日本の成長鈍化を止めるには?
では、国内メルカリはどうでしょうか?
先に述べたGMVと売上高は順調に推移しています。
出典:決算説明資料
しかし、GMVの前年比成長率を見ると低下していることがわかります。
出典:決算説明資料より作成
国内メルカリ事業の大きな課題は、このGMV成長率10%を維持できるかどうか?です。この10%という基準はメルカリの山田社長が掲げている目標であり、この数字に注目が集まっています。私の解釈ですが、10%を維持することができれば成長力を維持している、という見方ができると考えます。
ただし、何もしなければこの成長率は維持することはできないでしょう。
そこで、越境取引の拡大などを行っています。
台湾へ進出し、日本で出品されている商品を台湾の利用者が購入することができるようになりました。「美露可利」というサービス名で台湾からメルカリに会員登録できるのです。
越境取引自体は2019年から始めているのですが、これまでは他社のサイトを利用していました。自社運営での越境取引は今回が初めてです。
なお、売れている商品はアニメグッズなどが中心であり、海外で日本のアニメが人気であることから、国内メルカリのGMV押し上げに貢献する可能性が考えられます。
出典:決算説明資料
しかし、この台湾進出は24年8月に発表されたため、認知拡大のための投資などが先行することも考えられます。GMVは拡大したとしても、利益貢献するには時間がかかることも考えられます。
また、スポットワークの「メルカリ ハロ」も開始しました。ビジネスモデルは事業者が労働者に支払う給料と交通費から、30%の手数料を得ることで売上を得ます。
出典:決算説明資料
競合他社のタイミーがすでに黒字化しているため利益貢献の期待はあるものの、メルカリ ハロの拡大が、メルカリのGMVの増加に直接貢献するとは考えづらいと思います。メルカリ ハロ自体は優秀だったとしても、どこまで本業とのシナジーが生まれるかはわかりません。
このように、メルカリのプラットフォームを活用し、様々な周辺ビジネスを手掛けています。こういった各種施策が成長鈍化に歯止めがかかるかどうかが、今後の成長を左右するポイントです。
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