2024年10月25日に発表された、プレミアグループ株式会社2025年3月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
2025年3月期 第2四半期 ハイライト①
柴田洋一氏:本日は、プレミアグループ株式会社の決算説明動画をご視聴いただき、誠にありがとうございます。代表取締役社長、グループCEO兼COOの柴田洋一です。本日は、2025年3月期第2四半期の決算についてご説明します。
決算ハイライトをご説明します。第2四半期は、各事業、クレジット債権残高、故障保証残高の積み上げが寄与し、営業収益は前年比20.2パーセント増と、順調に推移しています。
営業利益は前年比46.6パーセント増と、かなり大きな伸びとなっています。後ほど各事業の説明でも述べますが、「カープレミアクラブ」の会費増加や各事業の費用の低減により、営業利益をしっかりと出すことができています。
また、将来収益は全体で587億円を積み残しています。今期は、利益をしっかりと計上しながら将来収益もストックできているというストックビジネスの成果もあり、将来収益は前年比18.4パーセント増と、貯金も十分にできています。
2025年3月期 第2四半期 ハイライト②
ハイライト2つ目として、マーケットの状況とKPIであるトップラインについてご説明します。
マーケットについては、第1四半期は型式指定の認証不正の影響もあり、新車販売台数がかなり大きく落ち込みましたが、第2四半期は若干プラスに転じています。累計は前年比2.7パーセントのマイナスとなっています。
中古車登録台数は、ほぼ横ばいで推移しています。クレジット取扱高は、第2四半期単体では前年比20パーセントを超える大きな伸びとなっています。
第1四半期のクレジット取扱高は前年比7.7パーセント増と少し低い伸びではありましたが、第2四半期でしっかりとキャッチアップし、前年比は累計15パーセントを超える伸びとなっています。
また、故障保証取扱残高については、大手OEM先の不調もあり、前年比は累計8.4パーセント増と、成長としては少し物足りない数字にはなっていますが、利益率の高い自社商品は前年比27.3パーセント増と、引き続き好調です。
こちらに関しても、各事業の説明で詳細を述べたいと考えています。
連結業績
決算概要です。冒頭のハイライトでご説明したとおり、クレジット債権残高、故障保証残高をしっかりと積み上げることができたため、営業収益は180億円を超え、前年比20パーセント超えとなっています。
また、営業利益は40億円を超える数字となり、税引前利益は前年比44.3パーセント増と、かなり大きく伸びています。営業費用が前年比14.2パーセント増と収益の伸びに比べて低かったことが、営業利益率の向上に寄与しています。
営業費用(内訳)の推移
営業費用の内訳です。各事業とも、変動費に関しては事業拡大に伴う費用が増加しています。スライドのグラフの人件費以下に記載のとおり、固定費用に関しては、生産性の向上も伴ってかなり低い伸びで推移することができ、利益率の向上に寄与しています。
通期業績見通し
第2四半期の決算の進捗状況に関しては、営業収益、税引前利益ともに、おおむね今期の業績予想どおり推移しています。営業収益の進捗率は45.2パーセント、税引前利益の進捗率は50.9パーセントと、数字はしっかりと残せたと思っています。
また、残高が積み上がっていくため、基本的に四半期ごとの業績は徐々に増加する予定です。現状の公表値である数字は、キャッチアップ可能だと考えています。
ファイナンス事業 クレジット取扱高・債権残高推移
各事業についてご説明します。まずはファイナンス事業です。
クレジット取扱高がかなり大幅に伸長し、第2四半期は前年比20パーセント超え、通期でも前年比15パーセント超えと、かなり順調に推移し、しっかりと2桁成長の基軸に戻しています。
こちらは、中期経営計画の戦略の大きな部分である「カープレミアディーラー」を中心に申し込みが増加し、しっかりとベースを伸ばせていることによるものです。
また、2024年3月期は取扱高がかなり大幅に伸長しました。そのため、今期の伸長も合わせて、債権残高は前年比23.0パーセント増と7,000億円を突破した状況で、順調に積み上がっています。
延滞債権残高率については、若干上がっている部分はありますが、引き続き1パーセント前後で推移しており、許容範囲だと考えています。
今後もこの水準を維持すべく、人員増強やDX施策、サービサー子会社との協業により、しっかりと優良債権を積み上げていきたいと考えています。
ファイナンス事業 セグメント業績
ファイナンス事業のセグメント業績です。営業収益は100億円を超え、前年比21.7パーセント増、営業利益も前年比42.2パーセント増となっています。
金利上昇トレンドであるものの、顧客金利等への転嫁がしっかりと進んでいることにより、前年とほぼ同水準を維持しています。粗利利益率を十分に確保しながら、今後も収益を計上していきたいと考えています。
故障保証事業 取扱高推移
故障保証事業についてご説明します。故障保証全体の取扱高は、総額表示義務化の影響を受け、特に大手OEM先の売上が低調でした。こちらに関しては、大手OEMの対象先を増やしていきたいと考えています。
また、数年前から継続していますが、プロパー商品である自社商品のポートフォリオも増やしていきたいと考えています。自社商品の取扱高は、前年比27.3パーセント増となりました。今後も積極的に商品の拡販を行い、引き続き2桁成長を維持したいと考えています。
自社商品は、OEMと比較してかなり利益率が高いということもあり、トップラインは若干物足りない部分もありますが、利益がしっかりと積み上がっていく構図がキープできていると考えています。
故障保証事業 セグメント業績
故障保証事業のセグメント業績です。万が一、故障保証商品に故障が発生した場合は修理を行いますが、当社のメンバーシップである「カープレミアクラブ」会員の整備工場を使いながら、しっかりとコストを落としていきます。また、中古部品を利用し、継続的な原価低減を実現しています。
第2四半期の原価率は54.7パーセントと、前年比4.3ポイント削減できました。ポートフォリオの中での自社商品比率が上がっていけば、しっかりと低い原価率をキープし、さらに下げていくことができると考えています。
現在、海外の故障保証事業は3ヶ国で展開しています。タイ、インドネシア、フィリピンについても、故障保証事業の取扱高および取扱件数は2桁成長と、順調に推移している状況です。
オートモビリティサービス事業 セグメント業績
3つ目の事業である、オートモビリティサービス事業についてご説明します。オートモビリティ事業は「カープレミアクラブ」、サブスク(リース)、ソフトウェア販売、車両販売・整備、自動車部品の5つの事業に分別しています。
5つともしっかりと成長基軸に乗せることができ、特に営業利益は前年比49.5パーセント増と、好調に推移しています。オートモビリティサービス事業における「カープレミアクラブ」の会員費のポートフォリオが高くなってきていることが、利益率の向上に貢献しています。
費用に関しては、認知拡大をしっかりと行っていくことで「カープレミアクラブ」のメンバーシップをさらに拡充し、事業の拡大を見込んでいきたいと考えています。「カープレミアクラブ」の会費については、昨年価格改定を行い、収益がほぼ倍増している状況です。今後も、安定的に収益を確保できると考えています。
カープレミアクラブ カープレミアクラブ会員数進捗
重要施策である「カープレミアクラブ」についてご説明します。約1年半前に中期経営計画を発表した際、「カープレミアディーラー」は5,000社、「カープレミアガレージ」は1,500店舗という目標を設定しています。
そこから中古車業界における大手企業の不正や保険に絡む諸問題があったため、当社は数ばかりを追うのではなく、会員の質の向上を目指し、加盟の厳選化を行っています。また、今まで入っていただいた会員にも、何か問題があれば一度会員をやめていただくなど、再構築を図っています。
そのような中で、「カープレミアディーラー」はゴールド会員からダイヤモンド会員へアップセルを行い、新規獲得にも注力しています。
ダイヤモンド会員になるには、基本的にゴールド会員を1年以上続けていただき、加盟店としての厳選化を行いながら「このディーラーであれば問題ない」ということであれば、ダイヤモンド会員に昇格していただいています。
また、ダイヤモンド会員の中では、昨年リリースした「カープレミアあんしんショップ制度」の展開も図っています。
「カープレミアガレージ」では、故障保証修理時の優先的な入庫誘導を行っています。また、「カープレミア」のサイトを通じて修理や車検などを希望するお客さまも、当社の提携ガレージである「カープレミアガレージ」へ優先的に入庫誘導しています。
この部分をしっかりと強化していくことで、クオリティの高い「カープレミアディーラー」「カープレミアガレージ」のネットワークを、引き続き構築していきたいと考えています。
その他進捗
その他の進捗です。中期経営計画「ONE&ONLY 2026」のちょうど半分を経過しました。今期は3ヶ年計画の2年目であり、現在はちょうど1.5年目となります。
中期経営計画初年度である前期に関しては、営業収益315億円、税引前利益62億円と、計画を上回る数値を計上することができました。
先ほどご説明したとおり、今期は税引前利益80億円の目標に対し、進捗率は50.9パーセントであるため、ここでもしっかりと計画を上回っていけるよう、下期はさらにがんばっていきたいと考えています。
「カープレミアクラブ」でも、会員向けのサービス拡充によりディーラー数を増やし、将来的にはお客さまにより良いものを提供できるネットワークを構築したいと考えています。そのためにもしっかりとマス広告を実施し、ブランド認知の拡大を図っていきたいと考えています。
おかげさまで、ファイナンスの申し込みもかなり増えています。当社もDX化されたシステムをしっかりと作らなければならないということで、年内に基幹システムを一新します。費用はすでに中期経営計画に織り込み済みであり、年内にカットオーバーできるよう、しっかり進めていきたいと考えています。
現時点で1.5年が経過しましたが、「カープレミアクラブ」の会員数も、進捗率50パーセントを超えています。このネットワークも、残りの1.5年でしっかりと積み上げていきたいと考えています。
また、第2四半期のトピックスとして、フィリピンにおいて、AND Financing Corporation社に、丸紅株式会社と共同で出資参画しました。
こちらは、モンゴルのフィンテック企業である同社の親会社が始めた、コンシューマーファイナンス事業です。若者が多く、今後の人口増大が期待されるフィリピンにおいてデジタル型のコンシューマーファイナンス事業を展開し、当社もこのノウハウをしっかりとキャッチアップすることで、フィンテックファイナンス、フィンテック企業としても進んでいくための1つの礎にしたいと考え、出資しました。
また、DX戦略はすでに公表していますが、少し改訂しました。基本となる考え方は変わっていませんが、今後は人財の育成をしっかりと行っていきます。
具体的には、DXに所属する社員だけがいわゆるDXの知識をつけるのではなく、全事業・全社員にわたって「DX人財」と呼べるような人財基盤を強化する施策を、今期からスタートしたいと考えています。
それによって、次世代モビリティのサービスに対応する新規事業がDX戦略とともに創出されると考えています。
また、昨年発表した統合報告書も2024年にバージョンアップし、10月4日に日本語版と英語版を公表しました。ぜひご覧いただければと思います。
「カープレミアクラブ」と「あんしんショップ」の特集ページも作成し、人的資本やコーポレートガバナンス等の開示内容もさらに充実させた統合報告書になっています。今後も引き続き、バージョンアップを図っていきたいと考えている次第です。
以上で、2025年3月期第2四半期の決算説明を終了します。
よくある質問と回答
よくある質問をいくつかご紹介します。
<質問1>
質問:マーケットが低調にもかかわらず、第2四半期のクレジット取扱高が前年比23パーセント増と第1四半期よりも伸長した要因を教えてください。
回答:「カープレミアクラブ」による囲い込み戦略が奏功し、「カープレミアディーラー」を中心に申し込みが増加していること、また第2四半期は、第1四半期に比べて新車マーケットが回復してきていることが要因として挙げられます。当社のオートクレジットの取扱いは中古車が中心ではありますが、一部新車・新古車の取扱いもあります。
<質問2>
質問:ファイナンス事業の営業利益率の改善要因を教えてください。
回答:取扱規模の拡大によって1件あたりのコストを下げることができていることが主な要因です。また、第2四半期においては、サービサー事業を営む子会社の業績が好調であったことも要因の1つです。
<質問3>
質問:連結全体の利益が強く出ている要因を教えてください。
回答:「カープレミアクラブ」の会費増加による収益ポートフォリオの変化と、各事業の費用低減や、DX化による業務効率の改善等が主な要因です。