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Jリース Research Memo(4):業界屈指の店舗網・人財を基盤に地域密着で大手のほか中小不動産会社に強み(2)

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■ジェイリース<7187>の事業概要

(2) 地域密着による細やかな対応
地域密着による細やかな対応は同社の基本方針であり、強みである。利用者のニーズに応じて、一括払い、年払い、月払いなど多様な保証料の支払い形態をそろえているが、これらをすべてそろえる同業他社は少ない。また、不動産会社からのリクエストによるカスタマイズにも積極的に対応し、個々の不動産会社から信頼を得ている。代位弁済に関しては、賃料の収納代行サービスも行っており、このサービスを利用する会社には賃料の滞納の有無にかかわらず賃料全額が入金される。個別の代位弁済請求時の支払日は同社の「3営業日後」に対して、同業他社では「月末」「月2回」「退去精算後」などが多く、同社の迅速な対応は際立っている。また業界最大の店舗数を持っていることで、代位弁済発生後に連絡が取れない場合には賃借人宛の訪問も行っている。このため、たとえば高齢者の孤独死を早期に発見できるなど大家から感謝されるケースも少なくないという。このような地域密着のきめ細やかな対応が評判と信頼へとつながっている。

(3) 多様なアライアンス先との共創から生み出される充実したサービス
賃料債務保証会社は、不動産の賃貸業務を行う不動産会社とあらかじめ契約(協定)を行う。同社との協定先は中小の不動産会社も多く、31千件という数多くの協定件数を有している。全国の店舗と営業人員で地域に密着した業務を行うことにより、一貫して協定件数を増やしてきた。協定件数の増加に伴い、保証の申込件数も増加するため新規の保証契約の増加にもつながっている。

保証関連事業における同社の強みは、多様なアライアンス先との共創から生み出される充実したサービスだ。顧客獲得には大手不動産協会との連携が有効になる。申し込みにはオンライン入居申込サービスを取り扱う各社との情報連携が利便性やスピードを高める。保証審査では、AI分析に基づく高度な与信審査モデルを外部の専門性を活用し構築している。賃貸借契約は電子契約が増えてきており、保証委託契約も含めた連携が求められる。入金決済にはクレジットカード決済会社、保険契約には保険会社、入居者サポートには付帯サービス提供会社、それぞれとの連携がカギとなる。これらの連携先との信頼関係は一朝一夕には形成できないものであり、同社が形成するエコシステムは同社の成長力と差別化につながっている。

(4) 専門性と対応力を備えた営業人財の継続的な育成
同社の特長の1つとしてオフィスや店舗の賃料を保証する事業用賃料保証がある。住居用と事業用の審査手法は大きく異なるため、住居用の専業保証会社が事業用賃料保証を展開することは容易ではない。同社は創業来、事業用賃料保証を展開しており、永年培ってきたノウハウによって他社の一歩先を走っていると言える。不動産会社への営業時に、比較的未導入の多い事業用賃料保証を提案し、実績を積み上げたうえで住居用賃料保証を提案するなど、住居用賃料保証と事業用賃料保証にはクロスセリングの有効性も実証されている。一方で各支店の営業人財は、住居用と事業用の両方の専門性と対応力が求められる。同社ではOff-JT及びOJTなどを通じて営業人財の育成を継続的に行うことで個々のパフォーマンスを高めている。一棟保証や医療費保証の営業は既に全国各店舗で行われており、営業人財の育成は順調に進んでいる。

(5) AI分析を活用した精度の高い与信審査と高い債権管理力
保証関連事業の重要な経営指標として、代位弁済発生率と代位弁済回収率がある。代位弁済発生率(高いほど収益にマイナス)は、同社が保証契約を結んでいる件数のうち、滞納などにより代位弁済をした件数の比率である。後発企業として都市部での知名度の向上やシェアを伸ばすなかで、戦略的に難しい属性の顧客にも対応してきた結果、過去にこの比率が上がった時期もあるが、現在では一定の知名度とシェアが得られたことから採算重視に戦略を転換した。その結果、2021年3月期からは好転し、明確な改善が見られる。2026年3月期は6.5%(前期は6.3%)と良好な水準を維持した。代位弁済回収率(高くなるほど収益にプラス)は、97.4%(2026年3月期)と前期並みで推移した。この指標がコロナ禍と比べると若干低下傾向にある理由としては、補助金などの恩恵が剥落してきたこともあり、振り幅は織り込み済みである。賃料債務保証は一定の与信リスクが生じることは必然であり、代位弁済をゼロにすることや、回収率を100%にすることは現実的な目標とはならない。適正な審査により債権の良質化を進めつつ、より広く保証を提供することも社会的な使命である。なお、現時点で同社はこれらの指標において業界トップの水準にあると考えられる。同社の厳格かつ迅速な審査を支えるのは、専門的なデータと独自開発のシステム、高いノウハウを有する審査部門の存在である。属性情報などから入居者チェックをするほか、新聞記事、代位弁済情報データベース、個人信用情報など多様な情報ソースからAIを活用したモデルを構築し、徹底的かつ迅速な保証審査に取り組んでいる。

(6) 東証プライム上場、創業来20年以上にわたり培った実績と高い信用力
同社は、賃料債務保証を主業とする会社で東証プライム市場に上場する2社の1社である。同業他社と比較しても高い成長性に特長がある。2018年3月期から2026年3月期までの9期間※の売上高の成長性を比較すると、同社が年率20.0%増、同業A社が年率5.5%増、同業B社が年率19.5%増、同業C社が年率10.7%増、同業D社が年率3.2%増、同業E社が年率13.2%増となっており、同社の成長性が業界内でも高い水準にあることがわかる。同社の成長の原動力は九州以外のエリアへの拡大と深耕である。特に東名阪の大都市エリアでは、同社がシェアを伸ばす余地はまだ広く残っていること、認知度・信頼度の向上とともに営業現場において同社が採用されやすい状況が生まれていることなどから、しばらくは着実な成長が続くだろう。一方、売上高経常利益率で比較すると、同社16.6%(2026年3月期)に対して、同業A社0.4%(2026年1月期)、同業B社22.8%(2026年3月期)、同業C社6.7%(2026年3月期)、同業D社12.1%(2026年3月期)、同業E社31.4%(2025年12月期)となっており、収益力においても業界上位ではあるものの、さらに向上の余地があることがわかる。

※ D社及びE社は上場以降の売上高の成長性

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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