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NTT株価下落…長期投資の好機か?今後の成長性と投資判断のポイント=栫井駿介

NTTの成長分野

ここでは、NTTの事業のなかでも成長分野としてどんな事業があるのかをみていきます。

NTTで成長している分野は、以下のとおりです。

  • スマートライフ事業
  • データセンター事業
  • 法人向けDX・AIソリューション
  • 5G(第五世代通信)
  • IOWN構想

それぞれ詳しくみていきましょう。

<スマートライフ事業>

スマートライフ事業は、NTTにとってかなり重要な事業です。

ここでは、スマートライフ事業について詳しくみていきます。

・スマートライフ事業とは

スマートライフ事業とは、「金融・決済」「映像・エンタメ」「ヘルスケア・メディカル」などの複数のサービスを、一体化させて手軽に利用できるように推し進めた事業です。

スマートライフ事業の決算資料を見ると、売上が13.6%増えています。

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額にして、前年比で1,085億円です。

NTTグループ全体で売上高が約10兆円なのに対して、第3四半期スマートライフ事業の売上高が9,000億円なので約10%スマートライフ事業で稼いでいます。

・売上に大きく貢献した金融・決済

今回売上に大きく貢献したのが「金融・決済」事業です。

内容としては、d払い利用の拡大やクレジットカード会員の増加です。

d払いはQRコードを読み取って手軽に決済できるシステムで、あらかじめチャージしたお金で支払ったり携帯料金と一緒に決済したりする形で利用します。

店舗がd払いを導入すると売上金の一部をドコモに支払う流れになっているので、導入する店舗が増えるほどドコモにお金が入ってくるシステムとなっています。

またクレジットカード会員も増加していますが、ゴールドカードの年会費は11,000円です。

このように、カードの年会費でも売上を立てています。

他にも、ドコモはマネックス証券も傘下に納めていて今後さらに金融分野では期待できるでしょう。

<データセンター事業>

NTTは、世界第3位のデータセンターの保有企業です。

データセンターとは、IT機器を動かすために必要なサーバーなどを設置している場所でイメージは以下の画像のようなところです。

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出典:ソフトバンク株式会社「国内最大級の生成AI開発向け計算基盤の稼働および国産大規模言語モデル(LLM)の開発を本格開始

NTTは元々国営事業で規模が大きいことからも、世界中にデータセンターを持っています。

いま世界では、データセンターの需要が急増しています。

なぜなら、AIを動かすためにはデータセンターが必要となるからです。

そこでさらにNTTは、データセンターの建設を加速させています。

普通はデータセンターが完成してから契約者を募る流れですが、完成前から契約が決まっているような状況です。

このことから、データセンター事業も安定した収入源になることが期待できるでしょう。

<法人向けDX・AIソリューション>

いまAI市場が拡大していて、AIを導入したいと考える企業が増えています

またDX化の流れも続いていて、導入を考えるとシステム会社が必要です。

大きな会社ほど新しいものを導入する際に、セキュリティ面での不安があるので安心感のある大企業に導入してもらいたいと考えます。

そこで、NTTデータが大活躍します。

安心感がある大きな会社にDX化を担ってもらえるとしたら、助かる会社が多いです。

そのため、法人向けDX・AIソリューションは今後もさらに伸びていくでしょう。

<5G(第五世代通信)>

5Gとは高速通信システムのことで、代表的なものとして自動運転などの開発が期待されています。

今後は車に限らずモノ同士が通信するようになるといわれていて、外出先でもスマホでカギの施錠ができたり家電を遠隔で動かしたりできるようになります。

そうなると、1個1個の通信に契約がついてきてそこでも売上を立てられるようになるでしょう。

現在個人向けの通信は厳しくなっていますが、今後法人向けで再び盛り返すかもしれません。

いまは5Gですが今後6Gになると、さらに高速かつ大容量となり活躍の幅も広がっていくと予想できるため中長期として見ると期待できるでしょう。

<IOWN構想>

IOWN構想について聞きなれないと思いますが、ここで詳しく解説していきます。

また、IOWN構想についてつばめ投資顧問の見解も紹介します。

・IOWN構想とは

いま投資家が注目しているものとして、IOWN構想というものがあります。

IOWN構想とは、NTTが次世代通信技術として光技術により社会課題の解決などを行う構想です。

その1つに、ネットワーク負荷の激増に伴うデータセンターの消費電力量増加が社会問題としてあります。

消費電力量が増加すると、エネルギー需要に起因する環境悪化が起こる可能性が高いです。

たとえば、電力を安定供給させるために二酸化炭素を排出する火力発電に頼る必要がでてくることが挙げられます。

そこでIOWN構想では、光半導体というものを作ろうとしています。

現状の半導体では多くの電力が必要となりますが、光で情報を伝えていく光半導体を使うと電力を抑えることが可能です。

いまNTTはデータセンターも作っているので、光半導体を使ったデータセンターを作っていくことになるとさらに売上が増加するでしょう。

世間では、ここが成長分野として注目度が高いです。

・つばめ投資顧問のIOWN構想に対する見解

ただつばめ投資顧問の見解として、現段階では懐疑的なところがあります。

技術開発においては問題ないと考えていますが、NTTが儲かるのかは別の話のように思えます。

理由としては、商業化の予定が2030年以降となっている点です。

長期投資の中では、5年という年数は短いといえば短いのかもしれません。

ですが2030年に商業化となっていて、5年後にはじめてお金が取れるようなサービスが生まれてくる計画です。

今も日進月歩でAIは進化しています。

たとえば、ディープシークのように安価な半導体で高性能なAIが開発されるなど進化の速度が速く、5年後の話とはいえ不確実性が高いと感じています。

また実現までに時間や研究開発費が必要ですが、これが後になって重荷になってくることもありそうです。

将来性のある分野ですが、いま判断して投資するにはあまりにも早計であると思っています。

Next: NTTの衰退分野は?長期投資家が注視すべきこと

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