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【全文】株式会社キッズスター(248A)新規上場記者会見(2024/09/26開催)

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株式会社キッズスターの東証グロース市場上場を記念した記者会見が行われ、代表取締役の平田全広氏が、同社の強みや今後の戦略について説明しました。

事業説明

平田全広氏(以下、平田):株式会社キッズスター代表取締役の平田と申します。本日はお越しいただき、誠にありがとうございます。それでは我々の事業説明を簡単にいたします。

我々の思いですが、我々は子どもと社会の距離をより近づけていきたいと強く思っています。10年以上、この事業に関わる中で、あらためての気づきとして、やはり夢中になって成長し続ける子どもには、世の中を変えていく力があると思っています。

そんな子どもの夢中を社会が支援していく中で、いろいろな好き・得意が活かされる社会を子どもたちに見せていくことで、なりたい自分のために学べる環境を作っていくことが、我々の使命だと思っています。

いわゆるそういった中で、このようなミッション、ビジョンを現場も含めて話し合い、思いを1つに現在活動しています。

主力事業「ごっこランド」の紹介

我々の主力事業である「ごっこランド」というアプリの紹介です。これは、まさにリアルな企業のお仕事体験、社会体験をゲームを通じて疑似体験ができ、学ぶことができるアプリです。

ユーザーは完全無料です。企業は月に2,000万回以上遊ばれている場所にパビリオンというかたちで出店が可能で、現在は月額の定額制の2年契約で参画いただき、毎年更新というかたちで78社がリリース済みです。

現在はこういったアプリだけではなく、「ごっこランドEXPO」と称してリアルの世界にも展開しています。全国各地の大型のショッピングモールなどで休日、各企業のオリジナルのワークショップを開催しています。

ユーザーだけでなく、参画いただいた企業さま、開催いただいた施設さまからも、非常に集客に結びついたといったところで、大変好評を得ております。これ自体を5倍、6倍と広げる準備を今しているところです。

アジア展開の進捗

事業を進める上で、日本と、子どもの人口が増え続け、市場としてもまさにこれから拡大期に入っていく、アジア地域で成長させていきたいと考えています。

そういった思いで、2023年8月にアジア展開第1弾としてベトナムに展開しました。わずかこの1年で、100万ダウンロードを超えるところまで成長してきています。

また企業さまの参画も決まってきています。まずは、このベトナムでの事業を拡大させつつ、次のインドネシアの展開を今進めているところです。

キッズスター社の強み

我々の強みですが、基本的には、口コミをベースにユーザーが増えてきており、すでに700万ダウンロードを超え、年間でも約2億回以上遊ばれる状況です。このユーザーベースが強みになっているところと、そこに現在78社にのぼる企業さんのお仕事体験、社会体験が揃っている。企業のコンテンツが増えることで、ユーザーもまた増えるといった、好循環のサイクルが今作れているというのが我々の強みと考えています。

今期の数字

今期の数値です。これは、ほぼ国内の「ごっこランド」アプリの拡大によるものです。なので、今期、この数値をしっかりクリアしていければというところと、来年度以降には、先ほど説明した、リアル展開の「ごっこランドEXPO」のさらなる拡大ですね。

また、アジア展開のベトナム版の企業分も揃えていくところで収益化を一気に成し遂げていきたいと思っており、今までの「ごっこランド」国内版に上乗せで成長させる伸びしろだと思っています。

成長戦略

中長期ですね。引き続き国内の「ごっこランド」成長を維持させつつ、直近の伸びしろとして、先ほど説明した「ごっこランドEXPO」の拡大、アジア展開、ベトナムの収益化と、インドネシアのユーザー集めの展開ですね。

もう1つ、協業の展開の拡大が可能性の1つとして高いと思っています。「ごっこランド」以外でも、他社さまが子どもを巻き込んだ事業をやろうとされる際に、我々をご指名してくださることが多くなってきました。

過去も、ご覧いただいている資料のとおり、いろいろなかたちで協業をしています。直近では、トヨタさんと車移動が楽しくなるコンテンツの研究開発を一緒にしています。このように非常に多岐にわたってきており、我々は子どものサービスの開発・運用のノウハウを持っているので、そこを活かすかたちで、よりこのIPを契機に拡大できればなと考えています。

より長期的に、親向けの課金事業も、今進めようというところで動いています。お子さまの利用データを分析して、お子さま自身の特徴・可能性を示す情報を親御さんに提供したり、要望が多かった機能などを親御さん向けの有料課金として実装していきたいと考えています。

今までは基本的にBtoBtoCの目的でしたが、将来的にはBtoCのところを拡大していければなと思っています。お子さんは無料でというところは、我々はポリシーとして大事にした上で、付加情報を与えることで、親御さんに有料課金してもらう価値のあるものを作っていくというところが我々の狙いです。

質疑応答:ベトナムで日本以上に伸びている理由

質問者1:質問が2点あります。ベトナムで日本以上に伸びているのはどういう理由からなんでしょうか?

平田:ベトナムは、他の子ども向けのサービスが非常にまだ少ない現状にあるのかなと思っています。なので、無料アプリとして出したもののダウンロード率が、現状倍以上の効果で集まっているといったところです。

あとやはり、小さな時からスマホを使っているという部分においては、もしかしたらベトナム、インドネシア、東南アジアのほうが、日本より活発化している部分があります。そういった面では、日本の場合は、お父さんやお母さんの携帯を使っている子が多いので、土日に伸びて、平日は落ち込む、という感じなのですが、ベトナムに関しては、平日の利用もある程度高く、土日にも伸びるという状況なので、ユーザーの利用シーンとしては日本より多いという現状です。

質疑応答:くふうカンパニーとのシナジーについて

質問者1:もう1点、くふうカンパニー(4376)さんと業務上でのシナジーというのは、今後も何かあるのでしょうか。

平田:特別に何かというところが今見えているわけではないですが、お子さん向けのサービスにジョインされている部分は我々も理解していますし、コミュニケーションも取っています。我々がより独自の成長を描く中で、組んだほうがお互いにとってWin-Winになるものはぜひ検討させていただきたいなと思っています。

質疑応答:競合他社について

質問者2:2点うかがいたいと思います。1点目です。競合の参入がこれからどうなるか、というところを投資家は見ていたようですが、参入障壁についてうかがえますか。

平田:はい。類似サービスとして、タカラトミー(7867)さんが出されている「FamilyApps(ファミリーアップス)」とか、KDDI(9433)配下のmedibaさんの「まねぶー」というサービスが実際にあります。「FamilyApps」さんは同じ時期ぐらいに始められていますが、ダウンロード数、参加企業数に関しても圧倒的に我々が優位な状況にあると思っています。

いわゆる企業さんだけを獲得する、というところであれば、一気にまくることもあるかもしれませんが、やはりユーザーをしっかり集めつつ、プレイ回数を企業さんに対する価値としてしっかり返していかないといけない部分があるので、そういったもの両面を育てていく場合、かなり時間と投資に耐える部分があると思います。簡単にそこを乗り越えられるかというと、そうではないかなと思う部分がありますね。

質疑応答:有料サービスの詳細について

質問者2:わかりました。もう1点です。先ほど、子どもの特性データの利用で親御さんから課金が得られるのではないかというお話がありました。もう少し具体的に、どのようなイメージのものになるのでしょうか。

平田:今の「ごっこランド」は、お子さんが自由に遊べる状況です。150個以上のゲームがあるので、お子さんによって好きなものや好きな類いがそれぞれ違います。そのお子さんが、どのようなゲームが好きで、どういった類いのゲーム形式が得意かというデータですね。

また、AI周りで言うと、昨年度出資いただいたPKSHA Technology(3993)さんが、AIを開発するノウハウを持っていて、今まさに仕様を詰めていますが、「ごっこランド」内にいわゆる対話ロボット的なものを実装して、お子さんと会話を重ねた中で、最近お子さんが感じられていることなど、そういった質問なりインタビュー形式のものをかぶせ合うようなものを考えています。

親御さんだからお子さんのことを何でも知っているかと言うと、そういうわけではないので、利用データとAIで得られた特殊な情報を掛け合わせる中で、実際に今お子さんが興味を持っていることをリアルタイムで親御さんにも共有したり、いわゆる受験系以外での学びに関して、どれをやればいいのかがわからない部分もあると思うので、そういった部分をマッチングすることで、親御さんを支援するというところで使ってもらえるサービスを将来的には作っていきたいなと思っています。

質疑応答:有料サービスのコンテンツについて

質問者3:2点ほど質問があります。まず1点目が、今もお話が出た、保護者向け課金サービスに関してです。先ほど、保護者向けに価値のある情報を、というお話がありましたが、具体的にどういったコンテンツの提供を考えられているのでしょうか。

平田:お父さんお母さん方が見るページの中で、今お子さんは計算系、パズル系、論理思考がすごく得意ですとか、いわゆる子育てのヒントにしてもらえるような情報を出していこうというところ。

あと、どうしても親が見た中で勧めることが多く、結局お子さんの目に見えるものが少ない中なので、「こういったものをやってみたい」みたいな部分の候補を我々がマッチングしていくといった情報を提供していきたいなと思っています。

質疑応答:海外における成長戦略

質問者3:わかりました。あとは海外展開に関して、ベトナムとインドネシアのお話が出てきたかと思いますが、今後海外でどのような成長図を描いているのかについて、あらためて教えていただけますか。

平田:各国のお子さんに選択肢を提案していきたいと思っており、アジア版1個で片付けるというよりは、ベトナム版、インドネシア版、マレーシア版、フィリピン版というように1個1個作っていこうと思っています。

ゲーム性に関しては、アジアできちんとうけるのかという部分があったので、テスト的にやってもらったところ、ベトナムでは非常に高い効果が出ており、インドネシアでもローカライズせず日本語版をやってもらったところ、かなり高い反応を得られました。なので、ゲーム性においてはかなり違和感なく展開できる部分があり、ユーザーの獲得面においては各地域で攻めていける領域があるなと思っています。

参入いただく企業さんの説得は、各国の経済規模にもよってくると思いますが、実際ベトナム版でも複数の日系企業さんに参加の意欲をいただいており、1社は決定しているという状況です。

いくつかの現地企業とミーティングをさせていただきましたが、いわゆるゲームや「YouTube」を非常に積極的に活用されている国民性で、こういった部分をマーケティングなりブランディングに使っていくということに対する興味が非常に高いなと感じているので、そこでしっかり事例を作っていければと思っています。

日本においても、最初は非常に困ったというか、「なんでここにお金がかかるの」みたいなところが正直あったと思うのですが、やはりこういう接点を日常的に作ることでファンが増えてくる。

例えば、歯みがきを毎日していても、ライオンさん(4912)のファンになってくれるわけではないと思うんですよね。ライオンさんのゲームをやることで、「基本的に歯医者が怖くなくなった」とか、そういった思いを持った方がライオンさんのファンになっている。そういったファンが作られていくことの良さというか、ブランド価値みたいな部分においては、この10年間やってきた中で非常に評価いただいている部分なので、アジア地域においても同じく展開できればと思っています。

質疑応答:初日の株価に対する感想

質問者3:初日の株価に対しての感想をお聞かせください。

平田:現実ラインとしては厳しい部分もあったかなとは思いますが、我々は、本当はまだまだこれからの企業です。なので、成長して新たなコミュニケーションを開ける時がこれから何度でもあるとは思っています。

我々としては、やることは変わらず、今指し示している中長期の戦略のとおり、まずはしっかり拡大していくところをご説明できればなと思っています。

質疑応答:企業の継続率について

質問者4:ビジネスモデルの部分で、2点ご質問させてください。出店料は月額、定額制とありますが、金額はいくらでしょうか。

平田:現状においては、月額100万円、2年間契約というかたちでやらせていただいています。

質問者4:今、出店規模は78社ですよね。継続率は実績だとどれぐらいでしょうか? 差し支えなければ、教えていただきたいです。

平田:継続率は公表していない部分ですが、年に数社、一桁台前半で退店は出ています。

いわゆる商品、プロダクトベースで、「ごっこランド」に出してもらっているので、そこ自体の商品が事業戦略上、差し控えるレベルになったとか、なくなったということもけっこうあります。我々が原因というよりは、企業さんの考え方の中で、どうしても当てられなくなったという状況が出てくるのかなと思います。

あと、コロナ禍の時に、飲食店を含め、打撃を受けたところに関しては、我々も半年間減免で対応するなど、いろいろと寄り添ってやらせていただいたつもりですが、やはりそこでも難しかったところがありまいた。

どこかの資料にも出店維持の傾向がありましたが、コロナ以降に関しては、非常にそこの増加ペースが上がってきている状況です。

質疑応答:成人向けeラーニングに発展する可能性

質問者5:企業向けのインナーブランディングや、インナーマーケティングにも使われているということなのですが、将来的に事業が拡大していった時に、子どもだけではなく、成人向けeラーニング的なものに発展する可能性はあるのでしょうか?

平田:我々自身には、どういった思いで作られている商品なのか、どういったメッセージが込められているのか、みたいなものを理解して低年齢層に対してゲーム化できる力があります。

ただいかんせん、ユーザーが高校生以上になった時に、我々のこの技術ベースが通用するかというと、やはりどうしても陳腐に感じてしまう部分があります。なので、違う観点の中で説明してくる部分など、そういった需要は非常にあるかなと思います。

どういった接点で子どもらと通じるか? なのですが、この年齢層の場合、親御さんの端末で、遊んでもらっているというところがつながりです。ダウンロード数も、子ども向けのアプリの中では、かなり上位のほうだと思います。

これが小学校高学年ぐらいになってくると、「Switch」が出てくる。やはり自分のメディアができてくると、時間をどう取り合うか、という部分が非常に難しいです。

今の働きかけとしては、学校と一緒に何かやらせてもらうとか、そういった部分の展開が可能であれば、どう設定を作るかというところが一番の課題感かなとは思っています。

質疑応答:クライアントの規模感

質問者5:わかりました。あともう1点なのですが、クライアントの規模ですね。ナショナルクライアントが多いのでしょうか?

平田:現状は、ナショナルクライアントがほとんどですね。

例えば、地方の企業さんに参画いただく場合、自治体さんと組んで、地元のお子さんとワークショップして、子ども目線の中での我が町の自慢みたいなものをPDFにまとめた地元ガイドというものに出したりしていて、実際に船業をやられている企業さんとタイアップしました。

「ごっこランド」の場合、費用感を考えると、全国展開されているところが1つ敷居になるのかなとは思います。あとは、これから全国展開を考えられているところですね。ラッキーホールディングスさんの場合は、中部地方から広げていく前に、先に「ごっこランド」で広げていきたいという思いでやられている部分があるので、そういう意味では、ある程度の一定の規模感の企業さんになってくるというのが、今の実情ですかね。

質疑応答:くふうカンパニー、PKSHA Technology、穐田誉輝氏との連携について

質問者6:上場、おめでとうございます。

平田:ありがとうございます。

質問者6:大株主のくふうカンパニーさまとPKSHA Technologyさまとの今後の関係性と、外部として穐田さま(穐田誉輝氏)とは、どういう連携というか、可能性がありますか?

平田:くふうカンパニーと穐田さんに関して言うと、やはり我々の独自の成長を支援いただくというところで、まさにこの上場までもご支援いただいた部分で、相談事があれば基本的に相談して、是々非々で進めさせていただいています。

ですが、今後我々が「ごっこランドEXPO」を拡大していく際に、どこと組んだほうがいいよね、みたいなところも含め、そういったところで展開する中で、穐田さんの立ち位置が変わっていく部分はもしかしたら出てくるのかもしれません。

これはやはり、わからない部分ではありますが、基本的には長期保有というところが、くふうカンパニーを含め、穐田さんの考え方かなと思います。

PKSHA Technologyさんに関して言うと、やはり先ほど言ったAIの部分ですね。子ども向けにどうアジャストしていくかというのは、彼ら自身も非常にアンテナを立ててやられている部分であります。僕らの、日常的にお子さんが遊んでいる場所を提供することで、彼らのノウハウにもなっていく部分もあるし、そういった部分での手助けをしていただければなというところ。

ファウンダーで入っていただいているアサノさんという方が、アジアを含め、投資でいろいろ動かれている中で情報を非常に持っておられるので、我々のアジア展開でもいくつか紹介をいただいたりなど、そういった面での支援をいただいている状況ですかね。

質問者6:ありがとうございます。

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