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クエスト Research Memo(5):顧客のIT投資需要は旺盛、2026年3月期は過去最高業績を更新(1)

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■クエスト<2332>の業績動向

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の業績は、売上高で前期比19.2%増の17,807百万円、営業利益で同3.4%増の1,091百万円、経常利益で同3.7%増の1,152百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同4.3%増の800百万円となった。売上高は13期連続、営業利益は8期連続で過去最高を更新した。

売上高については、2025年4月に子会社化したセプトの連結効果に加え、半導体製造分野におけるシステム開発案件の拡大、金融分野におけるシステム開発案件の増加、公共・社会分野におけるインフラサービス案件の拡大などが寄与した。顧客産業ポートフォリオの各領域がバランスよく成長したことに加え、セプト連結化により金融・情報通信分野を中心とする安定成長領域が伸長し、増収をけん引した。

利益面では、増収効果や業務改善効果により収益は拡大したものの、人材投資やソリューション開発投資を継続したことに加え、創立60周年関連費用やセプト子会社化に伴うのれん償却費及び内部統制強化費用などの一時的なコストが発生した。この結果、営業利益は増益を確保したものの、営業利益率は前期の7.1%から6.1%へ低下した。同社はこれらの一時的要因を除いた実力ベースの営業利益を1,161百万円と説明しており、収益力そのものは維持している。

また、2026年3月期は中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)の2年目にあたり、半導体関連需要の取り込みやセプトとのPMI推進を通じて事業基盤の強化が進んだ。一方で、同社は利益率の低下を重要課題と認識しており、今後はソリューションビジネスの拡大、価格転嫁の推進、人材・技術投資の高度化を通じて収益構造の転換を進める方針である。

セプト連結効果により安定成長領域の構成比が拡大する

2. 顧客産業別売上高の動向
顧客産業ポートフォリオを見ると、重点強化領域(半導体、製造)は46%、安定成長領域(金融、エンタテインメント、情報通信)は42%、社会課題解決領域(公共・社会、移動・物流、ヘルスケア・メディカル)は11%となった。前期の2社連結ベースと比較すると、セプト連結効果により安定成長領域の構成比が38%から42%へ上昇した一方、重点強化領域は48%から46%へ低下したが、金額ベースでは引き続き高い成長を維持している。同社は特定業界への依存を避けた顧客産業ポートフォリオを構築しており、各領域がバランスよく成長したことが過去最高売上の更新につながった。

3. 財務状況と経営指標
2026年3月期末の資産合計は前期末比538百万円増の10,356百万円となった。流動資産は現金及び預金が273百万円減少したことなどにより同242百万円増の7,364百万円となった一方、固定資産は同295百万円増の2,991百万円となった。固定資産の増加は、主として2025年4月に子会社化したセプトに関連するのれんや顧客関連資産の計上によるものであると考えられる。

負債合計は前期末比333百万円増の2,898百万円となったが、純資産合計も同205百万円増の7,458百万円となった。この結果、自己資本比率は前期末の73.9%から72.0%へ1.9ポイント低下したものの、依然として70%を超える高い水準を維持している。M&A実施後においても強固な財務基盤を維持している点は評価できる。

資金効率の面では、現預金回転期間が前期末の2.7ヶ月から2.1ヶ月へ改善した。現金及び預金残高は減少したものの、売上高が大幅に拡大したことで資金効率が向上しており、事業規模拡大に伴う資産効率の改善がうかがえる。

収益性指標については、売上高営業利益率が前期の7.1%から6.1%へ1.0ポイント低下した。これは創立60周年関連費用やセプト子会社化に伴うのれん償却費、内部統制強化費用などの一時的なコスト発生に加え、人材投資やソリューション開発投資を継続したことが影響している。もっとも、営業利益は8期連続で過去最高を更新しており、同社は一時的要因を除いた実力ベースの営業利益を1,161百万円と説明していることから、収益力そのものが低下しているわけではない。

一方、自己資本利益率(ROE)は10.9%と前期と同水準を維持した。自己資本比率70%超という極めて健全な財務体質を維持しながらROE10%超を確保している点は評価できる。同社は資本コストを9%程度と認識しており、ROEはこれを上回る水準で推移している。今後はソリューションビジネス拡大や価格転嫁の推進による利益率改善が進めば、さらなる資本効率向上も期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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