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新興市場見通し:IP(知的財産)やインフレ進行が切り口に、生成AI・防衛関連株には調整リスク

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■新興市場銘柄は利益確定売りに押される

今週の新興市場は下落。米国とイランの戦闘終結に向けた交渉に対する楽観的な見方を背景に、日経平均は5月29日に取引時間中の最高値を更新し、先週末比4.72%高と急騰した。一方、グロース市場指数は同-1.32%、グロース250指数は同-1.20%と、ともに2週ぶりに下落。プライム市場の生成AI関連の超大型銘柄に人気が集中し、新興市場銘柄は利益確定売りに押され気味だった。時価総額最上位グループの銘柄を算出対象とするグロース市場コア指数は同+4.09%と2週連続で上昇した。

時価総額上位銘柄では、MTG<7806>が先週末比20.58%高と大幅に値上がりした。大手証券による目標株価の引き上げが買いを呼び、週末にかけて連日、年初来高値を更新した。データセクション<3905>は、5月15日の決算開示で26年3月期の黒字転換と27年3月期の営業利益7倍予想が判明して以来、買い人気が続き、来週は同27.92%高で上場来高値を更新した。一方、時価総額が最も大きいパワーエックス<485A>は同10.00%安。信用取引の増担保措置を嫌って、週末にかけて利益確定売りが優勢となった。

その他、HPCシステムズ<6597>が週末まで7営業日続伸し、同50.45%高で上場来高値を更新した。同社は科学技術用の最先端コンピューターを開発しており、政府が量子コンピューター支援策を打ち出すとの思惑から買いが先行した。半導体製造装置の部品を扱うTMH<280A>は、プライム市場での生成AI株人気が波及し、同5割高に迫る急伸となった。一方で、アーキテクツ・スタジオ・ジャパン<6085>は同3割安超で、年初来安値を更新した。注文住宅を提供する同社は、ナフサ不足による工事遅延など事業の停滞が懸念された。

■上値を追ってきた銘柄の手じまい売りが波及するリスクに留意

来週の新興市場は、直近の人気セクターである防衛関連株や生成AI関連株が調整に入る一方、キャラクターグッズなどIP(知的財産権)やインフレ進行といった切り口で幕間をつなぐ展開が予想される。売り優勢の今週末の相場にあって、クレーンゲーム景品の北米展開を材料に値上がりしたGENDA<9166>や、動画配信やゲームのカバー<5253>の活況が期待される。物価高による所得環境悪化を受けて、すき間バイトのタイミー<215A>、出張買取のBuySell Technologies<7685>などの動意も予想される。

一方、今週末はパワーエックス、QDレーザー<6613>などの生成AI・半導体関連株や、アストロスケールホールディングス<186A>、Synspective<290A>をはじめとする人工衛星関連株が一斉に値下がりした。パワーエックスは、5月11日の上場来高値比3割安の25日移動平均線割れで取引を終え、調整色を強めた。来週も下落が続けば、同時期に上値を追ってきた銘柄にも手じまい売りが波及するリスクに留意が必要となろう。

来週もIPOを予定する企業はない。なお、今週は東証が5月27日、ネイス<589A>の新規上場を承認したと発表した。6月30日にグロース市場に上場予定。子ども向け体操教室や児童発達支援、放課後デイサービス施設を運営し、政府が進める少子高齢化対策の関連銘柄と位置付けられよう。6月のIPOは、14日上場予定のタクシー配車アプリ大手のGO<581A>、23日上場予定の金融機関向けシステムのLiNKX(リンクス)<584A>に続いて3社目。業態が重ならないことに加え、銘柄数が少ないため、良好な需給が期待できそうだ。

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