■要約
Jトラスト<8508>は、日本金融事業・韓国金融事業・東南アジア金融事業などのアジアでの金融事業を主軸に、不動産事業(国内)を併せ持つホールディングカンパニーである。なかでも日本金融事業における富裕層向けビジネスを拡大することで、持続的な成長を目指している。
1. 2026年12月期中間期の業績概要
2026年12月期第2四半期累計(以下、中間期)の連結業績は、営業収益62,405百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益7,286百万円(同59.1%増)、税引前利益7,702百万円(同99.4%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益6,128百万円(同340.9%増)となった。営業収益は、日本金融事業、韓国金融事業、不動産事業における増収が、東南アジア金融事業及び投資事業における減収を上回り、小幅の増収となった。営業利益は、日本金融事業、韓国金融事業、不動産事業が好調で、東南アジア金融事業の減益や投資事業の損失拡大を補って増益となった。親会社の所有者に帰属する中間利益は、繰延税金負債の取り崩しにより法人税等調整額が減少したことなどにより、大幅な増益となった。通期業績予想に対する進捗率は、営業収益が48.0%とおおむね計画どおり、営業利益は62.8%、税引前利益は65.8%、親会社の所有者に帰属する中間利益は75.7%と順調に推移しており、今後の進捗が注目される。
2. 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の連結業績の見通しは、期初の業績予想を維持し、営業収益130,000百万円(前期比4.6%増)、営業利益11,600百万円(同6.4%増)、税引前利益11,700百万円(同0.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益8,100百万円(同2.0%増)としている。営業利益については、日本金融事業、韓国金融事業、不動産事業で増益を計画する一方、東南アジア金融事業では当局の規制強化や景気後退などの影響から減益を予想する。ただ、同社の期初予想は例年において保守的な傾向があり、中間期決算における各段階利益の通期計画に対する高い進捗率を考えると、上振れの可能性もあると弊社では見ている。年間配当金は前期と同額の17.0円を予定するが、普通配当ベースでは1.0円の増配である。また、2026年12月期は株主優待をさらに充実させる。加えて、自己株式の取得等の株主還元や、国内外でのIR活動にも引き続き積極的に取り組み、2026年秋のTOPIX入りを目指している。
3. 成長戦略
今後の成長戦略については、日本金融事業を安定的な成長ドライバーと位置付け、グループ全体の収益性を向上させる。同事業では、信用保証事業及び証券事業において強固な富裕層顧客基盤を有している。また、不動産事業においても富裕層顧客が多いことから、グループ企業及び提携先金融機関とのクロスセルを通じて、富裕層向けビジネスをさらに拡大し、増益を継続する方針である。韓国金融事業及び国内の不動産事業では安定した収益が見込まれる一方、東南アジア金融事業では、カンボジアが堅調に推移するのに対し、インドネシアは銀行部門の立て直しの途上にあり、新たな不良債権の発生抑制に注力する。今後は、国内の富裕層向けビジネスによる成長と海外事業の課題解決を並行して進めることで、グループ全体の増益継続を目指す。また、資本効率やリスク特性の異なる海外事業セグメント群(韓国金融事業、東南アジア金融事業)及び投資事業セグメントの子会社を対象とするスピンオフの検討を開始した。事業戦略の進捗と、それに伴う業績への反映を注視したい。
■Key Points
・2026年12月期中間期の各段階利益は、通期計画に対して順調に進捗
・2026年12月期は、日本金融事業、韓国金融事業、不動産事業で増益予想
・日本金融事業の拡大により増益基調を継続、海外子会社のスピンオフの検討も開始
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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