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セイワHD上場会見、製造業特化型の事業承継プラットフォーマー 事業志向のハンズオンで収益性向上へ

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株式会社セイワホールディングス(523A)のグロース上場を記念した記者会見が行われ、代表取締役社長の野見山勇大氏と取締役副社長の井川径成氏が登壇しました。

会社概要

社名:株式会社セイワホールディングス
設立:2021年1月
事業内容:製造業の事業承継推進、プラットフォーム化によるグループ経営

登壇者名

株式会社セイワホールディングス 代表取締役社長 野見山勇大 氏
株式会社セイワホールディングス 取締役副社長 井川径成 氏

目次

井川径成氏(以下、井川):セイワホールディングス取締役副社長の井川です。本日はお忙しい中、セイワホールディングスの上場記者会見にお集まりいただき、誠にありがとうございます。

代表の野見山より事業概要と今後の成長戦略についてご説明します。

野見山勇大氏(以下、野見山):セイワホールディングス代表取締役社長の野見山です。

本日、無事に東京証券取引所のグロース市場に上場しました。みなさまに多大なるご支援をいただきましたことを、あらためて御礼申し上げます。

今後も当社が掲げる日本の製造業の後継者問題という課題解決に向けて、しっかりと取り組んでいきますので、どうぞよろしくお願いします。

セイワホールディングスとは

当社は後継者不在である中小企業のM&Aを連続的に行い、独自の仕組みでバリューアップを行う、製造業特化型の事業承継プラットフォーマーです。

バリューチェーン

当社のバリューチェーンです。

後継者不在などの中小製造企業の株式を譲り受け、自社独自のプラットフォーム内でグループ会社単体での成長を図ります。さらに周辺のM&Aを繰り返すことでグループ間のシナジーを最大限に発揮し、エンドユーザーに対して販売を行っています。

なぜこの事業を行うのか

当事業を行うに至った経緯です。もともと私は、父が経営する町工場に2代目として入社しました。

入社当時は「職人さん」がどのような存在なのか理解していませんでした。しかし、一緒に働いていくうちに、彼らが日本を支える非常に重要な存在であり、このような人々が世の中に多くいることに感銘を受けました。

そこで、父の会社を継ぐことを決意し、事業承継には苦労を伴いましたが、なんとか成功させることができました。一方で、世の中を見渡した際に、多くの企業が後継者不在に悩んでいることを強く感じ、この課題を解決できる可能性があると考え、M&A事業を開始しました。

実際に事業承継をしていく過程で、従業員の方々やオーナーさまから事業に対する強い想いをお聞きする機会が多くありました。当社では「『想い』をつないでいく事業承継」と表現していますが、本当に「想い」が詰まったものを次世代に残していくことが当社の強みであり、果たすべき責務でもあると考えています。

会社概要/主要数値

当社の主要数値です。ご説明は割愛します。

当社の主要製品群について

当社の主要製品群です。こちらは売上を基に日本標準産業分類に基づいて分類したものです。金属製品が売上の大半を占めています。

連結業績推移

連結業績推移です。2026年5月期は半期の数字ではありますが、いずれの指標も前期を大幅に上回っています。

企業ハイライト

当社の企業ハイライトです。

1点目に、追い風の事業環境が挙げられます。高齢化問題は構造的に日本の非常に大きな課題ですが、連続的に対応できる企業は限られています。直近の状況として、対処しきれないほど多くの引き合いをいただいています。

2点目に、当社は永続保有を前提としたM&Aを実施している会社です。そのため、事業が5年、10年、20年、30年といった長期的な競争優位を保てるかどうかが非常に重要です。

事業経営や事業のバリューアップに長けたメンバーを中心に据えることで、「製造業×事業志向」という独自のポジショニングを確立できていると考えています。

3点目は、独自のM&Aパイプライン強化です。直近の5件中3件は自社経由でのソーシングができています。これを踏まえ、今期からソーシングに専任の部隊を新たに配置しています。

仲介会社からの引き合いが非常に強い状態を継続していますが、当社が重点的に取り組んできた会社については、自社ソーシングチームなどを活用しながら進めています。

4点目は、当社は6年間で累計16件のM&Aを実行しており、しっかりとしたトラックレコードを積み上げています。上場後もしっかりと安定して取り組んでいきたいと考えています。Net Debt/EBITDA倍率は、投資が可能なレバレッジの上限として設定しています。

経営者の高齢化と後継者不在による事業承継問題

事業環境についてです。

日本の後継者問題には非常に大きな潜在的な可能性があると言えます。一方で、解決しなければならない課題も残されています。

中小製造業に注力する理由

当社が中小製造業に注力する理由です。

特に注目していただきたいのは、スライド中央のグラフです。全業種の平均開業率3.9パーセントに対し、製造業の開業率は1.5パーセントと、新規参入が難しく参入障壁の高い領域となっています。

この点については、グループ化をしっかりと進め、新たな成長戦略を見いだせると考えています。

主要メンバー

当社では中小企業の経営、生産管理、経営管理の実務を担ってきたメンバーを中心にチームを構成しています。

M&Aを得意とする会社では、財務やファンド関連のキャリアを持つ方々が多い印象がありますが、当社はバリューアップに非常にこだわって取り組んでいます。

セイワプラットフォームの概略図

セイワプラットフォームの概略図です。

後継者不足などの課題を抱える中小企業がグループに参画した際、その企業がすべての営業や製造機能を最大限に活用して成長しているケースはほとんどありません。そのため、各企業に必要な支援を必要な分だけ行うことで、補完的なM&Aを実施できると考えています。

また、これらの機能をホールディングスに集約することで、効率的に改善を図るという両方のアプローチで事業を推進しています。

収益力向上のためのベース戦略

収益力向上のためのベース戦略です。ご説明は割愛します。

収益向上の実例

収益向上が実際にどのように実現されているか、特にスライド左側の事例が興味深いと思いますのでご紹介します。

関東地区においては、A社、B社、C社が当社グループ会社となっており、主要なロケーションを押さえています。その結果、大手企業とタイアップすることで、材料仕入れの価格面でも競合する中小企業より安価に仕入れることが可能となっています。

また、さまざまなラインの特性に応じて、お客さまに一番近いところで一番良いかたちの工場を選定するといった取り組みも進めています。

現在は収益率と顧客満足度を両立する仕組みが整っている状態です。このような事例を今後さらに増やしていきたいと考えています。

当社のM&Aフロー

当社のM&Aフローです。一般的な検討の形式に比較的近い内容ですが、IM検討ではEV/EBITDA評価を用い、キャッシュフローを基にした指標で企業価値を評価しています。

セイワホールディングスの事業承継プロセス

実際の事業承継のプロセスです。

M&Aについては、原則として「モノづくり」および「モノづくりに関連する事業」を対象としています。当社は長期保有を行うため、オーナーさまとの価値観がしっかりと一致しているかを非常に重視しています。

デューデリジェンスでは、特定のキーマンやオーナーさまが中小企業において非常に重要な役割を担っている点に注目します。また、中小企業に特有の労務管理などの脆弱性がある場合には、過去の経験を活かし、しっかりとピンポイントで対応していきます。

PMIについては、複数の製造工場を預かっていますので、生産現場の安全対策を重視しています。すべてのベースとなる安全にしっかりと対策を講じながら、長期的に事業を継続できる仕組み作りに取り組んでいます。

事業承継における当社の強み

事業承継における当社の強みです。当社は、売却を前提としない株式保有を行っており、オーナーさまの多様なニーズにお応えできていると考えています。

投資対象として、ファンドや大手製造業ではなかなか手を出せないようなニッチな製造業が多数あり、そのような分野をしっかりとカバーできている点が特徴です。さらに、中長期の取り組みとして、ファンドなどではイグジットの期間が決まっている場合が多いのに対し、当社では長期を見据えた投資が可能です。

加えて、独自のプラットフォームやグループシナジー、中小製造業における豊富な実績、そしてM&Aの経験がある点も、当社の大きな強みとなっています。

当社ポジショニング

当社のポジショニングです。スライドには、他のロールアップ企業との比較を記載しています。

先ほどお話ししたとおり、我々自身が事業承継を自分たちで経験し、製造業を中心としたメンバーでチームを組んでいる点が大きな特徴だと思います。

M&Aの投資対象に関するクライテリア

こちらはM&Aの投資対象に関するクライテリアです。

独自の人材最適化システムを構築

独自の人材最適化システムについてです。

当社では中小企業のオーナーさまや、それを支えているキーマンがどのような属性を持つのかを分析し、その企業においてどのような人材を後継者に据えるべきかをパターンマッチングによって導き出すことを重視しています。

このプロセスを通じて、中小企業のM&Aにおける大きな変数を減らすことができると考えています。

撤退基準

撤退基準です。原則として当社は撤退しない方針ですが、急激な環境変化などに対応するため、クライテリアを設けています。

今後の成⻑ストーリー

今後の成⻑ストーリーについてご説明します。

1点目は、当社は経営プロセスの収益率に非常にこだわっています。前年同期比でも高い営業利益率の伸びを達成していると考えていますが、このようなプロセスをさらに浸透させることで、生産性を改善していきます。

2点目は、非常に優れた仲介会社からの案件に加え、自社ソーシングで新たな種をしっかりとまくことで、今後も継続的に高い成果を上げられるM&A体制を構築していきます。

3点目として、当社の強みであるプラットフォーム自体を強化していきます。

1 規律ある経営プロセスの浸透による収益性向上|継続的なバリューアップによって収益率を改善

売上総利益率および営業利益率についてです。こちらは一過性の要因で収益が上振れたものをすべて控除した実力値での数字です。

目論見書の数字では、営業利益率が20パーセントを超える結果となっていますが、修正後も18パーセントとなっており、製造業の平均と比較すると約3倍以上に達しています。

3 ⾼成⻑を⽀えるセイワプラットフォームの進化|⻑期的な成⻑に耐えうる⼈員体制の構築

継続的にM&Aを進める上で、どのような人員体制にするかが非常に重要です。

スライド左側に「②グループ経営担当の人材プール」と記載しています。この4名は新たに企業がグループに加わった瞬間に社長を務められるような人材です。当社内で抱えている人材であり、横断的にプロジェクトを担当しています。

今後新たに多くのM&A会社が加わっても対応できるよう、このプールを保持するかたちを考えています。

3 ⾼成⻑を⽀えるセイワプラットフォームの進化|⾮連続な成⻑を可能にするための財務規律

最後にバランスシートについてご説明します。本日、40数億円の吸収額をグループに入れており、Net Debt/EBITDAのほぼフラットに近い数字となっています。この結果、バランスシートは相当改善してきている状況です。

今後もEV/EBITDAは3倍から4倍の範囲でレバレッジをかけながら、安定的に株主のみなさまにしっかり応えられるよう成長していきたいと考えています。

私からのご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:上場初日のマーケット評価について

質問者:本日上場され、初値で公開価格が2パーセントほど下がった後、ストップ高となるような動きが見られました。このマーケットの評価について率直な感想をお願いします。

野見山:価格については、市場のみなさまから当社をご判断いただくものと考えています。その上で、しっかりとご評価いただき身が引き締まる思いです。

本日の価格はあくまでも一時的なものですが、今後も自社の企業価値をしっかりと高め、投資家のみなさまの期待に応えていきたいと考えています。

質疑応答:過去の撤退事例について

質問者:撤退基準についてうかがいます。原則は撤退しない前提で、撤退基準を設けて取り組んでいるとご説明がありました。これまで16社のM&Aを実施され、現在のグループ企業は14社ですが、すでにこの撤退基準に基づいて撤退した事例はありますか?

野見山:過去に撤退した会社が2社あります。このうち1社は撤退基準が策定される前にグループ間で合併し、もう1社は撤退基準策定後に売却した経緯があります。

質問者:その会社はどの基準に引っかかったのですか? 

井川:撤退基準2、3、4です。そのうち1社については、コロナ禍で事業環境が非常に急速に変化し、主要顧客の仕事が内製化される状況などがありました。規模が小さな会社だったため、グループ内で合併して事業を集約しました。

もう1社については、非常に業績が苦しい状況にありました。コロナ禍の影響でお客さまの設備投資が非常に冷え込み、グループとして注力し続けていくことは難しいと判断しました。当社の代わりとなる企業を探した結果、そちらのほうがより発展するだろうと考え、決断に至りました。

質疑応答:2027年5月期の成長イメージについて

質問者:2026年5月期の業績予想はすでに発表されていますが、2027年5月期の成長イメージについてお聞かせください。

井川:具体的な数値についてはこれから事業計画を策定するため、現時点で明確にお答えすることができません。

私たちは既存グループ会社の成長によるオーガニックな成長と、M&Aによる成長の2軸で進めています。投資家のみなさまのご期待に応えられる成長率を達成したいと考えています。その点を含めて、これから事業計画を策定していきます。

質疑応答:上場の目的について

質問者:あらためて、上場の目的についてお聞かせください。

野見山:今回の上場の目的は大きく3点あります。

1点目は、連続的なM&Aを可能にする経営基盤とブランドイメージの確立です。2点目は、企業成長を支える経営人材および管理人材の採用育成です。3点目は、高成長を支える財務基盤の強化と資金調達力の向上です。

質疑応答:M&A件数の水準について

質問者:M&Aについて年平均2.7件とお話がありましたが、今後もこの水準を維持していくお考えでしょうか?

野見山:過年度は年平均2.7件のM&Aを行ってきました。投資家さまも含め、当社の事業承継による社会貢献に期待が寄せられていることも理解していますので、今後もご期待に沿えるようしっかりと取り組んでいきます。

質疑応答:M&Aの注力領域について

質問者:M&Aの領域についてうかがいます。基本的にはシナジー効果が見込める金属製品や輸送⽤機械器具製造業などの領域だと思いますが、今後広げていきたい領域などがあればお聞かせください。

野見山:日本にはニッチで競争力のあるモノづくり企業が多数存在しますので、そのような会社を継続的に譲り受けていきたいと考えています。

注力分野については、現在グループ内にある領域が中心となるご理解で問題ありません。しかしながら、今後新たな注力市場を拡大していく可能性も十分にあると考えています。

質問者:具体的に検討している分野はありますか?

野見山:現時点では「ニッチな分野」という回答になります。

井川:もちろん社内的には明確に想定している領域はありますが、事業戦略上、回答を差し控えたい部分もあります。グループの構成などからご想像いただければと思います。

質疑応答:機関投資家から評価される点や強みについて

質問者:UntroD野村クロスオーバーインパクトファンドによる出資や、りそなグループが関心を表明するなど、国内を中心とした多くの機関投資家からの高い評価があったと思います。国内外の機関投資家が、御社のどのような点を評価しているとお考えでしょうか?

また、先行して上場した技術承継機構やセレンディップ・ホールディングスなどと比較した場合の強みや違い、御社独自の特徴について教えてください。

野見山:セレンディップ・ホールディングスおよび技術承継機構の2社は、間違いなく日本のモノづくりのロールアップにおいて基盤を構築してきた企業だと認識しています。彼らがマーケットをしっかりと整備してきたおかげで、当社も投資家の方々から銘柄として正当に認知されるようになってきたと考えています。

その中で、これは好みの問題ともいえますが、彼らはどちらかといえば金融系やファンド、会計士中心のチームアップで、既存のやり方を踏襲しながら、いわゆるファンド的な運営をされていると考えています。

一方、当社はハンズオンで深く関与し、その会社を成長させることに重点を置いており、ここに大きな強みと自信を持っています。その結果として、高い利益率および利益率の向上を実現できていると考えています。

質問者:機関投資家は、成長性や割安感がなければ投資は難しいという認識ではないかと思います。投資家にはどのような説明をされているのでしょうか?

野見山:日本の構造的な社会課題である事業承継については、投資家のみなさまも解決していく必要があるという思いをお持ちなのではないかと考えています。

特にUntroD野村クロスオーバーインパクトファンドは、社会的な意義を非常に重視する機関投資家です。その点が投資判断において重要な要素になったのではないかと推察しています。

また、当社が安定的なトラックレコードをしっかりと積み上げてきたことや、製造業のバリューアップにおいて結果を出していること、今後も同様のM&Aを実施できるだけのマーケットの成長性があり、その上でバリューアップを実現できることが機関投資家に評価されているのではないかと推察しています。

マーケットの中では、いわゆるM&Aロールアップといった手法が成長銘柄群のような指標として認識されつつあると考えています。それと比較して、割安か割高かを投資家さまが判断するような状況になってきたのではないかと考えています。

質疑応答:M&A戦略と財務とのバランスについて

質問者:上場前のM&Aでは借入金を活用されていたかと思います。一方、上場により資金調達を実施され、財務状況も改善したというお話もありました。今後はM&Aに関して、年平均の2.7件からさらに増やしていくお考えでしょうか? 財務とのバランスも含めてお聞かせください。

野見山:今回、市場からしっかりと資金を調達しました。目論見書や「事業計画および成長可能性に関する事項」に記載されているように、すべてM&A待機資金として充当する方針です。明確にその金額をM&Aに使用する意思表示だとご理解いただければと思います。

また、当社ではEV/EBITDAが5倍以内の企業を買収するという財務規律を設けていますので、それを5で割った水準程度のEBITDAは毎年最低限積み上げるとお考えいただいてよいと思います。

おっしゃるとおり、財務については非常に充実し、一定程度整ったバランスシートになってきています。このバランスシートをしっかりと活用し、成長していきたいと思います。

また、今回はエクイティでそれなりの比率で資金調達を行っているため、短期的にはエクイティに過度に依存せず、借入金を中心とした財務戦略を進めていきたいと考えています。

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