2026年8月26日に発表された、Solvvy株式会社2026年6月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
FY2026 連結決算 概要

吉川淳史氏(以下、吉川):上席執行役員経営管理本部長の吉川です。それでは、2026年6月期の業績について簡単にご説明します。
2026年6月期の業績は、2025年6月期に比べて増収増益を達成しましたが、計画にはやや届かない結果となりました。一方、第4四半期では、過去最高の売上高と利益を達成しています。
この要因としては、主要な2領域である住宅領域と再生可能エネルギー領域、HomeworthTech事業とExtendTech事業のいずれも好調だったことが挙げられます。
なお、第1四半期に計画に対する遅れが見られましたが、第2四半期から第4四半期にかけて計画水準を達成したため、このような結果となりました。
四半期ごとの売上高推移

スライドは、四半期ごとの売上高の伸びについて解説したグラフです。例年のトレンドどおり、第1四半期から第4四半期にかけて右肩上がりの成長を示しており、この傾向が今後も続くと見込んでいます。
HomeworthTech事業とExtendTech事業の両方が成長していることがおわかりいただけるかと思います。
FY2026 営業利益 分析

スライドは、前期比の滝チャートを示しています。売上高が前期比14.5パーセント増加した一方で、商品内容の見直しやAI活用による業務効率化の結果、原価の伸びは前期比6.9パーセント増に抑えられました。
一方で、人材投資やAI活用への投資によって販管費が増加したため、最終的に営業利益は前期比14.8パーセントの増加となりました。
FY2026 連結決算 セグメント別

セグメント別の結果です。先ほどご説明したとおり、HomeworthTech事業、ExtendTech事業ともに好調です。事業別に見ても、前期比では伸びていますが、計画比では両事業とも未達の状況です。
当社保証ビジネスの会計上の特性について

当社の前受収益についてです。当社がKPIとしている将来の確定売上である前受収益は、第2四半期から第3四半期にかけて約10億5,000万円の増加がありました。さらに、第3四半期から第4四半期にかけても約9億8,000万円の増加となり、良いペースで伸びています。
2026年6月期に関するご説明は以上です。
私たちの提供サービス

安達慶高氏:Solvvy株式会社代表取締役社長の安達です。あらためまして、本日はよろしくお願いします。それでは、当社の成長戦略についてご説明します。
当社は、クライアントが所有する既存顧客の情報、技術、ノウハウなどの資産の価値を高め、それらを活性化・収益化するための独自のエンゲージメントプラットフォームを販売・運用している会社です。
一言で言えば、「データベースの投資信託会社」のようなポジションを志向しています。当社のプラットフォームを使用することで、クライアントは一過性の売上から脱却し、LTV(顧客生涯価値)の最大化を実現する会員型ビジネスを構築できます。
このエンゲージメントプラットフォームは、クライアントが保有するデータベースを活用し、保証、アプリ、ポイントなどの各種機能を提供することで、最適なOne to Oneマーケティングの実現に寄与しています。
会員型ビジネスによって実現するもの

通常のBtoCビジネスでは、各企業が商材ごとに個別のリサーチやブランディングを行い、マーケティングを実施する必要があります。
一方、当社のエンゲージメントプラットフォームを活用することで、クライアントとエンドユーザーの関係性を構築・強化し、低リスクかつ高精度なクローズドマーケティングを行うことが可能です。
住宅領域における会員型ビジネス支援事例

具体的な事例として、すでに住宅のお客さまに対して行っている取り組みですが、住宅事業者などに対し、当社は戦略コンサルティングやシステム開発の提供、オペレーションの受託、保証サービスの共同開発といったかたちで支援を行っています。
アフターサービスを切り口として、住宅事業者と住宅オーナーとの接点をアプリに集約することにより、修理の依頼や問い合わせといった簡易な依頼については自動で完結させ、住宅事業者の問い合わせ対応工数を軽減しています。
同時に、このアプリを通じて住宅オーナーへ各種案内を行うことで、保証サービスなどのマーケティング機会を創出しています。
住宅事業者は、住宅オーナーのニーズに応じたサービスを案内できるようになり、これまで多くの会社が苦労してきたOB顧客の収益化において、新たな収益機会を提供できるようになりました。
当社としても、会員向けサービスの代行を通じて、得意領域である保証サービスにおいてアップセルやクロスセルなどの販売が可能となっています。
今後の成長戦略

このエンゲージメントプラットフォームを軸とした、今後の成長戦略の全体像についてです。
基本的には、私たちは新築住宅領域や再生可能エネルギー領域といった主要2領域を引き続き深耕するとともに、今後の成長エンジンとなり得る新たな領域への事業展開にも引き続き挑戦していきたいと考えています。
その中でも特に、住宅のリフォームや中古住宅の売買といった中古住宅領域や、カルチャーセンターや生涯学習センターなど、いわゆるリスキリングの領域を、今期の注力領域として位置づけています。
当社の強みである法人向けマーケティング機能を活用し、新規領域での事業展開を進めていく方針です。
住宅リフォーム領域への展開

注力領域の1つ目である住宅リフォーム領域への展開について、ジャックスとの資本業務提携を通じて、リフォーム契約業務に特化したDXプラットフォームを今後投入する予定です。
このプラットフォームは、ジャックスと共同で開発し、ジャックスの加盟店を通じて住宅リフォーム契約の業務に、金融・保証サービスをシームレスに組み込むかたちでのエンベデッドファイナンスの仕組みとして実装することを共同で進めていく考えです。
住宅領域で高いシェアを持つジャックスとの提携により、新築住宅価格の高騰に伴って社会的ニーズが高まっている住宅リフォーム領域で、迅速な事業展開を進めたいと考えています。
中古住宅売買領域への展開

中古住宅の売買領域についてです。いわゆる不動産の売買領域において、ブランディングテクノロジーとの業務提携を通じて、不動産仲介事業者の開拓を進めていきます。
ブランディングテクノロジーは特に中小企業に強みを持ち、中小不動産仲介事業者のマーケティングを支援しています。この提携を通じて新規開拓を志向するとともに、不動産仲介事業者と連携し、買主向けアフターサービスのプロモーションを強化していきます。
両者のソリューションの補完性を活かし、住宅事業者へのクロスセルを推進することで、展開余地の大きい中古住宅売買領域への開拓を進めていきたいと考えています。
カルチャースクール領域への展開

もう1つ伸ばしていこうと考えているのが、カルチャースクール領域です。この領域はリスキリング領域とも呼ばれています。
具体的には、子会社であるメディアシークが国内トップシェアを誇るカルチャースクール向け基幹システム「マイクラス」を、国内の約7割のクライアントに提供しており、これに加えて会員向けの「マイクラスアプリ」を新たに展開します。「マイクラスアプリ」は、すでに複数の大手カルチャーセンターへの導入が決定しています。
住宅事業者の場合で言えば、アプリ導入後にストックビジネスコンサルティングやOB顧客向けサービスなどによる多角的なサービス展開を行っていますが、このカルチャースクールのエンドユーザーに対しても、同様に会員データベースに基づくマーケティングを進めていく計画です。
さらに、この会員データベースを活用し、「データベースを収益化する」という観点で、共同運営を行っていくことを検討しています。
今後の成長戦略

今後の成長戦略についてまとめます。当社のストックビジネスコンサルティングは、クライアントに会員型ビジネスの基盤となるエンゲージメントプラットフォームを導入いただき、クライアントの先にいる個人のエンドユーザーに対して、保証やサブスクリプション、その他各種サービスを提供することで成り立っています。
現在、各領域でのストックビジネスコンサルティングを通じて、幅広い顧客データベースの取得を目指しています。特に住宅領域では、データベースマーケティングがすでに本格化しており、現在の収益の柱となっています。これを他の領域にも拡大していく方針です。
今後は、ジャックスとの提携によるリフォーム領域の開拓や、ブランディングテクノロジーとの提携による中古売買領域の開拓、さらに「マイクラスアプリ」の新規展開を進めることで、このリスキリング領域を開拓し、業績のさらなる拡大を目指していきます。
ストックビジネスコンサルティングを通じた今後の成長イメージ

ストックビジネスコンサルティングを通じた成長イメージについてご説明します。当社の業績構造は、取引先クライアントのエンゲージメントプラットフォーム導入を中心とする業務委託型のBtoBビジネスを収益の第1層として展開しています。
その後、クライアントの先にいるエンドユーザーに向けたサブスクリプションサービスや保証サービスの提供を中心とするBtoCサービスを収益の第2層と位置づけています。
具体的には、保証を含むシステム提供やコンサルティング、SI(システムインテグレーション)の提供など、さまざまなかたちでBtoB商材を活用してクライアント数を積み上げた後、クライアントとエンドユーザーとの関係を活性化し、エンドユーザーにBtoC商材を直接提供して収益化を図るという2層構造を採用しています。
この2層構造により、従来のBtoBビジネスのみでは達成できなかった加速度的な成長を実現できると考えています。
したがって、BtoBおよびBtoC双方の商材を充実させることでクライアント数を増やし、さらに顧客データストック数を増加させることが、中長期的な成長のポイントとなると考えています。こうした観点から、新規商材の充実に向けた取り組みを継続して進めています。
FY2027計画および業績成長イメージ

2027年6月期、今期の計画についてご説明します。
建築基準法改正に伴う引き渡しの長期化や、中東情勢における住宅供給の不透明さ、NextGIGA案件撤退による当初計画の変更といった要因を踏まえ、2027年6月期の通期計画は新規サービスによる売上寄与を除いた保守的な計画へ修正しました。
売上高は80億円、営業利益は19億円、経常利益は27億円を見込んでいます。
2028年6月期以降は、主要2領域である住宅領域と再生可能エネルギー領域におけるストックビジネスコンサルティングの本格化や、ジャックスとの資本業務提携による住宅リフォームや中古領域の収益化、「マイクラスアプリ」の展開を通じたカルチャースクール領域の収益化、さらにはM&Aの実行による収益の上積みを図り、売上高成長率20パーセント超を目指します。
FY2027計画詳細

2027年6月期の計画詳細は、スライドに記載のとおりです。四半期別に数値を記載しています。
株主還元方針

株主還元についてです。2027年6月期は、1株当たり中間配当15円、期末配当15円の年間30円を予想しています。前期比50パーセントの増配で、配当性向は19.3パーセントとなる見込みです。
当社は累進配当方針を掲げており、配当性向30パーセントを目標に、今後も段階的な配当額の引き上げを目指していきます。
私からのご説明は以上です。ありがとうございました。
質疑応答:2026年6月期の業績未達の理由について
司会者:「2026年6月期の業績が通期計画に対して売上・利益ともに未達となった要因を、もう少し詳しく説明してほしい」というご質問です。
吉川:2026年6月期の業績が未達となった理由は、主に2点あると考えています。
1点目は、第1四半期においてGIGA保証の運営正常化対応に人員リソースが割かれたため、ExtendTech事業を中心に営業活動が一時的に停滞し、その影響が通期の業績にまで及んだことです。
2点目は、NextGIGA領域および大学領域において、新規契約の獲得や業績への貢献を一定程度見込んでいましたが、残念ながら想定どおりに進まなかったことです。結果的に通期計画を充足するには至りませんでしたが、この点は他の商品によって一定程度補うことができました。
質疑応答:今期の計画変更および見通しについて

司会者:「2027年6月期予想を保守的に見ざるを得なかったのは、スライド20ページの点線内に記載している3つの要因のみでしょうか?」というご質問です。
吉川:記載の3つの要因が大きいと考えています。それ以外にあえて挙げるとすれば、今期は全体的にかなり保守的に見ていることです。新規商品の開発を並行していくつも行っているため、それらが実現すれば、今後は上方修正も検討していきたいと思っています。
質疑応答:売上配分と通期増益計画について

司会者:「2027年6月期下期の営業利益が前年同期比で減益に転じる見通しですが、理由は何でしょうか?」というご質問です。
吉川:売上の配分は今年も下期偏重ですが、前年ほどの偏りではなく、上期にある程度計上できるように活動します。その結果、下期単体ではおっしゃるとおり減益となる可能性もありますが、通期では増益を維持する計画です。
質疑応答:2027年6月期通期の事業別売上高および営業利益予想について
司会者:「2027年6月期通期の事業別売上高および営業利益予想はありますか?」というご質問です。
吉川:開示はしていませんが、前期に比べて主要2事業であるHomeworthTech事業とExtendTech事業は、いずれも微増という計画を立てています。
質疑応答:営業外収益の構成と安定性について
司会者:「営業利益の計画が未達であった一方で、経常利益は通期計画を達成しています。営業外損益の伸びがかなり大きく見えましたが、これは一過性のものなのでしょうか? 今後の見通しを教えてください」というご質問です。
吉川:当社の営業外収益は、保有不動産からの賃料収入や有価証券の運用益等が中心です。有価証券の運用益等は市況によって変動し、資産の入れ替え時に売却益が発生することもあるため、一過性の要素も含まれます。
一方で、ポートフォリオを適宜見直しながら資産を入れ替えることで、賃料収入と合わせ、安定的な利益をこれまで創出してきました。今後も引き続き拡大を目指していきたいと考えています。
質疑応答:NextGIGA領域からの撤退決定の経緯について
司会者:「NextGIGA領域からの撤退に至った背景と判断根拠について教えてください」というご質問です。
吉川:1stGIGA案件では、第17期の決算において保証限度額を超過したことで損失を計上しました。その経緯を踏まえ、リスクに見合った値上げを含む商品改定などの対応を行ってきました。
しかし、他の事業と比較した際の採算性やリスク管理の難易度を考慮し、経営資源を他の成長領域や今後の注力領域へ配分する観点から、NextGIGA領域については撤退を決定しました。
質疑応答:GIGA保証の運営状況と今後の見通しについて
司会者:「前期第1四半期の業績を押し下げる原因となったGIGA保証対応について、その後の収束状況と、2027年6月期の業績への影響見通しをあらためて教えてください」というご質問です。
吉川:GIGA保証の運営正常化は昨年第1四半期に収束しており、第2四半期以降は営業活動への影響も解消しています。
GIGA保証に属する1stGIGAの対象保証契約は、満了がかなり進んでいます。また、修理費用の削減に向けた取り組みも引き続き実施しています。現時点では未完(契約期間中)のものもいくつかありますが、それに伴う追加コストの発生は見込んでいません。
質疑応答:LifeTech事業の進捗状況について
司会者:「LifeTech事業は前期計画に対して大幅な未達となりましたが、その要因を教えてください」というご質問です。
吉川:LifeTech事業は、旧メディアシークが担当していた領域です。月単位での数値を見ると、前年並みまたは微減という状況が続いています。
当初計画では、大学領域への展開による業績貢献を見込んでいましたが、学校法人特有の予算スケジュールなどの事情により、業績への貢献が計画より遅れてしまい、計画を達成することができませんでした。
一方で、従来から行っていたSI受託開発や、カルチャーセンター領域における新規サービス提供の開始などにより、当該事業全体としては着実に進捗しています。
