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ロート製薬、上方修正後の業績予想値を上回り増収増益 売上・各利益段階で過去最高を更新

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2022年5月13日に行われた、ロート製薬株式会社2022年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

2022年3月期の概況

斉藤雅也氏:それでは私から、2022年3月期の実績についてご説明させていただきます。

当期は、新型コロナウイルス感染症の影響などにより引き続き厳しい状況ではあったものの、消費マインドの回復により、新型コロナウイルスの影響で売上を大きく落とした前年同期と比較して大幅な増収となり、V字回復となりました。

大幅な増収になったことに加え、原価率の改善や販管費の効率的活用に努めた結果、売上・各利益段階で過去最高を更新しました。

国内においては、新型コロナ拡散に対する緊急事態宣言の発令はありましたが、ワクチン接種が進んだことや、経済活動再開の動きがあったことから、消費マインドが回復傾向となりました。外出自粛により前期は落ち込んだ日焼け止めや肌ラボが好調に推移し、コロナ前を上回る売上となりました。

引き続き、高額目薬や「メラノCC」「DEOCO」「ロートV5粒」など話題の商品は好調を持続しました。また、今期新発売の新型コロナウイルス抗原迅速検査キットも増収に寄与しました。さらに、当期から子会社になった天藤製薬やロートニッテン、クオリテックファーマなどの子会社も売上・利益面で貢献しました。

海外事業についても、大幅な増収、増益となりました。特に、売上規模の大きい中国と香港がコロナ禍からV字回復したことが最も大きな貢献となりました。また、インドネシアやイギリスも高成長を持続して、ベトナムのロックダウンによる工場停止のマイナス影響をカバーしました。

カテゴリー別では、前年にコロナ禍で大きなマイナスになったリップクリームが回復しました。また、コロナ禍でも伸びたアイケア、ニキビ、外用消炎鎮痛剤と、アジアを中心に「50の恵」などのヘアケアがさらに伸び、業績に寄与しました。

連結損益

連結の損益計算書です。今期より「収益認識に関する会計基準」を適用していますので、前年の実績数値を新基準に基づいて算定したものと比較しています。

売上高は1,996億4,600万円、前期比プラス15.6パーセントの大幅な増収となりました。原価率は増収効果と従前より続けている構造改革の効果により41.7パーセントと、1.4ポイント改善しました。

営業利益については、広告費や研究開発費が増加したものの、大幅な増収と原価率の改善などにより、293億4,900万円、前期比プラス27.8パーセントの大幅な増益となりました。経常利益は290億8,400万円、前期比プラス21.7パーセントの増益、親会社株主に帰属する純利益は210億1,800万円、前期比プラス25.7パーセントの増益となり、売上・各利益段階で過去最高を更新しました。

2月に上方修正した業績予想値と比較しても、売上・各利益段階で上回る結果となりました。為替レートは、前期1USドル当たり105.96円に対して、当期は111.55円ということで、5.3パーセントの円安になっています。

連結営業利益の増減

こちらのグラフは営業利益への寄与を表したものです。広告費、研究開発費、人件費などの管理費が増加しましたが、大幅な増収と原価率改善の効果が上回り、増益となりました。

業績推移(5年)

コロナ禍が続いていますが、売上高の5年平均増収率は6.4パーセント、営業利益率は今期14.7パーセントと大幅に改善しています。また、5年平均ROEは10.2パーセントと改善傾向が続いています。

報告セグメント別売上

エリア別では、日本、アジア、アメリカ、ヨーロッパの各地域で、新型コロナウイルス感染症の影響が大きかった前年と比較して、大幅な増収となりました。

報告セグメント別営業利益

営業利益についても、アメリカ以外の各地域で大幅な増益となりました。特に、日本とアジアが利益を大きく伸ばして連結業績に寄与しました。

日本 大幅な増収増益

それでは、報告セグメント別にご説明します。日本においては、売上高1,214億1,700万円、対前年同期でプラス13.5パーセントの大幅な増収となりました。

当期も、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響は続いたものの、経済活動の再開が進み、消費マインドが回復したことと、お客さまのニーズをいち早くキャッチした新製品の投入によりすべてのカテゴリーで増収となりました。

また、ロート製薬単体だけでなく、昨年9月に子会社となった「ボラギノール」で知られる天藤製薬や、今年4月に日本点眼薬研究所から社名変更したロートニッテンなどの子会社も業績に貢献しました。

日本セグメントは国内市場の大幅な増収に加えて、ベトナム工場の一時閉鎖に伴う生産シフトも加わり、大幅に工場の生産高が増大したことと、従前から取り組んでいた構造改革の成果もあり原価率が改善されました。さらに、販管費の効率的活用もあり、セグメント利益は195億4,700万円、対前年同期でプラス33.5パーセントの大幅な増益となりました。

新型コロナウイルスの影響が一巡

全体的に新型コロナウイルス感染症の反動増がありましたが、特に日やけ止め、「肌ラボ」、高額目薬は好調に推移して、コロナ前を上回る売上となりました。日やけ止めは、前期では外出自粛の影響を大きく受けて落ち込みましたが、特に今期は、なりたい肌色に合わせて選べる「スキンアクア トーンアップ」シリーズが日やけ止めに対するユーザーの新ニーズを引き出し好調に推移しています。「肌ラボ」は有効成分にナイアシンアミドを配合したアンチエイジングラインが「VOCE年間ベストコスメ2021」を受賞するなど、話題となっています。

また、コロナ禍でデジタルデバイスを使用する機会の増加に伴い、眼精疲労を訴えて、より効果の高い目薬を求める方が増加していることもあり、1,000円を超える高額目薬の売上を伸ばしました。一方で、国内トップシェアのリップクリームにおいては、引き続きマスク着用習慣の影響を受け、市場全体が落ち込み、当社も前期比10.8パーセント減と、依然として厳しい状況が続いています。

好調持続の商品群

コロナ禍でも好調が続くブランドの1つの「DEOCO」は、新製品のシャンプー、トリートメントが好調に推移しました。自宅で生活する時間が増えて家族のニオイが気になるというニーズもあり、29億8,000万円、前期比プラス19パーセントの増収、2期前と比較してもプラス48パーセントの増収と、好調を持続しています。

また「メラノCC」はインバウンド需要が減少しているにもかかわらず、69億5,000万円、前期比46パーセントの増収、2期前と比較してもプラス210パーセントの増収と日本国内の需要が急成長しています。

中でも、3月に新発売した「酵素洗顔」は今までなかったチューブタイプで手軽に毛穴悩みを解決できると、店頭で品切れになるほど好評を得ています。酵素は多量の水が存在する状態で長時間置くと活性を失ってしてしまうのですが、スキンケア研究で長年培ったロート独自の製剤技術を用いることで、水と混じったチューブタイプでも活きたまま酵素を届ける事に成功しました。

また、見る力をサポートする目のサプリメント「ロートV5粒」はサプリメントの棚だけでなく、高額目薬と連動した店頭展開により、37億9,000万円と、前期比プラス51パーセントの増収となっています。

新型コロナウイルス抗原迅速検査キット

当社の検査薬に対する歴史は古く、1985年に日本で初めてドラッグストアで妊娠検査薬の販売を開始しました。その後は排卵日検査薬などさまざまな検査薬を「ドゥーテスト」ブランドで発売してきました。

コロナ禍においては、昨年5月から医家向けとして新型コロナウイルス抗原迅速検査キットを開発・製造しています。また、昨年9月に医療用医薬品を処方箋なしに顧客に販売する零売が認められたため、同品を「ドゥーテスト」ブランドで販売する事として、1月から出荷を開始しています。

原材料不足による調達問題もありましたが、今期は約13億円の売上となりました。今後、オミクロン株による感染者が減少した後も、検査の実施機会の拡大やキットの備蓄拡大など、需要の変化を見据えた対応を継続的に行っていきます。

インバウンド需要低迷も越境ECが堅調

インバウンド需要については、コロナ禍で引き続き減少していますが、その分越境ECを通じて、「エピステーム」ドリンクや「メラノCC」、コンタクトレンズケア剤などが堅調に推移しており、今期の売上は18億8,000万円、前期比6億8,000万円の増加となりました。

アジア 大幅な増収増益

海外事業で最大規模のアジアについては、売上高559億8,800万円、前年同期比16.5パーセント増となりました。

各地域でデルタ株やオミクロン株によるコロナ禍の再燃やロックダウンがありましたが、ダメージの大きかった前年と比較すると消費が回復傾向にあり、特に売上規模の大きい中国と香港の回復がアジアセグメントの業績に寄与しました。また、インドネシアはアイケアやスキンケアなどのヘルスケア品を、引き続き大きく伸ばしました。

一方、ベトナムは政府の厳格なロックダウン政策の下、工場が一時停止となり、市場も大きな影響を受けたため、減収となりました。台湾は前年に新型コロナウイルスの抑え込みに成功していたため、当年度はコロナ新株に対するロックダウン政策の影響を受けて減収となりました。

利益面については、積極的な広告販促投資を再開し販促費を増やしましたが、売上が好調であったことにより、83億6,500万円と20.8パーセントの大幅な増益となりました。

アジア 大幅な増収増益

ブランド別で見ると、主力ブランドのすべてが好調に推移しました。特に前期に新型コロナウイルスの影響を大きく受けたリップが、対前年21パーセント増と回復傾向を見せています。中国ではポットタイプの薬用リップやミニオンをキャラクターにしたリップクリームの新製品も寄与しました。また、日本同様にデジタル疲れやコンタクトレンズ需要の回復もあり、アイケアが好調に推移しています。

香港で今最も売れているブランドは「50の恵」です。人気女優のシャーリーン・チョイを起用するなど積極的な広告販促活動を展開して高成長を続けています。「50の恵」は日本では50代以上の女性向けヘアケアおよびスキンケアブランドですが、香港やアジアではヘアケアに特化して、メンズラインも展開しており、競争が激しい香港のヘアケアカテゴリーで売上No.1を記録しています。

アメリカ 増収減益

アメリカは売上高100億3,700万円、前期比30.6パーセントの大幅な増収となりました。新型コロナウイルスの影響が一巡し、小売店頭に人が戻ることによって目薬やメンソレータム軟膏が好調に推移しました。また、昨年11月に子会社となったハイドロックス・ラボラトリーズ社も増収に貢献しました。

営業利益に関しては、原材料や資材などの調達コスト増や人手不足による人件費の上昇で製造原価率が上昇したことと、アメリカの目薬はベトナム工場で製造、輸入しているのですが、ベトナム工場の一時停止の影響で空輸による輸送費が増加したこともあり、セグメント利益は2億1,600万円、52.8パーセントの減益となりました。

ヨーロッパ 大幅な増収増益

ヨーロッパにおいては、売上高102億9,700万円、前期比26.4パーセントの大幅な増収となりました。Brexit後のEU域内のロジスティクス新体制の遅れや世界的なコンテナ不足の影響を受けながらも、引き続き主力の外用消炎鎮痛剤を大きく伸ばしたことによって、大幅な増収となりました。

昨年5月にイギリス、ポーランド、トルコでドライアイ用点眼薬を新発売しました。ロートとしては約8年ぶりのヨーロッパでの目薬市場の開拓であり、販売促進に努めて市場に定着させるとともに、販売エリアを順次拡大していく計画です。また、前年にイギリスでEC専売で発売した「HADA LABO TOKYO」は店頭展開に成功して、成長を続け、中東や南アフリカで発売するなど、育成を進めています。

利益面では、アメリカ同様に原材料や資材の調達コストの増加や運輸インフラの混乱により原価率が悪化したものの、増収効果と販管費の効率的活用により、セグメント利益は5億6,300万円、前期比50.2パーセントの大幅な増益となりました。

私からは、以上です。ありがとうございました。

次期 業績見通しのポイント

杉本雅史氏:あらためまして、みなさまこんにちは。ロート製薬の杉本です。平素はたいへんお世話になりまして、誠にありがとうございます。また、本日はお忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただき、厚く御礼申し上げます。私からは、2023年3月期の業績見通しについてご説明させていただきます。

2022年3月期の業績については、先ほど斉藤からもお話ししたとおり、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン普及もあり、経済活動の再開が進んだことで大幅な増収増益となりました。

2022年度の業績については、引き続き新型コロナウイルスの影響が地域によっては続きますが、経済活動優先により消費マインドは回復すると見込んでいます。一方で、ウクライナ危機による原油の高騰から原材料費や物流費の上昇はさらに進むと考えており、残念ながら原価率は悪化する事が予想されます。

欧米に関しては、製品価格を値上げする事により原価率の悪化をできるだけ吸収していきたいと考えています。しかしながら、今期が当社の想定を超える着地となったことから、2023年3月期については増収、減益の見通しとしています。

日本以外の地域は増収増益予定で、日本のみ増収減益の見通しです。海外では、中国がダイナミックゼロコロナ政策の実施により経済の減速が懸念されます。一方で、ベトナムはWithコロナ政策に切り替えたということで、今期V字回復する予定です。

日本が減益になる要因として、中長期の持続的成長に向けて先行投資を行っていきます。特に眼科医療用医薬品や再生医療は、パイプラインの進捗もあり、研究開発費が増加する予定です。

生産設備の増強として、マザー工場である三重県の上野テクノセンターで今年9月から新工場を稼働します。また、クオリテックファーマにおいては、CDMOのためのラボを建設中です。まだまだWithコロナが続きますので、お客さまのニーズをいち早くつかんだ製品開発と、お客さまに届けるためのマーケティングを進めていきます。

次期 業績見通し

次期の見通しについては、売上高2,180億円、前期比9.2パーセント増、営業利益280億円、前期比マイナス4.6パーセント減、経常利益280億円、前期比マイナス3.7パーセント減、当期純利益195億円、前期比マイナス7.2パーセントの減益を見込んでいます。

新製品の投入や販路の開拓などにより売上のトップラインを伸ばしていく予定ですが、持続的な成長に向けての投資も行いますので、残念ながら今期は減益となる見込みです。なお、通期の連結業績予想に用いた為替レートは1USドルあたり125円を予定しています。

報告セグメント別売上予想

エリア別においては、各地域とも増収となる予定です。日本が前期比3.8パーセント増と、ロート製薬単体の増収予定に加え、昨年9月に子会社になった天藤製薬も増収に寄与する予定です。

また、アジアにおいては、中国や香港でコロナの影響が懸念されるもののベトナムの回復を見込んでおり、前期比13.4パーセント増の予定です。アメリカについては、昨年11月に子会社となったハイドロックス・ラボラトリーズ社が、今期は通期で売上に貢献することもあり、前期比54.4パーセント増と大幅な増収を見込んでいます。

報告セグメント別営業利益予想

営業利益は、日本においては減益を見込んでいます。上野の新工場棟働やクオリテックファーマ掛川ラボ建設に伴う減価償却費の増加や原材料費のコスト増などにより、原価率が悪化するとともに、将来への投資として研究開発費を強化することもあり、前期比13パーセントの減益を見込んでいます。

他地域については、コロナにより縮小していたマーケティング費を次期は増やす予定ですが、増収により増益予定となっています。

海外の状況 ~中国ゼロコロナ政策による経済減速懸念~

次期の業績に影響を与える懸念材料としては、中国のダイナミックゼロコロナ政策の拡大が挙げられます。現在、上海で厳戒なロックダウンが行われていますが、今後北京など他の都市にも拡大される懸念があります。

中国政府は2022年のGDP目標成長率を5.5パーセント前後に設定していますが、好調だったのは北京オリンピックまでで、3月の消費動向は対前3.5パーセント減と減速しており、今後も不透明な状況が続くことが見込まれます。

海外の状況 ~ベトナム市場の回復~

一方で、ベトナム市場は回復を見込んでいます。2021年のGDP成長率は過去最低の対前2.58パーセントと低く、当社も厳しいロックダウンにより工場の生産停止、小売店の営業停止が重なり、減収となりました。そのような中においても、ベトナムの売上の3割以上を占める圧倒的トップシェアの目薬に関しては、10パーセントの成長を堅持することができました。

2022年はGDP目標成長率は対前7パーセントと大幅な回復を予定しています。当社も多数の新製品の投入や、3月より自社ECストアを開設し、お客さまとの接点を拡大するとともに、SNSやKOLを使ったデジタルマーケティングにさらに注力することで、高成長軌道に回復させる予定です。

Vision2030 ~Connect for Well-being~

次に、日本における中長期の成長への取り組みについてご説明します。

従前より、繰り返しご説明していますが、ロートグループは、世界の人々が身体も心もイキイキとさまざまなライフステージにおいて笑顔あふれる幸せな毎日を過ごせるよう、「Connect for Well-being」のスローガンを掲げ、2030年ビジョンにおいて6つの事業領域で、さらなる企業価値の向上を目指しています。

安定したキャッシュフローの源泉であるOTC分野においてリーディングカンパニーを目指すと同時に、将来の成長戦略である医療用医薬品、加えて開発製造受託の強化を行っていきたいと考えています。

特に、主力のOTC医薬品については、新型コロナウイルスの感染拡大により、自分自身で健康を保つ「セルフケア」の意識が高まっていることもあり、OTC領域や機能性食品領域をコアビジネスとしている当社にとっては追い風となっていると考えています。

積極的な研究開発

2013年度から本格的に取り組み始めた再生医療の治験が進んできていることに加え、眼科用医療用医薬品の開発にも注力しており、その分研究開発費が増加してきています。次期は研究開発比率が4.4パーセントから4.7パーセントに増加する予定です。

再生医療・眼科用医療用医薬品の進捗

再生医療・眼科用医療用医薬品の進捗についてです。今年2月にヒューマンライフコードと臍帯を原材料とする間葉系幹細胞の製造受託契約を締結しました。これにより国内向けの再生医療用細胞の開発製造受託を本格展開していきます。

眼科用医療用医薬品については、新たにロート開発名称「ROH-202」の国内第Ⅰ相臨床試験を開始しました。こちらは2019年にライセンス契約を締結したデ・ウエスタン・セラピテクス研究所が開発した眼科用治療剤「DW-1001」について、非臨床試験を進めてきたものになります。

また、現在開発中のドライアイを予定適応疾患としている「ROH-201」がフェーズ2aからフェーズ2bに進捗しました。

さらに、2020年3月にロート製薬のグループ企業となり、昨年60周年を迎えた日本点眼薬研究所を、今年4月にロートニッテン株式会社に社名変更しました。今年度は後発医薬品のアレルギー点眼薬と緑内障点眼薬の3品を新発売し、想定以上の売上となりました。創業以来の後発医薬品の点眼薬事業に、新しくコンタクトレンズや涙道チューブなどの医療機器事業などを加えることで事業の幅を広げ、さらに成長を目指します。

現在新薬を開発しているパイプラインについても、将来的にはロートニッテンの販路を活用し、販促拡大をしていきたいと考えています。

再生医療・眼科用医療用医薬品の進捗

各パイプラインの進捗については記載のとおりで、従来の状況から大きな変更はございません。COVID-19の重症化による肺炎患者を対象とした、他家脂肪由来間葉系幹細胞「ADR-001」を使った治療薬の臨床試験については、フェーズ2を実施中というところです。

試験期間は2022年9月までを予定しており、承認についてはさらにそれより後になりますが、実用化されたあかつきにはコロナ重症化に苦しむ多くの患者様に対して、貢献ができることとなります。

また、表の下部に記載している、インターステム社で行っている外傷性の膝軟骨欠損の治験も進捗しており、今後はインターステム社の中で変形性膝関節症の他家脂肪由来間葉系幹細胞を使った治験も進めていきたいと考えています。

まだ開示できる段階ではございませんが、バイオベンチャーとの共同開発研究契約を締結するなど将来に向けたパイプラインの拡充を図っているところです。

製造設備の増強

かねてより実施している業務改革については、販売費や広告宣伝費の効率的な活用に加え、生産効率化により自社製造比率の上昇や在庫の適正化など具体的な成果につながってきています。季節要因など市場のニーズの変化にタイムリーに対応できる内製化の向上は、機会損失の削減だけでなく返品抑制などにも効果があります。

また、今年9月にはマザー工場の上野テクノセンター内に人と環境に配慮したスマート工場が完成します。これにより、スキンケア関連のさらなる内製化向上につながる見込みです。また、今年1月より減価償却が始まっています。

開発製造受託の進展

ここ数年、開発製造受託子会社の「クオリテックファーマ」が業績に寄与しています。年々、製造開発の依頼が増加していることから、CMO事業からCDMO事業への進化を目指して、静岡県掛川市にラボを設立中です。来年秋の完成予定です。

Withコロナへの対応

Withコロナ時代における対応についてご説明します。ここ数年、注力しているECチャネルの強化を続けていきます。

ロート通販専売ブランドを育てていくと同時に、通販主体で販売している「ロートV5粒」「セノビック」「リグロ」などにも注力していきます。まだまだ、規模的には小さいですが、お客さまの生活行動の変化に即して対応していきます。

さらに、AmazonやLOHACOなどを通じた販売も着実に成長しています。今年3月には天藤製薬でも新たに自社ECサイトを開設し、化粧品やサプリメントから販売を始めています。

また、Withコロナ時代におけるお客さまのニーズと購買行動の変化をいち早くキャッチするために、企業からの一方的な情報発信ではなく、お客さまとの会話量の最大化を狙ったプロモーションを行っていきます。お客さまが自分ごと化するようにインフルエンサー発信やTikTokなどのSNSを活用していきます。さらに、マスク着用による肌荒れ悩みなど、お客さまのニーズに合わせた新製品も投入していきます。

人的資本への投資

当社の経営理念には「まず人がいて、輝いてこそ企業が生きる」とあります。激変する事業環境に即した「働き方改革」を推進し、自立した人材育成に取り組んでいます。

例えば、次世代リーダー育成のためにロートの枠を超えて活躍できるように、2016年より社内兼業制度、副業の解禁にいち早く取り組み、副業に関しては延べ123名、現在も52名の社員が社外で活躍しています。また、社員の中から起業家を支援する社内プロジェクトも行っており、「人が主役のWell-being経営」を実践しています。

コーポレートガバナンスの強化

最後に、4月よりプライム市場に移行した事もあり、より高いガバナンス水準を備え、ロートグループならではの価値創造である「Well-beingの実現」による持続的成長を実現することによって、中長期的な企業価値の向上を図り、社会課題の解決につなげていきます。

ガバナンスに関しては、多様性のある議論と意思決定を形成するために、社内取締役、社外取締役をそれぞれ1名ずつ増やし、取締役会を社内取締役7名、社外取締役4名体制に変更します。また、4月よりCFOやCTOなど6つの最高執行責任者を置き、さらに機動性の高い意思決定を推進しています。斉藤は今回新たにCFOとなっています。

さらに、昨年サステナビリティ委員会を設立し、中長期的視点のSDGs課題についてコミットするために審議を重ねています。昨年6月にはTCFDへも賛同し、今後はCDPにも対応するなど、環境に関する情報開示も進めていきます。

19期連続増配予定

配当については、当期の期末配当金を1株当たり21円とします。すでに実施済みの中間配当金15円と合わせて、年間配当金は1株当たり36円と8円の増配となります。

次期の配当については、日頃の株主のみなさまのご支援に感謝の意を表するため、中間配当金を1株当たり18円、期末配当金を1株当たり19円、年間37円を予定しています。株主還元については、安定したキャッシュフローをベースに安定的に配当を続けており、19期連続増配となる予定です。

私からは以上でございます。ありがとうございました。

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