■AI・半導体関連株が主導して大幅安の展開に
来週の日経平均は先週末比4416.61円安(-6.4%)の64141.12円で取引を終了した。週初は大幅安スタート。イランの革命防衛隊がホルムズ海峡の再封鎖を宣言、米国もイランへの攻撃を実施するなど、中東情勢悪化への警戒感が再燃した。また、韓国市場で半導体株が大きく下落したことも相場を冷やした。その後、週央にかけては反発となった。原油相場の下落一服、韓国半導体株の反発などを背景に、押し目買いの動きが優勢となった。15日には蘭ASMLが決算を発表、市場予想を上回る内容となったことも株式市場の支援材料につながった。
ただ、週後半は人工知能(AI)・半導体関連株が主導して大きく下げる展開になった。米半導体株安や韓国株下落につれ安する流れとなる。16日には台湾TSMCが市場予想を上回る決算を発表したものの株価が下落し、AI関連株に対する過熱警戒感があらためて強まる形にもなった。週末もAI・半導体株を中心に大幅下落、歴代5番目の下げ幅を記録した。下げ幅は一時4100円を上回る場面もあった。TSMCの決算発表後の下落を受けて、米半導体関連株が下落したことが響いた。東京市場3連休を控えて、持ち高調整の売り圧力なども強まったもよう。
■米国のAI・半導体株の決算発表に注目
今週末の米国株式市場は下落。ダウ平均は前日比406.55ドル安の52146.42ドル、ナスダックは同361.70ポイント安の25520.24で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比960円高の65020円。米国とイランの軍事衝突激化に伴って原油価格が上昇、投資家心理の悪化につながった。また、中国のスタートアップ企業がAIの新モデルを発表したことで競争激化への懸念が強まったほか、決算発表を受けたネットフリックスの株価下落でハイテク株売りの流れも強まった。
来週の株式市場もAI・半導体株の動向がカギを握ることになろう。今週末の夜間取引では、米国株と比較して日経平均先物は強い動きとなったが、東京市場連休中の韓国株式市場や米国AI関連株の動向次第では、こうしたモメンタムは週初から変化する可能性も高い。その後は、アルファベット、テキサス・インスツルメンツ、インテルなど、米国のAI・半導体関連株の決算発表、その後の株価動向が焦点となってこよう。サムスン電子の暫定決算やTSMCの決算発表を受けて関連株は総じて下落しており、過剰な期待感はやや後退しているとみられ、決算数値の上振れ幅次第では、関連銘柄にも幅広く好影響を与える可能性がある。国内市場ではキオクシア<285A>が高値から半値以下の水準にまで下落しており、調整一巡感なども強まりやすくなっていよう。
また、6月に軟調な動きが続き、来週にかけての半導体株安につながったとみられる米ハイパースケーラー株は、足下で総じて反発基調に転じている。こうした動きは、今後のAIインフラ株や半導体株のリバウンドを想起させるものでもある。この観点では、中国ムーンショットAIが発表した新モデルの脅威に対する警戒感の持続性、来週決算発表予定であるアルファベットの利益率、設備投資計画などに関心が高まることとなる。
来週は米国で経済指標の発表などが少なく、経済イベントとしては22日から23日にかけての欧州中央銀行(ECB)理事会が注目されることになる。6月会合で利上げを決定したばかりであり、今回は政策金利の据え置きが想定される。ただし、足下では中東情勢が再度不安定化しているため、ラガルドECB総裁が9月追加利上げについての可能性などを示唆する公算はあろう。世界的な金利上昇につながる可能性には注意。
■内需ディフェンシブ系への資金シフトが継続も
今週の日経平均は大幅下落となったものの、業種別では半数以上のセクターがプラスサイドで終わっている。週後半にかけても、小売り、食品、医薬品、ゲーム、情報サービスセクターなどで強い動きが目立ち、弱気一辺倒に傾いているわけではない。今後も、米国市場や韓国市場の動向を睨んで、AI・半導体株の弱含みが意識されるようであれば、こうしたセクターの銘柄群は着実な水準訂正の動きが期待できよう。とりわけ、米国時間22日にはIBMとサービスナウの決算発表が重なっており、国内情報サービスセクター銘柄の動向を大きく左右しそうだ。
再来週には日銀金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるが、ともに今回は政策金利の変更がないと想定されている。日銀の利上げは10月との見方が多くなっているもようだが、6月の企業物価指数が大きく上昇していることで、9月の利上げも視野に入りつつあるとみられる。この観点から、24日発表予定の6月消費者物価指数(CPI)が上振れるようであれば、警戒感が増すことになろう。
■ECB理事会が開催予定
来週、国内では、21日に6月首都圏新築マンション発売、22日に6月貿易統計、24日に6月消費者物価指数、7月S&Pグローバル製造業が発表される。なお、20日は海の日の祝日で休場となる。
海外では、21日に独・7月ZEW景況感指数、23日に米・新規失業保険申請件数、24日に欧・7月ユーロ圏S&Pグローバル製造業・サービス業PMI、米・6月新築住宅販売件数、7月S&Pグローバル製造業・サービス業PMIなどが発表される。なお、22日から23日にかけてECB理事会が開催され、23日にはラガルドECB総裁の会見が予定されている。
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