■リンクアンドモチベーション<2170>の事業概要
(2) 個人開発Division
個人開発Divisionは、キャリアスクール事業、学習塾事業からなっている。「モチベーションエンジニアリング」をこれらの事業にも適用し、組織から選ばれる個人(アイカンパニー)創りを支援する。目標設定から個人の課題把握、学習プランの策定・実行までをカバーするワンストップ・サービスが特徴である。
a) キャリアスクール事業
キャリアスクール事業は、全国の事務従事約1,175万人と大学在学者数約297万人をターゲットとする。パソコンスクールの「AVIVA」、資格スクールの「DAIEI」、外国語スクールの「ロゼッタストーン・ラーニングセンター」「ロゼッタストーンPremium Club」及び「ハミングバード」の5つのサービスを通じ、IT・資格・語学といったスキル開発講座や資格取得講座を提供している。個人の課題診断とその結果をもとにした継続的な学習支援が、同事業の強みである。
b) 学習塾事業
学習塾事業は、中学受験を目指す小学生を対象にした個別指導学習塾「SS-1」と、学習を通じてキャリア意識を育みたい中学生・高校生を対象とした「モチベーションアカデミア」を、通学・オンラインの両形態で運営している。
現在、同社ではモチベーションエンジニアリングを応用した指導メソッド「モチアカ式」を導入し、受講者ひとりひとりの特性に応じた指導による学習意欲の向上と学習習慣の定着を進めている。
(3) マッチングDivision
マッチングDivisionは、ALT配置事業と人材紹介事業から構成され、組織と個人をつなぐ機会を提供している。「モチベーションエンジニアリング」を適用し、企業や自治体が求めるスキル要件にとどまらず、データをもとに個人の特性と企業とのマッチングを可能とする「フィッティング」を行い、定着率の高いマッチングができることが優位性となっている。
自治体ニーズに応える、英語教育支援の民間トップシェア事業
a) ALT配置事業
ALT配置事業は、5万校を超える全国の小・中・高等学校へのALTの派遣、及び英語指導の請負をサービスとして提供している。海外拠点から直接ALTを採用し、独自プログラムにより育成することで、質の高いALTの派遣を通じた英語教育支援が強みである。さらに、全国展開を通じて教育現場から情報を収集し、自治体ニーズに応じた支援も特徴となっている。
JETプログラムや直雇用などを含む全体において、2025年の同社のシェアは22.2%と民間企業の中でトップシェアを誇る(民間企業内でのシェアは48.8%)。本事業は顧客との信頼関係や実績が重視される参入障壁の高い事業であり、同社の優位性は強固だ。なお、同社のALT配置学校数は2025年12月末時点で約6,900校にのぼっている。
国内最大級のクチコミ基盤を生かす人材紹介プラットフォーム
b) 人材紹介事業
人材紹介事業は、国内の労働力人口約7,000万人※1を対象とし、子会社のオープンワークを中心に求職者と企業のフィッティング※2を支援している。具体的には、国内最大級の社員クチコミ情報プラットフォーム「OpenWork」や、企業向け採用支援サービス「OpenWorkリクルーティング」、新卒採用支援の「エージェントリクルーティング」といったサービスを提供している。
※1 総務省統計局「労働力調査(基本集計)2025年(令和7年)平均結果」より。
※2 従来のスキルをベースにしたマッチングだけではなく、求職者の性格などのタイプも考慮することによって実現する、定着率の高いマッチングのこと。
「OpenWork」では、他のユーザーによって投稿された社員クチコミ、評価スコア、月間残業時間などの数値データから会社の評判を調べることができ、有価証券報告書などのディスクロージャー資料のデータなども参照できる。これらの情報から、ユーザーは多様な観点から会社の分析を行い、転職や就職に生かすことが可能となっている。収益源は、「ユーザーによる有料会員登録」と「提携しているサービス運営企業からの紹介料」の2つである。2025年12月末時点で、「OpenWork」の累計登録ユーザー数は約775万人、累計社員クチコミ・評価スコア数は約2,060万件となっている。
「OpenWorkリクルーティング」は、サービス利用企業(求人企業、採用代行会社、人材紹介エージェント)による求人情報の「OpenWork」への掲載と、「OpenWork」を利用している求職者へのスカウトメール送信を可能とする企業向けサービスである。求職者は「OpenWork」に掲載されている社員クチコミや各種データから求人企業の深い理解を得られるため、ミスマッチの低減や入社後の定着率向上が図れる点に強みがある。収益源は、「サービス利用企業からの成功報酬」と「一定期間の求人掲載費用」である。2025年12月末時点で、契約社数は4,400社となっている。
3. ベンチャー・インキュベーション
同社はリーマンショック後の2013年から、セグメント区分の各Divisionとは別にベンチャー・インキュベーションを展開している。出資に加え、当社グループの組織人事コンサルティングのノウハウ等を提供し、上場を目指す成長ベンチャー企業を組織面からも支援している。同社はこれまでに28社に投資し、12件のイグジットに成功している。イグジットによる売却益などは、連結損益計算書のその他の収益・その他の費用に計上されている。
ベンチャー・インキュベーションの最大の特徴は、一般的な投資ファンドと異なり、資金だけではなく同社が培ってきた組織人事コンサルティングのノウハウを注ぎ込み、「組織面」からベンチャー企業を総合的に支援する点だ。自己資本で投資を行うため、短期的な利益創出を絶対条件とはしておらず、未上場の段階から経営者と一心同体となって「組織づくり」を進める。投資における主な判断基準は、「“モチベーションカンパニー”創りへの共感」と「株式上場を目指していること」の2点。現在は「AI」「ディープテック」「ソーシャルテック」の3領域を重点分野として投資と支援を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 西村 健)
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