■事業内容
1. 事業概要
アクシス<4012>の事業は、「システムサービス事業」と「ITサービス事業」の2事業で構成される。2025年12月期の売上構成比は、システムサービス事業が94.6%、ITサービス事業が5.4%であった。主力のシステムサービス事業では金融業向けシステム開発を強みとしており、ITサービス事業ではサブスクリプション型のクラウドサービスや、デジタルコンサルティングサービスなどを展開している。なお、2025年12月期から「システムインテグレーション事業」の名称を、事業実態に合わせて「システムサービス事業」へ変更したが、事業内容に大きな変更はない。
同社は、システムサービス事業で創出した利益を、成長事業と位置づけているITサービス事業へ再投資することで、新たな収益源の育成と企業価値の向上を目指している。
2. システムサービス事業
主力のシステムサービス事業では、顧客の業務課題解決に向けてシステム開発からインフラ構築までを幅広く支援する。提供するサービスは「システムインテグレーション(SI)」と「クラウドインテグレーション(CI)」に区分される。
システムインテグレーションでは、業務アプリケーションについて要件定義から設計、開発、運用・保守までを一貫して提供している。金融分野を中心とするミッションクリティカルなシステム開発で培った高い技術力と業務知識を強みとしており、2025年12月期の全社売上高の79.4%を占める主力事業となっている。クラウドインテグレーションは、AWSやMicrosoft Azureなどのパブリッククラウドを活用し、クラウド環境の設計・構築から移行、運用までを支援する。DX投資の拡大を背景に需要が増加しており、2025年12月期の全社売上構成比は15.3%となった。
顧客は銀行を中心とする金融機関のほか、官公庁、通信事業者、一般企業など100社超に及ぶ。2025年12月期のシステムサービス事業における業種別売上構成比は金融50.7%、公共20.6%、情報通信16.1%、その他12.6%であった。主要銀行顧客には、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、あおぞら銀行<8304>グループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が含まれる。金融分野で培った開発実績・ノウハウを生かしながら、公共分野や情報通信分野への展開も進め、顧客基盤の分散を図っている。
取引形態は、金融機関や官公庁などのエンドユーザーとの直接取引と、大手システムインテグレーター経由の取引に大別される。主な取引先は、(株)NTTデータグループ、富士通<6702>グループ、BIPROGY<8056>グループであり、この大手SIer上位3社グループで全社売上高の38.7%(2025年12月期)となっている。
売上原価は、主に人件費(労務費)と外注費で構成され、2025年12月期の売上原価に占める構成比は、人件費49.3%、外注費46.0%であった。
3. ITサービス事業
ITサービス事業は、自社開発プロダクトを月額課金型で提供する「クラウドサービス」と、企業のDX推進を上流工程から支援する「デジタルコンサルティングサービス」の2つで構成される。システムサービス事業で培った技術力や顧客基盤を活用しながら、ストック型収益の拡大と高付加価値サービスの提供を進めている。
(1) クラウドサービス
クラウドサービスでは、自社開発プロダクトをSaaS形式で提供し、月額課金によるストック収益を確保している。主力サービスである「KITARO」は、車両に設置した通信機能付きドライブレコーダーやGPS端末から取得した情報をクラウド上でリアルタイムに可視化する運行管理システムである。運送業や建設業、小売業などを中心に導入が進んでおり、業務効率化や労働時間管理、安全運転の推進などに活用されている。車両単位の月額課金モデルを採用しているため導入しやすく、契約台数の拡大につながっている。2026年7月には、車両陸送事業者向けの「KITARO×ドラレコ」の販売を開始した効果もあり、同年8月にはKITAROの契約台数が1万台を突破した。
主な顧客は、運送業、建設業、卸売業、小売業など多数の車両を保有する企業である。物流業界では、「2024年問題」と呼ばれる時間外労働規制への対応や慢性的なドライバー不足が深刻な課題となっている。このため、運行ルートの最適化による業務効率化や労働時間管理の高度化、安全運転の推進を目的とした運行管理システムへの需要が高まっている。KITAROは、リアルタイム運行管理、安全運転支援、多様なデバイス連携、業種特化機能を強みとする。競合サービスのSmartDrive Fleet(スマートドライブ<5137>)、Cariot((株)キャリオット)、docoですcar(NTTドコモビジネス(株))、MobilityOne(パイオニア(株))などと比較して、現場運用への適応力や価格競争力に優れている。
(2) デジタルコンサルティングサービス
デジタルコンサルティングサービスでは、中堅・中小企業のIT人材不足やデジタル化の遅れといった課題解決を支援する。システム導入の提案にとどまらず、運用支援や人材育成、業務アウトソーシングまで幅広く対応している点が特徴である。主力サービスの「まるっとアクシス」は、IT・デジタル化に関する総合相談サービスであり、業務分析から課題整理、解決策の提案まで伴走型で支援する。クラウドサービスの導入支援に加え、情報システム部門のアウトソーシングなども提供しており、顧客企業の生産性向上に貢献している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)
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