長期にわたる『逆イールド』
「景気が悪くない」というのは本当なのでしょうか。
今は日本の3月期決算の企業だと第一四半期の決算が出る時期です。
企業によっては厳しいところも見られます。
半導体の設備投資に関連する企業であるアドバンテストは減収減益ということで、半導体市場の冷え込みが明らかになったところです。
マクロで見ますと、「逆イールド」が2022年3月から発生しています。
過去の事例では、逆イールドから半年~1ヶ月後に景気後退が起きています。
通常なら長期金利の方が短期金利より高いので、(長期金利-短期金利)は図の黒い線より上になりますが、短期金利の方が長期金利よりも高くなる『逆イールド』が起こると景気後退のサインと言われています。
2022年7月から逆イールドが発生し続けていて、これほど長期間に渡るのは異例のことです。
表示期間を伸ばしてみると、グレーの帯が景気後退の時ということですが、逆イールドが発生してから1年~1年半後に景気後退が起こっています。
これを見ると、今回の逆イールドも景気後退を招くのではないかと思われます。
製造業では明らかに景気後退の兆候見られていて、例えば信越化学の決算発表資料には「産業や企業が受ける逆風はこれからしばらく強まることはあっても弱まることはない」と書かれています。
これはアメリカの製造業の景況感を表したもので、50を下回ると景気後退と言われていますが、2022年の終わりごろからずっと50を下回っていて、しかも右肩下がりに下がり続けています。
製造業がかなり苦しいということは間違いないようです。
コロナ禍で多くの人がPCやスマホなどを新しくして、その反動減が起きています。
一方でAI向けのサーバーなど最先端の半導体などはそのサイクルを乗り越えてまた好調になるとも言われています。
Next: アメリカの景気指標は好調…日本経済はどうなる?


