ウクライナ危機の真相を見極めるのは容易なことではありません。ロシアもアメリカも手練手管の情報戦を展開しており、日本の報道は欧米メディアの影響を強く受けています。そんななか、ウクライナの元首相はFacebookで驚きの発言をしました。(「浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』」浜田和幸)
※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2022年3月11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
情報戦で真相が見えない
ウクライナ危機の真相を見極めるのは容易なことではありません。
なぜなら、ロシア側も、ウクライナを支援するアメリカ側も、手練手管の情報戦を展開しているからです。
いわば、米ロという核超大国による「見えないミサイル合戦」と言っても過言ではありません。
もちろん、戦争はあってはならない行為です。
しかし、現在進行中のウクライナでの悲惨な戦争に世界の耳目が釘付けになっていますが、イエメンはじめ世界各地では相変わらず民族紛争や血なまぐさい戦争が継続しています。
ただ、主要メディアが大きく報道していないだけなのです。
日本におけるウクライナに関する報道は欧米メディアの影響を強く受けており、ロシアを「悪の帝国」、プーチン大統領を「精神異常の独裁者」と見なすようなものが主流となっています。
とはいえ、インターネットの時代であればこそ、そうした欧米メディアとは異なる情報にも接することができ、双方の見方の違いを知ることもできるのです。
「プーチンは恩人」ウクライナ元首相がFacebookで衝撃発言
例えば、ウクライナの元首相のミコラ・アザロフ氏は自らのFacebookで衝撃的な情報を相次いで発信しています。
曰く「2021年12月からNATOはウクライナへの核武装部隊の派遣計画を始めた。その上で、ウクライナ軍はアメリカと連携し、2月25日にはロシア系住民の多いドンバス地域への攻撃を開始する手はずを整えていた」。
そのことを察知したプーチン大統領は「400万人のロシア系住民を守る決断を下した」というのです。
要は、「プーチン大統領はウクライナに住むロシア系住民の命の恩人」という見方に他なりません。
ウクライナ国内のロシア系住民にも危機が迫る
真偽のほどは現時点では不明ですが、事程左様に、ウクライナ内部には多様な見方があるわけで、ゼレンスキー大統領とは異なる声もあることを知る必要があります。
なぜなら、ゼレンスキー政権の意向を反映するウクライナの大手メディアは「ドンバスに暮らすロシア系住民の内150万人は抹殺に値する」といった主張を掲載しているからです。
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