■CGSホールディングス<6633>の今後の見通し
2026年12月期の連結業績は、売上高6,551百万円(前期比31.5%増)、営業利益442百万円(同28.9%増)、経常利益485百万円(同25.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益214百万円(同18.7%減)と予想している。
主力のCAD/CAMシステム等事業においては、売上高で5,874百万円(前期比42.1%増)、営業利益で420百万円(同72.3%増)、営業利益率で7.2%(同1.3ポイント上昇)を見込んでいる。需要は底堅く推移すると見込まれることに加え、新規連結子会社が通年(前期は3ヶ月)で寄与することから増収増益を予想している。
金型製造事業は売上高で676百万円(同20.3%減)、営業利益で21百万円(同78.4%減)、営業利益率3.1%を見込んでいる。前期の反動に加えてモデルチェンジの谷間になる見込みであることから、減収減益を予想している。
なお繰延税金資産の増加が見込まれないこと、非支配株主に帰属する当期純利益が前期比で増加する見込みであることから、親会社株主に帰属する当期純利益は減益を予想している。
■中長期の成長戦略
組織再編を完了し、新ロードマップを発表、「製造業DXインテグレーター企業」を目指す
同社は、現在の経営環境を考慮して、以下の3つを重要な経営戦略に定めた。
・国内、アジア圏における金型CAD/CAM市場で自他ともに認めるNo.1シェアメーカーとなる
・金型CAD/CAMメーカーNo.1の優位性を生かして隣接市場参入へのスピードを加速させる
・製造業のDXニーズ(自動化ニーズ)に応えた多角化経営を実現する
これらの目標を達成するため、同社は2025年4月から進めてきた組織再編を同年10月に完了し、2026年2月に新ロードマップ『イノベーションストリーム:CGSグループが目指す「製造業DXインテグレーターへの道筋」』を発表した。同社は今後、培った日本のモノづくり技術を東アジアやASEAN地域に浸透させ、市場の多角化を図り、その後、欧米市場へのグローバル展開を進める方針である。
1. 組織再編について
(1) 組織再編の概要
同社は、2025年1月17日に発表した組織再編スキームを進めてきた。具体的には、同年4月に、スピーディーな意思決定とグループ全体の最適化を実現するために同社を純粋持株会社として事業部門を新設分割し、同年9月には、各事業のシナジー創出及び研究開発スピード向上を目指して中間事業持株会社CGSを設立した。加えて同年10月には、NTTD-ESが設立したNDESの株式の51%を取得して連結子会社とした。これにより、同スキームによる組織再編を完了し、各子会社の販路を拡大すると同時に、それぞれの製品の強みを相互に生かすことで市場競争力を強化する。
(2) 組織再編のメリット:3つのシナジー
同社では、今回の組織再編によって、以下のようなメリット(シナジー)が得られるとしている。
a) 経営シナジー:長期戦略で100億円企業へ
・組織再編により金型用CAD/CAM業界トップシェアを目指す
・スケールメリットにより、経営資源の効率化と企業価値の向上を図る
・今後、さらなるグループ拡大により製造分野での事業の多角化と収益源の拡張を図る
b) マーケットシナジー:CAD/CAM事業の最適化と生産管理システム等の育成
(CAD/CAM事業の最適化)
・国内/海外における販売手法、クラウド/オンプレ販売、商品ラインナップなどを最適化する
・CAD/CAM適応分野(部品加工市場)での協業を推進する
(生産管理システム事業、新規事業の育成促進)
・AIQ+自動化システムの事業展開を強化する
・クラウド事業を拡張する
・新規事業を推進する
c) 開発シナジー:多重開発の抑制、共同研究開発の推進
・CAD/CAMモジュール、アクティベーション、クラウド環境などの共同開発、グループ内リソース活用を推進する
・将来を見据えた研究開発の推進と共同開発による生産効率の向上を図る
2. イノベーションストリーム:「製造業DXインテグレーターへの道筋」
同社は2026年2月13日に、今後、同社グループが進むべきロードマップとして『イノベーションストリーム:CGSグループが目指す「製造業DXインテグレーターへの道筋」』を発表した。「製造業DXインテグレーター」として、CAD/CAM業界で培ってきた強みを生かしながら新たな価値の創造を目指す。主な内容は以下のとおりである。
(1) 既存ソリューション
既存のコア事業であるCAD/CAMシステムにおいて、AI活用による自動化やCAE、生産管理システム、部品加工システムを含めたトータルソリューション化を推進し、開発・営業力を強化する。
(2) スマートファクトリー領域
生産管理システムを核に最優先の活動として拡大させ、デジタルツインによる工場の可視化や工程集約を通じて高度な自動化を実現する。
(3) クラウド・プラットフォーム
SaaS/PaaS型プラットフォームを提供することで、既存システムのクラウド化や新サービスの創出、ロイヤルカスタマーの育成を図る。
(4) スマートファクトリー領域の拡大
スマートファクトリー領域を拡大し、海外拠点とのグローバルソリューションの共創・展開や他社との協業、及び積極的なM&Aを推進することで、事業成長を加速させる。
2028年12月期に売上高70億円が定量的目標
3. 定量的目標
同社は、組織再編及び新ロードマップを推進したうえで、短期及び中長期の事業計画目標として以下を目指す。
(1) 短期(~2028年12月期):売上高70億円
組織再編に伴い金型CAD/CAM業界のトップシェアの優位性を生かして生産管理システム事業を強化し、シナジー戦略により、グループ全体で売上高70億円を目指す。
(2) 中長期(~2030年12月期):売上高100億円
CAD/CAM事業を中核に、新規事業強化戦略の一環としてM&Aを含めたCGSグループの拡大を積極的に図り、グループ全体での売上高100億円を目指す。
■株主還元策
基本方針は安定配当の継続。2026年12月期も前期と同額の年間10.0円を予定
同社は株主還元策として年間10.0円配当を基本方針としている。配当について経営陣は、「得られた利益を安易に内部留保することなく、新規事業の育成に向けた先行投資及び株主還元策を積極的に実施していく」と述べている。配当性向については業績連動を基本とするも、配当性向40%を目安に安定した株主還元を行うことを基本方針としている。
この方針に沿って、2025年12月期は年間10.0円の配当(配当性向36.0%)を行った。2026年12月期についても、年間10.0円の配当(配当性向44.3%)を予定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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