クロスキャット<2307>
次に、当社が注力するデータ活用領域を取り巻く市場環境についてご説明いたします。ご覧の通り、世界のデータ量はこの10年で約11倍に増加し、企業活動におけるデータの重要性は飛躍的に高まりました。加えて、データ活用の対象も、従来の業務管理や可視化にとどまらず、AI利活用による需要予測やリアルタイムな意思決定、経営判断の高度化へと広がっています。今やデータは企業活動にとって必要不可欠な経営資源と言えます。
重要なのは、データ活用は景気に左右されにくい構造的な投資になっている点です。当社は、このDX市場の中でも、日々の業務の中で発生する膨大なデータが蓄積される基幹・社会インフラ領域、それを主戦場としております。つまり、データ活用やAIの利用が本格化すればするほど、最も恩恵を受けやすいポジションにいるということです。
このようにデータ活用が重要性を増す中で、当社がどのようなアプローチで事業を展開しているかのご説明をいたします。当社の強みは、業務理解を起点にデータ活用を継続的な成果へと発展させる点にあります。スライドの左側が、当社のビジネスの基盤となる業務ノウハウになります。当社は、金融や公共などの社会インフラ分野を中心に、日々の業務の中で発生する膨大なデータが蓄積される基幹システムの設計、運用を長年担ってきました。こうした現場で培った業務ノウハウをもとに、右側のデータ活用へと取り組みを広げています。業務理解に基づく高品質なデータ基盤を構築できるからこそ、BIやAIといった高度なデータ活用を現場に定着させることができます。ここが、データ分析専門企業や一般的なSIer、SaaS企業との決定的な違いと言えます。
こうした考え方を体系化したものが、当社独自のDX推進支援フレームワーク「CC-Dash」です。CC-Dashでは、業務データの整備からBI、分析、AIへと段階的に取り組みを広げ、お客様のデータから新たな価値を生み出し、ビジネスの最大化に貢献しています。その結果、案件の領域や規模が拡大し、持続的な事業成長につながっています。続いて、この事業成長を支えている当社の総合力と仕組みについて説明します。
こうした事業アプローチを実行できている背景として、当社ならではの強みと体制があります。当社は独立系SIerとして、特定の製品や資本系列に縛られない立場で事業を行っています。そのため、業界やツールを問わず、お客様にとって最適なデータ利活用の組み合わせを提案できる点が当社の強みです。厳しい品質基準を求められる金融や公共領域において、複雑な業務ノウハウを理解し、長年開発・運用実績を積み重ねています。また、医薬、小売、外食、医療など幅広い業種でのデータ活用実績が、業種横断での業務ナレッジの蓄積に寄与しています。
結果として、当社はデータの発生から利活用まで対応できるワンストップの総合力で、他社とは異なったポジショニングを取れています。幅広い需要に対応していることで、景気耐性の高い成長につながっています。
次に、こうした強みと体制がどのように当社の持続的な成長につながっているのかをご説明いたします。当社の成長は、新規顧客の獲得だけに支えられているわけではありません。より安定的かつ持続的な成長を実現できているのは、既存顧客との長期的な関係深化です。当社は、単なるデータ活用支援にとどまらず、その源泉となる業務・基幹システムの設計・構築段階から関与することで、お客様の業務に対する深い理解と高品質なデータ蓄積を実現しています。さらに、蓄積されたデータを活用し、高度な分析やAI活用へと展開することで、提供価値を継続的に高度化しています。
その結果、案件は単発で終わることなく、単価・支援領域・取引期間の拡大へとつながる成長サイクルを形成しています。こうした循環モデルにより、この5年間で年間1億円以上の顧客数は1.8倍に増加するなど、当社の成長性と安定性をさらに高めています。新規顧客の獲得力に加え、既存顧客の成長を支えるこの循環モデルこそが、当社の構造的かつ持続的な成長基盤です。
こうした成長モデルが実際のビジネスの現場でどのように実現されているのか、最後に具体的な事例をご紹介します。いずれの事例も、基幹システム開発に基づく業務ノウハウを起点に、データ活用支援に展開している点が共通しています。
まず、既存のお客様であるライフカード株式会社様の取り組みをご紹介します。金融領域の事例となりますが、顧客交渉履歴システム刷新プロジェクトにおいて、オンプレミス環境からクラウド環境への移行を支援しました。当社は長年にわたり本システムの保守を担当し、安定稼働に貢献してきました。こうした実績に加え、現行システムへの高い理解度を活かし、クラウド移行に伴うリスクを最小化できる提案が評価され、今回の受注につながっています。今回の刷新の結果、レスポンスタイムを従来の7分の1に短縮するなど、業務の迅速化、効率化に大きく貢献しています。数十億件規模のデータを扱うプロジェクトでしたが、綿密な計画と技術力により、障害発生0でのリリースを実現しました。これにより、業務データを継続的に活用できる基盤が整っています。
次に、新規のお客様となる独立行政法人家畜改良センター様の取り組みをご紹介します。公共領域の事例となりますが、個体識別台帳電算システムの刷新プロジェクトです。約20年にわたり運用されてきたシステムを、クラウド移行と併せて統合データベースおよびWebシステムを構築いたしました。当社のオラクル・クラウド・インフラストラクチャー(OCI)の構築や統合データベース構築における豊富な実績を活かした提案が評価され、今回の受注につながっています。今回の刷新により、データの一元管理と業務効率化、高度化を実現するとともに、食の安全、安心を支える社会インフラとして、将来的な拡張性や保守性の向上も図っています。
このように、当社は、金融・公共領域を中心に、業務データの正確性と継続性を前提とした基盤整備を通じて、業務高度化と価値創出を実現しています。こうした事例の積み重ねが、当社の顧客成長モデルの再現性を支えています。
株式会社クロスキャット:2026年3月期決算説明会文字起こし(4)に続く
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