fbpx

株価急騰「浜松ホトニクス」まだ上がる?長期投資家が知るべきAI半導体特需の裏側と投資リスク=元村浩之

「惜しいポイント」と足元のリスク

ここまでポジティブな側面を中心に解説してきましたが、株式投資家として冷静に見るべき「足元の現実」もあります。
実は同社の業績は、2023年度をピークに一旦落ち込んでいました。

2026-05-29-14.28E381AEE794BBE5838F.png

出典:マネックス証券

これがこれまでの株価停滞の主な要因でした。

原因は、コロナ禍における「過剰在庫」です。
コロナ禍での物流混乱を恐れた医療・バイオ業界の顧客が、同社のデバイスを必要以上に前倒しで調達したため、物流が回復した後に深刻な在庫調整が発生したのです。
つまり、これまでは「実需(実際に使われている量)」よりも「発注」が極端に減っていた時期でした。
また、電気自動車(EV)市場の減速も、同社の車載用センサー需要に影響を与えています。
同社は良くも悪くも外部環境に左右されやすい「部品メーカー」の側面を持っていることは忘れてはなりません。

バリュエーションと「夢の現実味」

しかし、今回の決算でついに「在庫調整の一巡」が宣言されました。
ネガティブな要因が底を打ち、そこにAI需要という強力なプラスアルファが乗ってきたことが、今回の株価反発の正体です。

現在のPERは約52倍、PBRは2.6倍に達しています。
同社の過去の通常水準が30〜35倍程度であったことを考えると、足元の数字はかなり「AIへの期待値」が先取りして盛り込まれた状態です。
これを「割高」と見るか、あるいは人類の最先端技術を影で支える「未来モンスター企業」への適切な対価と見るかは、投資家の視点が問われるところです。

浜松ホトニクスは、研究開発型企業のロマンを体現する存在です。
人類が未知の領域(AI、量子)へ進もうとする時、その足元を「光」で照らし続ける黒子のようなこの会社は、これからも世界の最先端を支え続けることでしょう。
この夢が現実味を帯びてきた今、調整局面や下落局面は、長期投資家にとって非常に興味深い「仕込み時」になるかもしれません。


YouTubeでも詳しく解説しておりますのでそちらもぜひご覧ください。


つばめ投資顧問は、本格的に長期投資に取り組みたいあなたに役立つ情報を発信しています。まずは無料メールマガジンにご登録ください。またYouTubeでも企業分析ほか有益な情報を配信中です。ご興味をお持ちの方はぜひチャンネル登録して動画をご視聴ください。

※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取り扱いには十分留意してください。

【関連】なぜバフェットは「守り」に入る?現在の株価は高すぎ?長期投資家が注視すべき市場のシグナル=栫井駿介

image by: VGV MEDIA / Shutterstock.com
1 2

バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2026年6月6日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

無料メルマガ好評配信中

バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問

[無料 ほぼ 平日刊]
【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー