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オプロ、AIエージェント時代を見据えSoR領域を強化 2026年11月期は増収増益を計画

マネーボイス 必読の記事

2026年3月8日にログミーFinance主催で行われた、ログミー IR Meet 2026春 第2部・株式会社オプロの講演の内容を書き起こしでお伝えします。

会社概要

里見一典氏(以下、里見):本日は、私どものIRセミナーにご参加いただき、ありがとうございます。株式会社オプロ代表取締役社長の里見です。本日はよろしくお願いします。

当社の概要を簡単にご説明します。当社は1997年4月に設立されました。社員数は2025年11月末時点で119名です。主に法人向けのクラウドサービスを提供しています。

マネジメント体制

里見:マネジメント体制についてです。当社は、社内役員4名、社外役員4名のガバナンス体制を敷いています。本日は、常勤役員の安川も同席していますので、よろしくお願いします。

経営方針

里見:当社の経営理念は「謙虚・誠実・進取」です。Missionには「make IT simple」、ITをシンプルでスマートにすることを掲げています。当社はソフトウェアのサービスを提供しており、それに対するポリシーとして「Less is More」、無駄をなくせばより良いものになるという考えのもと、お客さまに提供しています。

収益モデル

里見:我々の収益モデルについてご説明します。基本的にクラウドサービスにおけるサブスクリプションビジネスを基盤としており、売上は主にストック型モデルとフロー型モデルの2種類で構成されています。

売上の8割はストック型モデルが占めており、主にサービスのライセンス料の積み上げがこれに該当します。毎月積み上がるため、前半よりも後半のほうが進捗率が良くなる傾向があります。

また、フロー型モデルについてですが、当社のサービスをお客さまに提供する際には、導入時のインプリメンテーションやコンサルティングが伴うことがあります。このような売上がフロー型モデルとして計上されます。

クラウドサービス

里見:我々のクラウドサービスについて簡単にご説明します。スライド右側がデータオプティマイズソリューションと呼ばれるものです。簡単に言うと、帳票形式のインプットおよびアウトプットのソリューションです。特に、金融や公共向けのサービスとして提供しています。

スライド左側がセールスマネジメントソリューションで、簡単に言うと販売管理です。特に特徴的なのは、サブスクリプションビジネスに強い販売管理のソリューションとなっています。

主要顧客

里見:現在、当社のサービスは1,500社以上のお客さまにご利用いただいています。その一部のお客さまをご紹介します。

帳票出力サービス「帳票DX」

里見:「帳票DX」サービスについてです。こちらは、帳票をアウトプットするソリューションです。仕事で使用するすべての書類が帳票と呼ばれます。これをDX化するのが、私たちの提供するサービスです。

導入事例

里見:日本郵政コーポレートサービスさまの事例です。日本郵政グループにおける総務や人事関連の書類を一括で取り扱うサービスを提供していますが、ここで私どものサービス「帳票DX」が採用されています。

ポイントは大規模なアクセス対応です。日本郵政グループ全体で40万人の社員がいらっしゃいます。40万人の給与明細を同時に処理する際、当社のサービスは停止しないという点が非常に優れているサービスとして評価され、ご導入いただきました。

採用事例

里見:セブン・ペイメントサービスさまの事例です。ATMサービスで、セブン‐イレブンのATMを管轄し、さまざまな銀行やQR決済との連携を図っています。現在では、すべての銀行を超えて最も多い端末数を持つATMかと思います。

いまだに契約関係の書類は手作業で行われていますが、これを電子化し、自動化したのが当社のソリューションです。このソリューションは金融向けであるため、停止しないサービスを提供することが最も重要なポイントとなります。

金融/行政機関向け電子申請サービス「カミレス」

里見:「カミレス」についてです。これは、帳票形式のインプットをするソリューションです。

単なるインプットソリューションではなく、基本的にはデータをレコードし、データがどのように変更されてきたかといった履歴を残すことができます。加えて、承認ワークフローで最終的な結果をすべて保存するなど、一気通貫で管理・対応できるのが、「カミレス」というサービスです。

導入事例

里見:埼玉県庁さまの事例です。どのようなかたちでご利用いただいているかをご説明します。

公共向け利用イメージ

里見:基本的に、ほとんどの公共部門では紙の帳票が多数存在します。紙の申請書をコンピューターに取り込み、自動的にフォームを作成するのが「カミレス」のソリューションです。

現場では、職員が自分でフォームを作成できます。ただし、裏方のワークフローや管理については、コンサルティングやインプリメンテーションが必要です。しかし、職員自身がフォームを作成できる点が非常に大きなポイントとなります。

書類をフォーム化するという点について、従来はSI企業が多大な費用をかけて対応していたため、多数の申請書を電子化するのが困難でした。これを「カミレス」でほとんどの書類を電子化し、その作成を職員が行うというソリューションとなります。

作成されたフォームや成果物はすべて一括管理され、マイナンバーとの連携も可能です。さらに、さまざまな端末に対応しており、市民のみなさまが簡単に利用できる仕組みとなっています。

採用事例

里見:これを活用した事例として、「学童保育オンライン申請システム」を大田区さまにご採用いただきました。従来はSI会社やパートナーと協力して導入していましたが、今回、大田区さまには当社が直接落札いたしました。

当社の新しいコンサルティングサービスを立ち上げた結果、それがしっかりと活かされた事例となっています。

導入事例

里見:金融系の導入事例です。SMBC信託銀行さまにも「カミレス」を導入いただいています。特に、これから金融系ではマイナンバーが一般に公開されると言われています。それに伴い、「カミレス」の仕組みをさらに強く導入していただけるようになっていくと思います。

導入事例

里見:もう1つの導入事例は、かんぽ生命保険さまです。当社は、JPグループさまに非常にご愛顧いただいております。かんぽ生命保険さまでも「カミレス」のソリューションがしっかりと導入されています。

特に3ヶ月間で立ち上げたにもかかわらず、保険金の支払いにおいては5点中4.7点とお客さまからの高評価をいただきました。さらに横展開を進めています。

セールスマネジメントソリューション

里見:セールスマネジメントソリューションと販売管理についてです。基本的に我々のソフトウェアサービスのような無形商材のサブスクリプション管理・販売管理に関しては「ソアスク」、物のサブスクリプションや物の販売管理については「モノスク」になります。

導入事例

里見:「モノスク」の導入事例についてです。非常に大きなお客さまとして、MTGさまにご採用いただいています。

MTGさまは「SIXPAD」という筋肉を鍛える機械や、「ReFa」というシャワーヘッドの法人版をサブスクで提供しています。まだまだ、ビジネスを横展開されており、IDが次々と増加している事例です。

採用事例

里見:昨年は、ユーキャンさまにもご採用いただきました。物がないため、「ソアスク」を採用いただきました。

導入事例

里見:おもしろい事例として、LayerXさまです。LayerXさまはIPOはまだ実現していませんが、日本を代表するユニコーン企業です。今年は300名を採用する計画で、実際に順調に進んでおり、IDも増え続けています。

2025年11月期 通期 実績

里見:当社の数字についてです。2025年11月期の売上高は25億5,200万円を達成し、前年比21.3パーセント増となりました。なお、昨年度は第3四半期に計画を上方修正しています。上方修正後、最終的には100.9パーセントまでさらに伸びました。

当期純利益は2億4,100万円で、昨年比の増減率は59.9パーセントとなりました。計画修正後も122.1パーセントを達成しました。

主要KPI

里見:当社の主要なKPIについて説明します。当社はサブスクリプション型ビジネスを展開しており、その中でもARR(年間経常収益)を非常に重要視しています。ARRは21億7,000万円で、前年比15.1パーセントの成長となっています。

2025年11月末時点での契約者数は1,546社、ARPU(1社当たりの平均ARR)は140万円、月次解約率は0.35パーセント、従業員数は119名です。

2025年11月期 通期 実績

里見:貸借対照表についてです。流動資産について、昨年は金銭信託投資を行ったため現金が減少しましたが、現預金は3億1,000万円に増加しています。

固定資産について、6,700万円の増加がありました。現在、当社はAIへの投資を積極的に行い、製品開発を進めており、それが着実に積み上がっている結果として、固定資産が増加しています。

流動負債についてです。当社の流動負債の半分以上が契約負債となっています。契約負債は、お客さまから1年分の費用をいただくことによって発生します。そのため、契約が増えるほど契約負債も増加します。

このことから、契約負債が増えているということは、ビジネスが順調に進んでいることを示しています。毎月按分され、その一部が毎月少しずつ売上に反映されていくという状況です。その結果、自己資本比率が47.6パーセントとなり、昨年よりも若干伸びました。

2026年11月期 通期 業績見通し

里見:2026年11月期の目標についてです。我々は売上高を32億2,600万円、前年比26.4パーセント増と見込んでいます。当期利益は3億400万円、前年比26.2パーセント増を目標にしています。

私たちは目標を達成するにあたり、エンタープライズのお客さま、とりわけ公共系を重点的に狙っています。

トピックス

里見:公共系の大型案件には、ISMAPという資格が必要です。2025年12月、「カミレス」と「帳票DX」がリスティングされました。この資格を基に、特に中央省庁の案件に対して、当社のソリューションをしっかりと拡大していきたいと考えています。

特に、大手コンサルティングパートナーであるアクセンチュアやデロイト トーマツなどと協力し、中央省庁の案件に対して拡大していきたいと考えています。

以上が、当社のビジネス概要です。

質疑応答:SaaS企業の株価下落とAI Agentの影響について

Ken氏(以下、Ken):株価についておうかがいします。「SaaSの死」について、御社の株価が2,500円から現在の1,400円程度まで下落している状況を見て、他の企業でも同様の下落が多いように思います。

その点についてどのように捉えているか、SaaS企業におけるご意見もお聞かせいただけますでしょうか?

里見:当社の投資家や株主のみなさまには大変ご心配をおかけしていると思います。本日は、その点について重点的にご説明したいと考えています。「SaaS is Dead」は、非常にセンセーショナルな英単語だと思います。これをもう一度イチから見直したいと考えています。

「SaaS is Dead」を最初に言い出したのはMicrosoftのCEO、サティア・ナデラ氏です。この発言はちょうど1年前に行われました。起業家のバルン・マイヤ氏が運営する「YouTube」に出演し、SaaSの未来について説明した際に使ったのが「SaaS is Dead」です。

彼が強調したのは、SaaSの役割がアプリケーションの提供からAIが活用するデータベースへと変わるという点でした。このポイントは非常に重要であり、今もなお変わっていないと考えています。

その後、2026年1月末にAnthropicが発表した「Claude Cowork」が大きな話題となりました。当社でも「Claude Cowork」を活用しており、その内容を十分に理解しています。

「Claude Cowork」は、複雑な業務フローをAIが自律的に実行することで、専門的なSaaS機能が不要になる可能性を指摘したものです。この発表を受けて、国内のSaaSベンダーの株価が一気に下がったと考えられます。これが「SaaS is Dead」の発端となりました。

里見:「SaaS is Dead」について、SaaS機能が不要になると思われた理由を簡単にまとめてみました。自律的に動くAIがSaaSの代替となる可能性が高まり、一部のサービスには強い影響を及ぼすと考えられます。

AIエージェントは自律的に動くため、UI/UXが不要になるという特徴があります。人が使用しないため、UIやUXは必要なくなり、「Agent to Agent」の世界へと移行していきます。一方で、「Human to Human」の部分はなくなっていきます。

AIエージェントがなくなる、UIがなくなるということは、ユーザー課金が消滅するという意味を持ちます。人が使わないため、ユーザー課金が必要なくなるということです。そのため、AIエージェントに基づく従量課金や成果課金へと変わっていくことになります。

これが「SaaS is Dead」の意味合いになると考えています。

里見:AIエージェントが必要とするサービスは何か、つまり「SaaS is Dead」にはならないサービスは何かというと、System of Record(SoR)という考え方に基づくシステムだと考えます。

その内容としては、組織が公式に参照する基幹データの保存場所を指します。ナデラ氏が述べたように、AIが利用するデータベースがこれにあたるということです。

このデータベースには、変更履歴や正確性が強く求められます。特に企業の基幹システムにおいて重要な役割を果たします。また、他のシステムのマスターとして機能するのが、SoRという仕組みです。

SoRがあることで、次に進化するのがSystem of Insight(SoI)というソリューションです。簡単に言えば、AIエージェントのアプリケーションのことです。AIエージェントは、顧客データの分析や知見の抽出、意思決定支援などを行います。これらは、SoRのデータを活用して実現されるソリューションです。

里見:反対に、AIエージェントによって不要になるサービスは何か、つまり「SaaS is Dead」になるサービスは何かというと、System of Engagement(SoE)に該当するものです。このようなものは、今後なくなっていくでしょう。

里見:我々のサービスでは、「ソアスク」「モノスク」「カミレス」「帳票DX」がSoRに該当します。

里見:また、我々は「ソアスク Agentダッシュボード」をSoIのサービスとしてリリースします。今年2月にはβ版をリリースしました。また、「AI Agent 対応 帳票DX」のサービスもリリースしていきます。

質疑応答:解約率が低い理由とAI普及による影響について

Ken:解約率についてうかがいます。御社のマルチプルなどを見てみると、「成長するのではなく、解約率が上がってくるのではないか」といった認識になっていると思います。現在の解約率が低い理由について教えてください。

また、AIの普及によって解約率が上昇することがあるのかについて、もう少しコメントをいただけますでしょうか?

里見:解約率に関しては、現在減少傾向にあります。それは、お客さまが当社のサービスをしっかりとご利用いただいていることが要因かと思います。1つ目の理由として、帳票が基幹業務のサービスの一部を構成しているため、お客さまがその利用をやめる可能性は低いと考えています。

2つ目の理由として、販売管理のソリューションはお客さまの基幹データを扱っています。売上データ、請求データ、顧客データ、契約データといった、いわゆるマスターデータを活用しています。このため、一度定着すると解約されにくいのが現状かと思います。

Ken:AIが普及したとしても、0.3パーセントや0.4パーセントという数字は、SaaSの中ではかなり低いと思います。「これぐらいでいけるのではないか」と現時点では思われているということでしょうか?

里見:おっしゃるとおりです。また、当社としてAIのソリューションも提供することで低解約率を継続していけると考えています。

質疑応答:エンタープライズ向け営業戦略とISMAP取得の影響について

Ken:今期の営業戦略についておうかがいします。ISMAPの取得について、エンタープライズ向けの顧客、特に公共機関や中央省庁に関するお話がありました。ISMAPを取得していないと、そもそも採用されないということなのでしょうか? 

里見:おっしゃるとおりです。ISMAP対応ソリューションでなければ、入札自体に参加できません。

Ken:今期は、そこを狙っていくということですね? 

里見:狙っています。

質疑応答:自社株買いについての方針と考え

Ken:株価についておうかがいします。今後も成長し、新しい企業も取り込んでいけるとなると、「今の水準はけっこう安いな」と思います。流動性の問題もあるかと思いますが、この場面で自社株買いを行うという話にはならないのでしょうか?

里見:社内では、ファンダメンタルを踏まえても、我々の評価がかなりディスカウントされていると認識しています。役員会では常に、どのような手を打つべきか話し合っており、着実にさまざまな手を打っていきたいと考えています。

現時点では、具体的な内容はお伝えできませんが、その際にはしっかりアナウンスしますので、引き続きよろしくお願いします。

質疑応答:ARPU伸び悩みのリスクとAI活用の取り組みについて

質問者:先ほど「SaaS is Dead」というお話がありました。確かに「0か100か」と言えばご指摘のとおりだと思いますが、「SaaS is Dead」がある意味示しているのは、いわゆるコンペティション、競合だと思います。

そのような意味では、御社のARPUは現在完全に伸び悩んでいる状況です。こうした構造やARPUが下がるリスクについて、どのようにお考えかお聞かせください。

里見:具体的な内容はお伝えできませんが、まず我々は社内にAIを導入し、「AIネーティブカンパニー」を目指しています。AIのテスト運用はほぼ終了しており、ほぼ方向性を確定しています。

その結果、我々が考えているのは、まさに「System of Engagementのソリューションを開発していこう」ということです。

社内の基幹業務について、データベースは蓄積されていますが、人が使わなくてもよい業務ではIDを削減していく方針です。言い換えれば、我々の「ソアスク」や「カミレス」もそれに関連しています。

それに対してAIエージェントがどのように対応していくか、我々も徐々に把握しつつあります。そのため、そこに対するソリューションを構築しています。

また、非常に幸運なことに、「帳票DX」サービスはID課金ではありません。従量課金と成果課金を組み合わせた価格設定としており、これをARRに計上しています。

その結果、「これだけ出力できます」「1社当たりこれだけ利用できます」という価格を提示し、それを松竹梅の形式でお客さまにご提供しています。

このように松竹梅で価格を設定して、ARRに計上しています。そのようなプライシングについては十分に理解しているため、AIエージェントが使用する際の「ソアスク」や「カミレス」を想定したプライシングを現在検討しています。

製品のリリースとともに対応することで、売上を下げるのではなく、アップセルを狙える仕掛けで進めていくことでARPUを上げていきたいと考えています。

質疑応答:AI技術の内製開発体制と活用事例について

質問者:AIについて、自社で独自開発をされているのでしょうか? Anthropicのようなものを使用されている場合は、どのようなものを使っているのかおうかがいします。

また、それに対応できるエンジニアは自社に在籍しているのか、それともアウトソースしているのでしょうか? 失敗時の体制についても教えてください。

里見:時間の関係で省略しましたが、私たちが現在開発し、既存のお客さまに提供しているベータ版をご紹介したいと思います。はじめにお答えしますが、私たちのサービスはすべて内製であり、外注は一切利用していません。

「ソアスク Agentダッシュボード(β)」というサービスについて説明します。すでに、我々は「ソアスクfor Agentforce(β)」をリリースしています。

「ソアスク」は「Salesforce」で動作しており、「Salesforce」のAI「Agentforce」を利用しています。自然言語で見積もりを作成し、商談に入ったメールや会議で文字起こしされた情報を取り込んで、見積もりや請求書を自動的に作成するサービスをリリース済みです。

このサービスについては、Salesforceがプライシングを決めており、我々はプライシングを決定していません。その結果、ベータ版のままとなっていますが、すでに1年前から実現しています。業務をAIが補助することによってコスト削減を実現する、というコンセプトを重視しています。

里見:「ソアスク Agentダッシュボード(β)」は、端的に言えばBI(Business Intelligence)です。SoRの仕組みにより、自然言語でビジネスインテリジェンスを実現するサービスです。

セマンティックレイヤーと呼ばれる仕組みで、コンピューターの専門的な言語とビジネスの言語の間をつなぐ部分を正確に定義することで、正確性を担保する仕組みを提供しています。AIにより意思決定を加速させ、売上向上を実現するサービスです。

里見:スライドのとおり、画面右側で自然言語により入力された質問内容をAIが処理し、「ソアスク」に含まれるデータを読み込み、AIが自動的に生成し、画面左側にグラフが表示されるというサービスです。動画をご覧いただきたいと思います。

(動画始まる)

こちらは、実行したデモの動画です。まず、自然言語で「2020年から今までのチャーンレートを出してください」と言うだけで、基本的にAI Agentが自動的にデータベースにアクセスし、クエリを構築します。本来は難しい設定が必要ですが、これだけで対応できます。

その結果、AIが分析した内容が画面に表示されます。画面左側にあるようなかたちで、言葉で表示された内容をグラフに表します。これがAI Agentの役割であり、あるタイミングになると自動的に実行される仕組みとなっています。

(動画終わる)

これが「ソアスク Agentダッシュボード(β)」サービスです。近々、課金モデルで提供する予定です。現在はベータ版を既存のお客さまに利用していただき、製品のブラッシュアップを進めています。

里見:「AI Agent 対応 帳票DX」をご紹介します。当社では、すでにAI Agentに対してさまざまな取り組みを行っています。「AI Agent 対応 帳票DX」は、帳票を作成する際に用いるデザイナーにかなり以前から組み込んでいたものです。

このデザイナーには、ある程度のITリテラシーが求められる仕様となっていました。形を作るのは意外と簡単ですが、コンピューターデータのどこをどこに表示するかというマッピング設定が少々難しかったため、これをAIで簡単にするソリューションを以前から組み込んでいました。

里見:今回は、いわゆる自然言語を用いたソリューションについてご説明します。AI Agentが要求を指示すると、帳票を作成し、レイアウトを組み、データを処理して帳票を生成する仕組みです。AI Agentが動作する部分は、人間が操作するデモとなりますが、実際の動きをお見せしたいと思います。

(動画始まる)

こちらは、Macに保存されているデータで、ヘッダーのデータや明細のデータがあります。これらのファイルをアップロードします。本来、AI Agentは自動的にこのファイルを「帳票DX」に投げます。

その後、自然言語で「ちょっといい感じの見積書を作ってね」と入力します。すると、自動的にAI Agentが作動し、基本的にデザイナーが自動的にデザインを進めていきます。デザインが完了した後、データを当てはめてAIが帳票を作成し、画面右側に見積書が表示されたかたちになります。

我々は、実はこれを実験として作りました。そのため、あえて利用しているAIをお伝えすると、「Claude」の最上位プランです。「Claude」の最高レベルのサービスを利用すると、ここまでの成果を出せます。

ただし、「Claude」の最高レベルのサービスでも、これ以上の成果は得られません。それより下のランクでは対応が困難な状況です。帳票作成がいかに難しいかを実感いただけるかと思います。

CAD(Computer Aided Design)をご存じでしょうか? おそらく、多くの方が知らないと思いますが、帳票もこれと同じです。きっちりとしたレイヤーを構築することは、AIが非常に苦手とする分野です。

一方、「なんかこんな感じ」は得意ですが、「きっちり出せ」は最も苦手な領域です。この点において、我々には非常に大きなチャンスがあると考えています。

(動画終わる)

里見:「帳票DX」については、MCPというAIエージェントが非常に読みやすいインターフェイスを備えています。こちらを5月にリリースし、「帳票DX」に標準バンドルします。これにより、AIエージェントが簡単に当社の帳票サービスを利用できるようになります。

ユーザベース社が展開している「Speeda AI Agent」に、当社のサービスが組み込まれています。パワーポイントの出力は、当社のサービスを利用して行っています。

AIエージェントはパワーポイントの生成は可能ですが、明細が含まれる、いわゆる詳細なパワーポイントを作成することは現時点のAIでは難しいのです。そのため、当社のサービスが採用されています。

質疑応答:ISMAP取得の難易度とビジネスインパクトについて

質問者:先ほどのお話にあったISMAPについて、取得の難しさや、それによって今後どの程度の優位性があり、ビジネスとしてどの程度のインパクトがあるのかをうかがいたいです。

里見:ISMAPについては、製品の種類や数によって費用は変わりますが、基本的な流れとしては、まずコンサルを受け、その後に専門の監査法人から監査を受けます。その後、IPAが審査を実施し、承認されるまでに約半年を要するのが一般的です。

セキュリティを担保するため、さまざまなかたちでのチェックが行われるため、2つの製品で総額約1億円が必要となります。したがって、1億円を支払える企業でなければ、2つの製品を登録することはできません。

当然ながら、セキュリティを担保する体制が必要となり、その体制や組織を整備している企業でなければ認定を受けることはできません。なぜなら、これは国民のみなさまに提供されるサービスで利用される機能であり、非常に厳格なセキュリティチェックが行われるためです。

このようなISMAP案件における事業全体の受注金額では、例えばアクセンチュア社のようなフロント会社が総額10億円から20億円程度で受注した場合、そのうち、当社の製品ではARRで1億円から2億円ほどの規模感になると見込んでいます。

質疑応答:ISMAP取得による影響について

荒井沙織氏:「ISMAP取得により、今期の下半期から業績として現れるとおっしゃっていましたが、現時点で手応えはありますでしょうか? また、ISMAP取得によって商談数や規模は確実に大きくなっていると捉えてよいでしょうか?」というご質問です。

里見:申し訳ありませんが、この場ではインサイダー情報に触れるため、具体的な内容はお伝えできません。ただし、我々の想定どおりに動いているとだけはお伝えできます。

質疑応答:大量案件処理における負荷対策について

質問者:日本郵政グループに強いとおっしゃっていましたが、社員40万人の帳票を出せるということですね? 負荷をかけても落ちないような工夫は何かあるのでしょうか?

里見:簡単にお伝えすると、オートスケーリングという機能があります。一定のキャパシティを超えた場合、自動的にサーバーを増設する仕組みが備わっています。さまざまな難しい案件に対応してきた実績があるため、この実装がしっかりできており、大量のアクセスがあっても簡単にはダウンしない仕組みを提供できています。

質疑応答:東証の上場維持基準への対応と時価総額の増加方法について

質問者:東証の上場維持基準への対応が厳格化されたと思いますが、この点について質問です。現在、時価総額は30億円ほどですよね。年間30パーセントほど増やす必要があるかと思いますが、現行方針を推進するのか、それとも何か買収を行うのか、その方向性についておうかがいできますか?

里見:当社としては、現状PERが非常に悪いのであまり強くお伝えできませんが、中期計画を計画どおり実行すれば、グロース市場で時価総額100億円を達成することは可能ではないかと考えています。

また、上場維持基準としては、スタンダード市場という選択肢もあります。また、私たちが常に考えているのは、現在保有しているキャッシュをいかに活用するかという点です。そのキャッシュの活用方法として、M&Aも選択肢の一つと考えています。

そのようなことを常に念頭に置き、チャンスが来た際にはしっかりと対応していきたいと考えています。

質疑応答:業績の組み立て方と今後の方針について

Ken:「今期の業績予想は、前期と同様の算出ロジックで積み上げたものでしょうか? それとも、ISMAP取得による案件増加を前提に、一定程度強気の見通しを織り込まれているのでしょうか? 現状のパイプラインを踏まえた達成確度について教えてください」というご質問です。

里見:この計画は、オーガニックにSaaSを成長させる計画を基盤にしており、ISMAPの取得を前提とした内容も組み込んでいます。ただし、先ほどもお話ししたとおり、これからは従量課金や成果課金型のサービスに移行していくことも検討しています。これらの課金モデルでは、ARRには反映されません。したがって、ARRの伸びだけでなく、ストック型の売上や利益の成長を適切に評価し、来るべきタイミングには、みなさまにしっかりと情報をお伝えしたいと考えています。

Ken:では、下期あたりから課金体系などが変わる可能性を、ある程度想定しておいたほうがよいということでしょうか? AI Agent向けの売上はいつ頃から立ち上がるのでしょうか?

里見:2月に「オプロAI活用コミュニティ」を立ち上げました。こちらには、基本的に既存ユーザーさまにご参加いただいています。お客さまには、私たちが現在開発しているソリューションやバージョンアップを優先的に利用していただき、それをどう活用するかを一緒に考えています。

お客さまも、AIエージェントに対して「勝手に動かれるのは怖い」という思いを持たれています。やはり見えないものに対して、人間は一番恐怖心を抱きます。そのため、見える化や、AIエージェントが絶対にできない責任を取るという部分を重視しています。

私たちのサービスは、企業の組織の中で活用していただくものです。しかし、その中で、誰が実行し、誰が責任を取るのかといったガバナンスの課題も絡んできます。

実際に、現場でAIエージェントを積極的に活用する時代が到来するには、もう少し時間がかかるのではないかと考えています。特に、販売管理や我々の「カミレス」の分野では、さらに時間がかかるというのが正直な印象です。

Ken:足元では、そもそもAIエージェントをどのように活用するのかについて、お客さまと共に議論しながら進めているという感じでしょうか?

里見:それが最も重要な情報になると考えています。我々もAIを活用し、自分たちが感じたことをお客さまへ伝えることができ、お客さまも我々のAIエージェントサービスを使って得た感触や意見を語ってくださいます。

その情報がどんどん集約され、最適なかたちに進化していくのではないかと考えています。AIエージェントの時代では、「SaaS is Dead」はより単純なソリューションほど淘汰されていくのだろうと感じています。

例えば、エクセルの代わりに簡単な入力画面を作成したり、グラフを手軽に作成できたりするようなサービスは、先ほどお見せしたとおり、AIエージェントで簡単に代替可能です。そのようなものは、ある意味で「SaaS is Dead」になっていくのだろうというのが私の個人的な感覚です。

質疑応答:「Salesforce」の成長停滞時の対応について

Ken:御社のシステムは「Salesforce」で動いているというお話がありました。「Salesforce」が伸びなくなった場合、どのように考えたらよいのか、またその点に関する見解を教えてください。

里見:「ソアスク」は「Salesforce」上で動いていますが、「ソアスク Agentダッシュボード」は「Salesforce」上ではありません。「Salesforce」はさまざまな制限があり、大量のデータを取得することが苦手なため、「Salesforce」以外のプラットフォームで動作させています。

すべてを「Salesforce」に依存することには限界があると感じています。そのため、これから出していくAI関連のソリューションについては、「Salesforce」に依存するかたちではありません。

本日は詳しくお話しできませんでしたが、我々が現在ターゲットとしているのはSAPやERPの企業さまです。その市場に向けたアライアンス構築を今、一生懸命進めているところです。

今年度のいずれかのタイミングでアライアンスがうまく進展し、その結果についてお話しできる状況になるのではないかと考えています。

特にSAPについては、昨年度、日本の超エンタープライズ企業のお客さまにご採用いただくことができました。現在、具体的な企業名はお伝えできませんが、横展開が始まりつつある状況です。そのため、SAPの市場にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。

質疑応答:創業期からの成長を支えた要因について

Ken:「大変失礼ですが、オプロさまの企業規模のわりには、エンタープライズや半官半民のお客さまが多い理由は何でしょうか? アプローチの仕方なども教えてください」というご質問です。

里見:積み上げてきた信用が大きいと思います。創業当初から「自分と同じようなレベルの会社とは付き合わない」と言ったら大変失礼にあたるかもしれませんが、なるべく上を見ていました。我々は有限会社としてスタートしましたが、運が良かったこともあり、最初のお客さまはソニーさまでした。

当時、ソニーさまがBtoBソリューションを提供する際に、私がコンサルタントとして雇われたことが、会社のスタートとなりました。その後、株式会社に組織変更した際に、最初にお付き合いがあったのがNTT横須賀研究開発センタでした。

NTT横須賀研究開発センタはNTT本社に関連しているため、NTT本社の口座が承認されました。NTT本社の口座が承認されることで、NTTの関連会社全体との取引が可能となり、これが当社の成長を支える重要な要因となりました。

また、日本郵政さまはNTTさまとは関係ありませんが、そうした背景が影響し、比較的初期の段階から当社のサービスをご利用いただきました。このような流れが、当社の成功を後押ししたのだと思っています。

質疑応答:AI投資時代におけるサービス導入のハードルについて

Ken:AI投資を顧客が積極的に行うことで、御社のサービスを導入するハードルが高くなるといったことが、現在の商談状況で実際に起こっているのでしょうか? それとも、昨年や一昨年とあまり変わらないのかを教えていただけますか?

里見:正直にお伝えすると、AIエージェントの時代は我々にとってチャンスだと考えています。一番のポイントは、AIエージェントは誰も責任を取らないという点です。

我々が提供するAI Agentは、当社が責任を持ちます。ここが一番大きな差であり、当社の存在価値の最も重要なポイントです。つまり、当社が提供するAI Agentの機能そのものに対しては、当社が責任を取るという点です。

一方で、お客さまが作ったAIエージェントについては、社内の誰かが責任を負わなければなりません。多くの場合、それを嫌がる方が多いと思います。したがって、ここが当社の最大の強みになると考えています。

里見氏からのご挨拶

里見:本日は、私どもの説明をお聞きいただき、誠にありがとうございました。今後、このような機会をさらに増やしていきたいと考えています。

AIエージェントの時代には、目に見えないものをしっかりとお客さまに伝えることが重要です。そのため、私たちの現在のベータ版などをしっかりとお見せしながら、お伝えしていきたいと思っています。これからのオプロにぜひご期待ください。よろしくお願いします。

当日に寄せられたその他の質問と回答

当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。

<質問1>

質問:3年後、5年後を見据えたとき、御社は売上規模や事業の柱の観点で、どのような姿の会社に成長していることを目指されているのでしょうか?

回答:中期的には、売上成長と収益性のバランスを重視し、「Rule of 40%」を継続的に達成できる成長モデルの確立を重要な目標としています。
事業の方向性としては、エンタープライズ・公共領域を中心に高付加価値な顧客基盤を拡大するとともに、AIを前提としたプロダクト進化(AIネイティブ化)を進めることで、既存サービスの競争力強化と新たなユースケース創出を図っていきます。

<質問2>

質問:オプロは特許はどの程度保有されてますか? その特許によりAIの参入障壁になりえますか?

回答:当社は特許の保有はありますが、保有数を競争力の中心には置いていません。一方で、長年にわたり帳票生成や業務システム連携の分野で培ってきた業務要件への対応力や実装ノウハウ、安定したサービス提供してきた実績などが、実質的な競争優位になっています。

AIについても、特許による排他より、実務で使える形でAIを業務プロセスに組み込み、安定運用する知見の蓄積による新しい機能提供や新しいサービス提供を継続することが重要だと考えており、これが結果として参入障壁の一部になっていると認識しています。

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