酉島製作所<6363>
■決算を受けてのフィスコアナリストコメント
・同社は1919年創業の老舗ポンプ専業メーカーであり、上下水道、発電所、海水淡水化施設などの社会インフラを支える大型・高圧ポンプに強みを有する。造水量世界トップ20の海水淡水化プラントのほぼすべてにポンプを納入し、海水淡水化プラント向けポンプでグローバルニッチトップ(GNT)企業であり、海水淡水化市場向け高圧ポンプメーカーとして世界No.1の地位を維持している。
・また、2026年2月10日には住友重機械工業より新日本造機の株式100%を取得することに合意。新日本造機は、石油化学分野を主軸に蒸気タービンおよびポンプの設計・製造からアフターサービスを展開する、世界屈指の技術力を持つメーカーとなる。信頼性と実績が最優先されるエネルギー市場において、新日本造機の世界的なブランド力は強力な武器であり、同社のポンプ販売網へのクロスセルが可能となる。水市場に加え、成長余力の大きいオイル&ガス分野への参入加速が期待される。蒸気タービンは法定点検が義務付けられており、極めて安定した高収益のアフターサービス需要も見込めよう。
・2026年3月期の売上高は前期比7.4%増の92,927百万円、経常利益は同14.6%増の5,204百万円となった。海水淡水化市場の需要が若干減少した中、電力市場への注力により、売上高は過去最高を達成した。生成AIの爆発的な成長により、データセンター向け電力需要が急増しており、北米で大量の受注を獲得している。配当は予想62円から63円へ引き上げとなった。
・2027年3月期は、売上高で前期比2.8%増の95,500百万円、経常利益で同15.4%減の4,400百万円が見込まれている。経常利益の減益は為替差損益の影響が大きいものの、受注高・売上高ともに過去最高を見込む。中東情勢の不確実性により新規プロジェクト受注遅延リスクを踏まえて受注高で96,000百万円から90,000百万円への下振れの可能性もあるとされているが、現時点で全般的な影響は限定的。現地でのサービスサポート体制は引き続き万全であり、取組案件の納品にも影響はでていないようだ。また、本業績見通しには、7月1日にクロージング完了予定の新日本造機の業績予想は含まれていないため、業績見通しの見直しが見込まれる。1株当たり配当は、前期比1円増の64円が計画されている。
・足もとの株価は調整しているが、株価の割安感や中長期の方向性に大きな変化はない。2029年度に向けて「売上高1,000億円、営業利益率100億円、ROE10.0%」を目標に掲げる。なお、新日本造機のM&Aが順調にクロージング(7月1日予定)されれば中期経営計画の見直しも予定されている。配当については純資産配当率(DOE)3.0%および連結配当性向35%を目安に実施する方針。
株式会社酉島製作所:2025年度(2026年3月期)決算説明会文字起こし(2)に続く
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