■今後の見通し
1. 2027年3月期の業績見通し
アーレスティ<5852>の2027年3月期の業績見通しは、売上高で前期比3.3%減の161,600百万円、営業利益で同62.6%減の1,400百万円、経常利益で同72.1%減の800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同86.0%減の500百万円を見込んでいる。自動車生産の先行き不透明感に加え、中東情勢に起因するアルミニウム原材料価格高騰影響、中国市場の不透明感などを織り込んだ保守的な計画となっている。一方で、北米事業の構造改革や「SMARTなものづくり」の推進による収益力の向上を図りつつ、将来の収益改善に向けた基盤整備を進める。
2. 事業セグメント別業績見通し
(1) ダイカスト事業 日本
日本のダイカスト事業は売上高67,600百万円(前期比1.4%減)、セグメント利益400百万円(同84.8%減)を見込んでいる。売上高はおおむね前期並みの水準を維持するものの、中東情勢に起因するアルミニウム原材料価格高騰に伴う価格転嫁のタイムラグや、自動車メーカーの生産計画を慎重に織り込んだことから大幅減益を計画している。同社によれば、人件費や原材料価格上昇分の価格是正について顧客との協議を継続しているものの、業績予想には一定のタイムラグが生じる前提とし、十分な効果を織り込んでいない、とのことである。また、「SMARTなものづくり」の浸透やVAPHを活用した改善活動を通じて、生産性向上と収益力強化を進める。
(2) ダイカスト事業 北米
北米のダイカスト事業は売上高51,700百万円(同1.0%減)、セグメント利益400百万円(前期は428百万円の損失)を見込んでいる。米国工場の再建計画をフェーズ2へ移行し、個別製品の採算改善、コスト構造改革、マネジメント強化、米国・メキシコ一体運営による収益最大化を推進することで黒字化を目指している。従来の改善活動に加え、メキシコへの間接業務移管や機能統合を進めることで米国工場のコスト構造改革を加速しており、2027年3月期中の北米セグメント黒字化を重要な経営課題として位置付けている。
(3) ダイカスト事業 アジア
アジアのダイカスト事業は売上高31,500百万円(同13.1%減)、セグメント利益は収支均衡を見込んでいる。中国市場ではBYD向け製品の受注量の減少や価格競争激化を背景に慎重な前提を置いているほか、広州拠点の収益改善も課題となっている。一方、インドでは受注拡大が継続しており、取材によれば第2工場は稼働開始から約1年半でほぼ満稼働の状況にある。今後は成長を利益に結び付ける生産性向上や追加投資の検討が重要テーマになる。
(4) アルミニウム事業・完成品事業
アルミニウム事業は売上高7,800百万円(前期比17.8%増)、セグメント利益300百万円(同18.6%増)を見込んでいる。アルミニウム価格上昇に伴う販売単価上昇を主因に増収増益を計画している。
完成品事業は売上高3,000百万円(前期比13.2%減)、セグメント利益300百万円(同31.4%減)を見込んでいる。
総じて、業績予想はアルミ価格高騰や中国市場の不透明感を十分に織り込んだ保守的な前提であり、北米再建や価格転嫁が想定以上に進展した場合には上振れ余地もあると見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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