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ららぽーと「三井不動産」株は今こそ買い?長期投資のプロが相場急落時に注目する理由=栫井駿介

総合力の不動産会社

改めて三井不動産の業績を見てみましょう。

三井不動産<8801>通期業績推移(SBI証券提供)

三井不動産<8801>通期業績推移(SBI証券提供)

売上高も利益も安定して推移してきていることが分かるかと思います。売上高は右肩上がりに伸びていますし、営業利益はリーマンショックやコロナで落ちることはありましたがまた盛り返して順調に伸び続けています。

見れば見るほど三井不動産が行っている不動産ビジネスが安定しているものだと分かります。ネームブランドもありますし、時代を先行してきた開発力が活かされて確実に積み上がっている会社だということです。

同じようなビジネスをやっている三菱地所や住友不動産も同様に業績を伸ばしています。
成長率は三井不動産が若干高いといったところです。

ここまで見てきて分かることは、三井不動産が不動産の総合力では圧倒的なものがあるということです。

三菱地所も強いことは間違いないですが、“丸の内の大家さん”ということで比較的丸の内地区のオフィス賃貸に注力しています。住友不動産はオフィスやマンションの部分が大きいです。

それに対して三井不動産は事業が多岐にわたり、特に商業施設の分野では力を遺憾なく発揮しています。三菱地所も住友不動産も商業施設がありますが、ショッピングモールというとイオンモールの印象が強いです。また、イオンモールは地方のショッピングモールというイメージですが、三井不動産のららぽーとやラゾーナなどは都心の洗練されたイメージがあり、そのイメージを作り出せていることで賃料も上げることができ、強さにつながっています。

三井不動産は、不動産ビジネスを隙なく淡々と確実に行っている会社だと感じられます。

今後の成長は?

今後どのように成長していくかというと、1つはこれまでの事業を淡々と拡大していくことです。
ららぽーとなども新しいところへ広げていっていますし、開発事業の点でも、作ってREITに売るということを繰り返していれば雪だるま式に拡大していくことがのぞめます。

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出典:三井不動産 「& INNOVATION 2030」

新たな取り組みとしては「スポーツ・エンターテインメントを活かした街づくり」とあります。これは東京ドームに関することで、東京ドームは上場企業として上場していたのですがそれを買収し、それを軸に新たな開発を進めていこうというものです。

また、データセンター事業とありますが、今、生成AIが増えたことによって扱うデータ量がものすごく増えていて、それを受けるデータセンターというのもある意味不動産業ということになります。土地が必要で、データセンターとしての建物も作らなければならず、これを自ら行っていくと話しています。

データセンターを作れば企業に貸し出したり売却したりして、ここを新たなアセットクラスとして成長させていくようです。

【新事業領域の探索・事業機会獲得】というのはまだ先の話だと思いますが、これまでも時代を先取りしてやってきた経緯もあるので、三井不動産としてはやらないわけにはいかないところです。

これらを淡々と積み重ねていけば、じっくりとではあっても業績を伸ばし続けるかと思います。

Next: 弱みを理解したうえで、投資できる?成長力や資本効率は…

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