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ウクライナの「代理出産ビジネス」が頓挫、新生児と若い女性が路頭に迷う非常事態=浜田和幸

ウクライナは穀物の生産大国ですが、代理出産ビジネスによる世界第2位のベイビー生産国でもあります。今回の戦争によって、代理出産で生まれた子どもたちの行き場がなくなり、孤児院に送られる危機的状況が発生しているといいます。(「浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』」浜田和幸)

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※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2022年3月18日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:浜田和幸(はまだ かずゆき)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。

「代理出産ビジネス」世界第2位のウクライナ

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、思わぬウクライナの実態を白日の下に晒しています。

そのひとつが「代理出産ビジネス」の存在でしょう。

実は、ウクライナは穀物の生産大国ですが、何と「代理出産」でも世界第2位のベイビー生産国でもあるのです。

外国人の夫婦と契約を交わし、代理出産をする女性が多いといいます。

毎年、2,500人から3,000人の赤ん坊が代理母によって産み落とされてきました。

というのも、経済的に貧しいウクライナでは、代理出産によって平均年収の3倍もの収入が得られるからです。しかも、妊娠期間中の住まいや食事も保証されています。

そのため、世界中から代理出産母を求めて富裕層のカップルが押し掛けていたものです。

ロシア軍の攻撃で孤児院に送られる子どもたち

ところが、今回のロシア軍による破壊攻撃によって、こうした代理母たちが安心して出産できる環境が失われてしまいました。

これまでも、代理出産で生まれた赤ん坊に障がいが見つかったような場合には、本当の親からは捨てられるケースが多かったそうです。多くは孤児院送りになったといいます。

しかし、今回の戦争によって、妊娠中の多くのウクライナ人の代理母は行き場を失っており、契約を交わした外国の発注者とも連絡が取れなくなってしまった模様です。

ウクライナには代理出産あっせん会社も多くあるのですが、戦火が広がる事態を受け、業務停止を余儀なくされています。

契約では「戦争や自然災害が発生した場合にも出産の責任を負う」との一文が入っているようですが、厳しい状況下では安全な出産も、その後の育児も思うに任せないでしょう。

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