かった石炭の供給が不足しているようで、電力不足は相当深刻の度合いを増している状況です。
すでにアップルの組み立てを請け負う工場や、テスラの工場などにも影響が出始めています。
このままの状況が続けば、恒大集団よりも電力不足のほうが世界経済に大きな影響を与え、年末までに主要国の株価の下落の主要な原因になる可能性すら出てきています。
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