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ムサシ Research Memo(3):2026年3月期は2度の国政選挙、東京都議会選挙で前期比39.4%の営業増益

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■業績動向

1. 2026年3月期の業績概要
ムサシ<7521>の2026年3月期の業績は、売上高40,586百万円(前期比8.5%増)、営業利益4,677百万円(同39.4%増)、経常利益4,716百万円(同0.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,803百万円(同18.3%減)となった。

売上総利益率は29.0%となり前期比0.4ポイント上昇した。これは、前期の国政選挙が衆議院選挙の1回のみであったのに対し、2026年3月期では東京都議会選挙に加えて参議院選挙と衆議院選挙が実施され、収益性の高い選挙システム機材の売上比率が上昇したためである。この結果、増収に伴い売上総利益は同10.3%増の11,778百万円となった。一方で、販管費は、経費を抑制したことなどから同3.0%減となり、営業利益は大幅増益となった一方で、経常利益は前期に計上した持分法による投資利益(営業外収益)1,276百万円が消失したことから減益となった。また、親会社株主に帰属する当期純利益は税金などの影響により減益幅が拡大した。

設備投資額(有形固定資産及び無形固定資産)は786百万円(前期は242百万円)に拡大しており、主に自治体の情報システム標準化対応に伴う、選挙システム向けオンラインサポートセンターや選挙用業務管理ソフトなど選挙関連システム投資を中心に設備投資が増加した。なお、減価償却費は429百万円(同395百万円)となった。研究開発費は235百万円(同532百万円)であり、標準化対応を含む選挙システム機材やデジタル化ソリューションの開発費用が中心となっている。

注力している文書のデジタル化事業の売上高は、大口案件が一巡した影響で3,441百万円(同32.8%減)にとどまったものの、これは期初想定の範囲内となった。もう1つの注力商品である「ミクロフィルター」の売上高は、半導体業界向けを中心とした工業用が堅調に推移したことから775百万円(同5.9%増)となった。

2. セグメント別業績
(1) 情報・印刷・産業システム機材セグメント
セグメント売上高は17,782百万円(前期比5.3%減)、セグメント利益は12百万円(同98.5%減)となった。高収益の文書のデジタル化事業が減収となった影響などにより、大幅減益となった。

a) 情報・産業システム機材
情報・産業システム機材の売上高(単体ベース)は、8,048百万円(前期比6.5%減)となった。スキャナー等の電子化機器や業務用ろ過フィルター、工業用検査機材の販売、LTOテープなどは堅調に推移した。しかし注力する文書のデジタル化事業は、官公庁・自治体の大口案件が終了したことにより売上高は3,441百万円(同1,677百万円減、同32.8%減)と大幅な減収となったものの、これは期初想定の範囲内となった。

b) 印刷システム機材
印刷システム機材の売上高(単体ベース)は、7,168百万円(同5.3%減)となった。印刷機器、印刷材料ともに需要が低迷し、販売は低調となった。

(2) 金融汎用・選挙システム機材セグメント
セグメント売上高は13,880百万円(同47.5%増)、セグメント利益は4,315百万円(同102.6%増)となった。

a) 選挙システム機材
選挙システム機材の売上高(単体ベース)は12,014百万円(同67.1%増)となった。東京都議会選挙に加えて参議院・衆議院選挙が実施されたことで、投票用紙交付機や投票用紙読取分類機などの販売が伸長した。さらに、投開票管理システムの販売やサポート業務の受注も堅調に推移した。

b) 金融汎用システム機材
金融汎用システム機材の売上高(単体ベース)は1,796百万円(同15.9%減)となった。セキュリティ機器や金融機関の集中部門向けシステム機器販売は堅調に推移したが、貨幣処理機器の販売は前期の新紙幣の更新需要の反動で低調に推移した。

(3) 紙・紙加工品セグメント
セグメント売上高は8,625百万円(同3.0%減)、セグメント利益は133百万円(同24.4%減)となった。医薬品や化粧品向け紙器用板紙の販売は順調に推移したものの、印刷用紙や情報用紙の販売が低調であったことから減収となり、セグメント利益も減益となった。

(4) 不動産賃貸・リース事業等セグメント
セグメント売上高は297百万円(同0.7%減)、セグメント利益は214百万円(同0.6%減)となった。

■今期の見通し
2027年3月期は大型選挙がなく大幅減益を予想。成長に向けた開発投資を実施
2027年3月期の業績は、売上高33,959百万円(前期比16.3%減)、営業利益596百万円(同87.3%減)、経常利益732百万円(同84.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益391百万円(同86.1%減)と予想されている。大型の国政選挙が予定されていないことから、大幅減益を予想している。

2027年3月期は大型選挙の一服により大幅な減益を予想しているものの、同社ではこれを次なる成長に向けた過渡期と捉えている。選挙の一服に伴い空いた人的リソースを、システム開発や研究開発へ振り向ける方針である。

セグメント別売上高の予想は、情報・印刷・産業システム機材が19,151百万円(前期比7.7%増)、金融汎用・選挙システム機材が5,812百万円(同58.1%減)、紙・紙加工品が8,707百万円(同1.0%増)、不動産賃貸・リース事業等が288百万円(同3.0%減)としている。なお、セグメント別利益の予想は開示されていない。

設備投資額は243百万円(前期は786百万円)、減価償却費は368百万円(同429百万円)、研究開発費は591百万円(同235百万円)を見込んでいる。

サブセグメント別(単体ベース)では、情報・産業システム機材の売上高は9,200百万円(前期比14.3%増)と予想されている。文書のデジタル化事業で、官公庁や自治体からの受注回復を背景に、売上高は5,127百万円(同49.0%増)と大幅な増収に転じる見込みである。特にデジタルアーカイブ需要の拡大に対応し、巻き返しを図る計画だ。ミクロフィルターは、飲料向けの販売や半導体など各種産業向けの販売は堅調を維持するものの、通期では微減を想定している。また、工業用検査機材は、航空・宇宙・インフラ分野での安全貢献ビジネスとして着実に実績を積み上げている。

印刷システム機材は、市場環境は引き続き厳しいものの、多目的インクジェットプリンターの販売強化などにより、収益力の改善に取り組んでいく。売上高は7,440百万円(同3.8%増)と若干の回復を予想している。

金融汎用システム機材では、金融機関の集中部門向けシステム機器の販売とセキュリティ機器の販売に注力し、売上高は1,900百万円(同5.8%増)を予想している。

主力の選挙システム機材では、大型の国政選挙が予定されていないことから売上高は3,800百万円(同68.4%減)と大幅減収の見込みだが、選挙用業務管理ソフトの標準化対応や、新たな社会インフラとして開発を進めてきた「テラック避難者情報把握システム」により、防災・減災分野での展開を本格化する。

紙・紙加工品については、堅調な需要が見込まれる紙器用板紙の拡販に注力し単体ベースの売上高は5,660百万円(同1.5%増)を予想している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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