■プロディライト<5580>の業績動向
1. 2026年8月期中間期の業績概要
2026年8月期中間期の業績は、売上高1,524百万円(前年同期比15.4%増)、営業利益21百万円(同63.3%減)、経常利益19百万円(同65.7%減)、親会社株主に帰属する中間純損失18百万円(前年同期は中間純利益31百万円)と、期初予想に対して売上高で103百万円、営業利益で78百万円の未達となった。取次販売事業の苦戦によりやや厳しい決算となったが、主力の音声ソリューション事業が順調に推移した点は安心材料と言えよう。
日本経済は、雇用・所得環境の改善や企業による継続的な賃上げ、インバウンド需要の回復、さらにはIT投資を含む設備投資の増加を背景に、全体として緩やかな回復基調を維持したが、米国の通商政策の先行き不透明感、台湾情勢を巡る日中関係の緊張、並びに中東情勢の緊迫・長期化への懸念に伴う原油価格の上昇など、景気の下押し要因が増加しており、今後の動向について注視すべき状況が続いている。業界環境については、働き方の多様化やオフィス環境の変化、企業のBCP対策の強化を背景に、クラウドPBXとIP電話サービスの市場は引き続き好調を維持した。移動体通信の設備投資市場は、5G基地局の面的な整備が一巡するなかで受注競争が激化した。光回線取次市場は、競争環境の変化を背景に厳しい経営環境が続いた。
こうした環境下、サービス提供開始以来着実に販売実績を重ねてきた音声ソリューション事業(単体)が売上高をけん引し、全体で2ケタ増収となった。売上総利益率は順調の単体で向上したが、子会社NNコミュニケーションズの取次販売事業の業況が厳しかったため全体で低下した。販管費はM&Aや人員増など成長投資に伴って売上高を超える伸びとなった。これにより営業利益は減益となり、単体が好調で税額が相応だったため、親会社株主に帰属する中間純損失を計上した。期初予想比で売上高及び営業利益が未達となったのは、NNコミュニケーションズの光回線取次事業の苦戦が要因である。
音声ソリューション事業は順調、取次販売事業が不振
2. セグメント別の動向
セグメント別の業績は、音声ソリューション事業が売上高1,308百万円(前年同期比15.8%増)、営業利益299百万円(同0.5%増)、移動通信設備事業が売上高187百万円(同28.5%増)、営業利益11百万円(同831.7%増)、取次販売事業が売上高28百万円(同36.7%減)、営業損失19百万円(前年同期は営業利益1百万円)だった。主力の音声ソリューション事業と移動通信設備事業が順調に推移する一方、取次販売事業が苦戦した。
音声ソリューション事業は、顧客のDX需要が堅調だったことに加え、販売代理店制度「パートナープログラム」の効果が顕在化したことから、新規顧客に加え既存顧客の事業拡大や拠点追加の案件も確保し、「INNOVERA」のアカウント数が52,952アカウント(前年同期比18.5%増)と順調に増加した。これに伴い、「IP-Line」の総チャネル数も77,391チャネル(同4.0%増)と増加した。また、解約率は目標を下回る1%以下をキープ、リカーリング売上高比率も82.2%と上昇トレンドを続け、継続利用社数が2,000社を超過した。さらに、こうした順調な「INNOVERA」に関して導入企業を対象に意識調査を行い、調査をもとに顧客が電話に求める信頼性や安心感に重きを置いた使い勝手の良いサービスとわかりやすさを実直に追求した。電話振り分けシステムの「Telful」では、IVR(音声自動応答)機能の大幅グレードアップを図り、引き続き顧客の業務省力化や利便性向上に取り組んだ。
販売面では、社員数1,000名を超える三菱オートリース(株)や全国に230店超を有するユナイテッドアローズ<7606>が「INNOVERA」の導入を決定した。また、大手パートナーである大塚商会が「たよれーる」ブランドで「INNOVERA」の提供を開始し、問い合わせが従来の7倍に増えるなど顧客基盤と販売網の拡大が着実に進んだ。大塚商会が推奨する製品・サービスを紹介する「実践ソリューションフェア2026」へも出展し、さらに、マイクロソフト認証機でもあるYealink製端末の販売好調、様々に利用できるWeb会議用大型ディスプレイ「MAXHUB」の受注獲得など「INNOVERA」以外も堅調に推移した。この結果、売上高は大幅増収となったが、広域営業部やカスタマーサクセス推進部の新設など組織強化(人材は子会社からの異動)の費用もあって営業利益は微増にとどまった。
移動通信設備事業では、楽天モバイルの移動体通信基地局自社化や6G(第6世代移動通信システム)立ち上げに向けた動きもあり、移動体通信基地局の設計・施工・コンサルティングなどを安定的に受注し、人的制約はあるものの大幅増収・大幅増益となった。取次販売事業は、キャリア各社による販売施策の変更に伴う手数料水準やインセンティブ条件の低下、光回線市場の新規需要の伸びが鈍化するなかでの通信事業者やISP(Internet Service Provider)による直販の強化、検索エンジンの仕様変更への対応が遅れたことによる集客力の低下、獲得件数が縮小したことによるボリュームインセンティブの剥落といった要因により業況が悪化した。加えて、こうした流れが負のスパイラルとなり、さらに立ち上げ期だったこともあってOmniGridから譲受した小規模企業向け事業の業務委託も負担となり、大幅減収・赤字転落となった。これが中間期の全体業績が減益・未達となった主因である。しかし同社は、子会社の本社移転や人員の単体への異動、業務委託費の削減といった策を既に講じており、2026年4月以降同事業は黒字化したようである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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