北朝鮮が韓国に対してかつてない強硬姿勢を示し、国際的な緊張が高まっています。ゴミを満載した風船爆弾の再開や、有害な生物化学兵器のリスク、さらには金正恩体制内部の不満の高まりが指摘されています。特権階級と一般国民の格差は拡大し、暗殺計画の噂も。そんな中、石破首相は北朝鮮との対話を推進していますが、その姿勢には疑念の声も上がっています。(「 浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』 浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』 」浜田和幸)
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プロフィール:浜田和幸(はまだ かずゆき)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
いまだに続く北朝鮮の「ゴミ風船」攻撃
北朝鮮は韓国に向けて、前代未聞の強硬姿勢を見せ始めています。
ゴミを満載した風船爆弾は一時中断していましたが、ここにきて連日700個とか800個を飛ばし続けている有様です。
その一部はソウルの日本大使館の入居するビルにも落下しました。
ゴミに紛れて有害な生物化学兵器が挿入されている危険は無視できません。
しかも、ここ数日の出来事ですが、韓国に通じる道路や鉄道をすべて封鎖してしまいました。
憲法も改正し、「韓国を最大の敵国」と位置付けています。
と同時に軍部への締め付けも強化する一方です。
国境周辺を視察した金正恩総書記の警備が不完全だったとの理由で、国境警備隊の幹部が粛清されたとのこと。
脱北者団体からの情報によれば、金正恩暗殺の可能性も日増しに強まっている模様。
ひとえに、北朝鮮内で深刻化する食料不足や貧富の格差への不満が原因と思われます。
「貧富の差」は拡大の一途
一部の超エリート層の間では外国の高級ブランド品が重宝されており、平壌にある百貨店ではクリスチャンディオールやロレックスなどヨーロッパの高級品が所狭しとばかり陳列されているではありませんか。
高級外車をはじめ、こうした海外のブランド品は国連の経済制裁の対象であるため、本来であれば百貨店の店頭に並ぶはずがありません。
しかし、金正恩総書記の一族は本人に限らず、夫人も、妹も、娘も、これ見よがしに海外のブランド品で身を包んでいます。
実は、朝鮮労働党の通称「39事務所」は北朝鮮内の百貨店の経営にも関与しており、在外の大使館等を通じて、大量に高級ブランド品を本国に送付しているわけです。
最近、平壌では日本食やイタリアンのレストランも相次いで開店し、賑わっています。
もちろん、こうした高級ブランド品を購入したり、外国風の食事を楽しめるのは、ごくごく一部の特権階級で、多くの国民はその日の食い扶持にも事欠く状況です。
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